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抗HER2抗体薬物複合体「DS-8201」のP1試験中間結果をASCOで発表-第一三共

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2017年06月08日 PM01:45

複数のHER2発現がん患者を対象に安全性と有効性を評価

第一三共株式会社は6月6日、抗HER2抗体薬物複合体(ADC)「」の第1相臨床試験の中間結果を米国臨床腫瘍学会(ASCO)で発表した。

同試験は、日本と米国において、HER2陽性乳がん、HER2低発現乳がん、HER2陽性胃がん、HER2発現固形がんの患者を対象に、同剤の安全性と有効性を評価する試験。有効性については、HER2発現患者97名において、全奏功率は40.2%、病勢コントロール率は91.8%だった。安全性は、134名の患者において、グレード4の有害事象として、血小板数減少(3.8%)、好中球数減少(3.0%)、貧血症(1.5%)、白血球数減少(1.5%)がみられたという。

HER2陽性転移性乳がん・HER2陽性胃がん対象のP2試験を準備

トラスツズマブにエムタンシンを結合させたADC「」とペルツズマブの併用による前治療を受けたHER2発現転移性乳がん患者30名のサブ解析では、全奏効率は46.7%、病勢コントロール率は100%だった。T-DM1単独による前治療を受けたHER2発現転移性乳がん患者35名のサブ解析では、全奏効率は45.7%、病勢コントロール率は100%だった。

トラスツズマブによる前治療を受けたHER2陽性胃がんまたは胃食道接合部腺がんの患者36名では、全奏効率は44.4%、病勢コントロール率は88.9%。イリノテカンによる前治療を受けたHER2陽性胃がんまたは胃食道接合部腺がんの患者18名のサブ解析では、全奏効率は44.4%、病勢コントロール率は94.4%だった。

同試験の中間結果においてDS-8201は、その安全性と有効性が示唆されたことから、現在、第一三共はHER2陽性転移性乳がんおよびHER2陽性胃がんにおけるDS-8201の有効性と安全性を評価する第2相臨床試験の準備を進めているという。同社は、DS-8201を含むADCフランチャイズの開発を加速させるとしている。

 

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