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鶏肉から新種のバンコマイシン耐性腸球菌を発見-阪大ら

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2016年10月04日 PM02:30

バンコマイシン耐性を持つ菌だけを検出できる方法により

(AMED)は9月30日、大阪大学を中心とする研究グループとベトナム・ホーチミン国立公衆衛生研究所との共同研究において、ベトナム国内に流通する鶏肉から新種のバンコマイシン耐性腸球菌(Vancomycin Resistant Enterococci:VRE)を発見したと発表した。この研究は、地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)「薬剤耐性細菌発生機構の解明と食品管理における耐性菌モニタリングシステムの開発」事業によるもの。研究成果は、細菌分類の学会誌「International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology」に掲載される予定。


画像はリリースより

薬剤耐性菌問題は、2015年のWHO総会や今年度のG7伊勢志摩サミットでも取り上げられ、今や国境を越えて世界で取り組むべき重要課題となっている。腸球菌はヒトや動物の腸管内に常在している菌で、全ての腸球菌がバンコマイシンに耐性というわけではない。

そこで、研究グループがバンコマイシン耐性を持つ菌だけを検出できる方法で鶏肉を調べたところ、20検体中2検体から腸球菌が分離された。VREとしては世界的にE. faecalisとE. faeciumの二菌種が有名だが、研究グループが調べたところどちらでもなく、一番近いE. canintestiniやE. disparとも異なり、これらが新種であることがわかった。

今後、抗菌剤の適切な使用に向けての取り組み強化が重要に

この新種のVREの腸球菌名は、発見された地名にちなんでE. saigonensis(エンテロコッカス・サイゴンエンシス)と命名された。この新種は、染色体上にバンコマイシン耐性遺伝子vanAをもち、ヒトのグラム陽性球菌感染症の治療薬として重要なバンコマイシンに強い耐性を示し、無効としてしまうことが特徴。バンコマイシン耐性遺伝子vanAは「トランスポゾン(動く遺伝子)」と呼ばれる遺伝子の性質を持ち、菌から菌へ自由に動き回れる可能性があるといわれてきた。今回、発見された新種の腸球菌がすでにバンコマイシン耐性遺伝子vanAを染色体上に保有していたということは、薬剤耐性遺伝子が、考えられているより広範囲に菌種間を超えて伝播と拡散をしている可能性を示しているという。

VREが世界に拡散した原因のひとつに、バンコマイシンに化学構造が類似したアポパルシンという抗菌剤を以前、鶏や豚の飼料に添加していたことが挙げられている。アポパルシン投与により鶏などの腸管内でVREが選択的に増加し、それがヒトまで広がったのではないかとも考えられている。

今回のプログラムの調査で、ベトナムでは食肉に高頻度で残留抗菌剤が検出されるという実態が明らかになっている。家畜に対する不適切な抗菌剤の使用が、VREに限らずさまざまな薬剤耐性菌を生み出している可能性があり、抗菌剤の適切な使用に向けての取り組み強化が今後重要となるとしている。新種VREの生息地域や病原性、そして薬剤耐性遺伝子の獲得メカニズムなど、多くのことが明らかになることでVREの拡散を防ぐ対策につながると期待されると、研究グループは述べている。

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