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新しい経口薬TTP488がアルツハイマー病患者における疾患修飾に有望

2012年11月01日 PM06:10
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米ノースカロライナ州ハイポイント

(ビジネスワイヤ) — 新しい経口治療薬候補TTP488について、軽度から中等度のアルツハイマー病患者に対する18カ月の治療期間を通じ、認知機能低下を遅らせるという臨床証拠が示されました。TTP488は、最終糖化産物受容体(RAGE)の研究で初めて臨床的有用性が示された低分子医薬品です。RAGEはアルツハイマー病の治療における新しい生化学的標的です。ノースカロライナ州ハイポイントのトランステック・ファーマがTTP488を創薬・開発し、この治療薬候補に関するすべての権利を保有しています。

これらの新しい臨床結果は、ファイザーがスポンサーとなり、「アルツハイマー病共同研究」が実施した治験から得られたものです。「アルツハイマー病共同研究」は米国国立衛生研究所傘下の国立加齢研究所が資金を提供する全米規模の研究コンソーシアムです。この治験では、アルツハイマー病研究に関わる米国の名だたる教育病院40カ所以上にて、軽度から中等度のアルツハイマー病を患った患者399人が参加しました。

トランステック・ファーマと第三者の専門家が実施した試験データの分析では、TTP488 5 mgの投与を受けた患者群において、18カ月にわたる認知機能低下に関し、プラセボと比較して26%の効果が示されました。軽度のアルツハイマー病患者の場合はさらに顕著な効果が観察され、プラセボと比較して46%の効果が示されました。

トランステック・ファーマの会長兼最高経営責任者(CEO)であるAdnan Mjalli博士は、次のように述べています。「現在のところ、FDAの承認を受けた治療薬で、アルツハイマー病患者における認知機能低下の過程を抑止・予防するか、変えることが示されたものは存在しません。このデータは大きな期待を抱かせるもので、ここ米国を含む世界各国でアルツハイマー病に苦しむ何百万人という患者にとって、承認可能な新しい治療薬につながる可能性があります。 この患者集団における認知機能を温存できる治療薬に対する需要は依然として大きいため、トランステック・ファーマはこの新しいアルツハイマー病治療薬のFDA承認を加速するための選択肢を追求します。」

Mjalli博士はさらに、TTP488のこれまでにない標的であるRAGEについての考えを述べました。「RAGE経路の利用は、アルツハイマー病の治療にまったく新しいアプローチを提供するものです。作用機序の点から述べると、TTP488は部分的に、アミロイドタンパク質の脳内外への輸送の正常なバランスを回復することで作用します。 脳からアミロイドタンパク質を取り除く能力が低下したアルツハイマー病患者において、この自然なバランスを回復することは、長期の疾患修飾と認知機能の温存につながる可能性があります。」

バナー・サン・ヘルス研究所所長兼アリゾナ大学医学部(フェニックス)神経科研究教授で、TTP488試験の治験参加医師であるMarwan Sabbagh医師(MD、FAAN)は、次のように述べています。「最近のバピネオズマブの失敗とソラネズマブの確定的でない結果を考えると、TTP488はアルツハイマー病の治療において、臨床開発段階にある有望な新薬として浮上しています。RAGE拮抗薬はしばらく前から関心を集めています。TTP488の第IIb相試験から得たこれらの有望な結果は最適基礎療法より優位にあり、勇気付けられるもので、今後の研究がアルツハイマー病の新しい治療薬をもたらす可能性があります。」

トランステック・ファーマのシニアバイスプレジデントで最高医学責任者(CMO)のCesare Orlandi(MD)は、次のように述べています。「この試験結果には勇気付けられています。試験から得られた結果の統計解析は、規制当局の基準に従い実施した事前設定の一次解析を含め、有意なp値をもたらしました。徹底的な事後分析でも、本試験で使用した5 mgの投与量が治療効果を持つことが一貫して示されています。軽度のアルツハイマー病を患った亜集団で観察された効果の大きさは、特に非常に興味深いものです。当社はこの結果によって、今後の試験のデザインを最適化することができます。」

トランステック・ファーマは、今回の治験で集められたデータが有用性を示すことから、予定されていた完了時期よりも早く治験を中止するというファイザーの決定は支持できなかったと考えます。一例を挙げれば、最大用量で治験に組み入れられた患者は毒性兆候を示したものの、それらの影響は可逆的で、少ない方の用量では有用性が示され、ここで報告された有害事象は発生しませんでした。

「アルツハイマー病共同研究」の治験責任医師を務めたカリフォルニア大学サンディエゴ校のDouglas Galasko医師は、次のように提案しています。「事前設定された無益性解析に従って試験を早期に中止するのは、早計ではなかったかと思います。認知機能低下に対する低用量TTP488の有益性を考慮すれば、重要なデータをさらに集めることができた可能性があります。」

治験の技術的分析

主要評価項目ADAS-cog11を事前設定した「意図した治療に基づく解析」(ITT解析)と相対感度解析では、1日1回5 mgのTTP488 が、18カ月目にプラセボと比較して統計的に有意な有益性を示しました。TTP488の投与を受けた群では、ADAS-cog11スコアで評価した機能低下がプラセボと比較して26%抑制されました。軽度のアルツハイマー病患者では、より顕著な効果が観察され、試験期間を通じてプラセボに対し機能低下が46%抑制され、疾患がより軽度の患者で治療を開始する方が有益であると示唆されました。トラフ血漿濃度が最適範囲にある集団全体の薬物動態/薬力学(PK/PD)分析では、ADAS-cog11の統計的に有意な差が6カ月目から現れ始め、18カ月間持続することが観察されました。ADAS-cogスコアの変化に基づくアルツハイマー病の進行度の定義に関係なく、TTP488による治療を受けた患者はプラセボによる治療を受けた患者と比較して、進行が抑えられる傾向を示しました。

TTP 488は毎日5 mgを経口投与した場合、安全で忍容性は良好でした。TTP488とプラセボの両治療群間で、心血管イベントにおける有意差は観察されませんでした。TTP488による治療を受けた患者群で血管原性浮腫ないし脳実質内出血は報告されていません。TTP488による治療は、精神医学的な有害事象について、発生率の統計的に有意な低下をもたらしました。TTP488による治療を受けた患者では転倒、混乱状態、傾眠、めまいを含め、アルツハイマー病患者にとって特に重要な有害事象の発生が遅れることも観察されました。

TTP488について

多くのデータはRAGEがアルツハイマー病の病因に関与していることを示しており、血液脳関門(BBB) ・神経細胞・ミクログリア細胞の1つまたは組み合わせにおいて、アミロイドベータとRAGEが持続的に相互作用することが、アミロイドプラーク形成および慢性神経障害の重要な要素であることも示しています。

TTP488は経口投与で有効な低分子の新しいRAGE拮抗薬です。トランステック・ファーマは当社専有的な創薬プラットフォームのTTPトランスレーショナル・テクノロジー(Translational Technology®)を活用してTTP488を創薬・開発しました。TTP488は動物モデルに対する1日1回の投与で、アミロイドベータタンパク質やその他のRAGEリガンドのRAGEとの結合を原因とするアミロイドプラーク形成と炎症を阻害しました。またTTP488はAPPトランスジェニックマウスにおいて、脳内におけるアミロイド負荷を減らし、認知機能を改善しました。

アルツハイマー病について

認知症の最も一般的な形態であるアルツハイマー病は、進行性の神経変性疾患で、認知能力と機能的能力の低下をもたらします。米国で500万人が患っていると推定され、主な死亡原因の第6位を占めています。現在、世界では3560万人が認知症を患い、その人数は2050年までに1億1500万人以上に増加すると見込まれています。

アルツハイマー病に対して現在承認されている治療薬は、認知機能障害の症状改善に着目したもので、疾患進行を遅らせる治療薬は現在存在しません。

トランステック・ファーマについて

トランステック・ファーマは非公開の臨床段階製薬企業で、満たされていない医療ニーズに応えるべく、ヒト治療薬の創薬・開発・商品化に専心しています。当社のハイスループット創薬プラットフォーム「トランスレーショナル・テクノロジー」(Translational Technology®)は、ヒトタンパク質の機能的調節を安全かつ有効な医薬品に転換します。トランステック・ファーマは、中枢神経系疾患、糖尿病、肥満、心血管疾患、炎症、がんなどの広範なヒト疾患について、それらの治療に使用する臨床・前臨床段階の低分子医薬品候補のパイプラインを保有しています。当社に関する詳細についてはhttp://www.ttpharma.comをご覧ください。

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CONTACT

TransTech Pharma, Inc.
Adnan M.M. Mjalli, Ph.D, 336-841-7770
amjalli@ttpharma.com

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