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遺伝子治療など、バイオ医療の研究基盤強化のため米国に研究所を設立-富士フイルム

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2019年12月26日 PM12:15

グループ会社が持つ最先端技術・ノウハウを結集・融合させて、バイオ医療の先進的な研究開発を実現

富士フイルム株式会社は12月5日、再生医療や遺伝子治療などバイオ医療分野の研究基盤をさらに強化するため、米国に「バイオサイエンス&エンジニアリング研究所(アメリカ)」(米バイオ研)を設立し、2019年12月より同施設での研究を本格的に開始したと発表した。

米バイオ研は、バイオ医療の基礎研究から生産プロセス開発までを一貫して行うとともに、細胞を用いた新たな創薬支援の基盤研究を担う研究所。今後、日本・米国の2拠点体制でバイオ医療の研究を強力に推進し、グループの研究開発力をさらに高めていくとしている。

富士フイルムは、再生医療製品の自社開発、遺伝子治療薬をはじめとするバイオ医薬品の開発・製造受託など、バイオ医療分野の事業拡大を進める中で、同分野の研究開発を積極的に行っている。2018年3月には、富士フイルム先進研究所に、同社の細胞研究者や生産プロセス開発者を集約し、「バイオサイエンス&エンジニアリング研究所(バイオ研)」を設立。現在、バイオ研は、細胞の基礎研究から製品の量産技術の開発までを一貫して行う体制のもと、基礎研究段階から細胞に合わせた培養プロセスを開発し、量産化までつなげる研究開発を推進している。

また、バイオ医薬品のCDMOである「FUJIFILM Diosynth Biotechnologies」、iPS細胞の開発・製造のリーディングカンパニーの「FUJIFILM Cellular Dynamics, Inc.」、日本で初めて再生医療製品を上市した「株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング」、細胞培養に必要な培地の開発・製造・販売を担う「FUJIFILM Irvine Scientific, Inc.」や「富士フイルム和光純薬株式会社」など、グループ会社が持つ最先端技術・ノウハウを結集・融合させて、バイオ医療の先進的な研究開発に取り組んでいる。

日本のバイオ研と連携し、最先端の研究を目指す

富士フイルムは今回、バイオ医療分野の研究基盤をより強固なものとし、グループの研究開発力をさらに高めるため、米国に米バイオ研を設立。同施設を同社バイオ医療の中核研究拠点として位置付け、グループ会社の技術融合をより一層進めるとともに、米国の最先端研究・技術を取り込むことで、グループ共通の基盤技術を強化し、バイオ医療の研究開発を加速させるという。

米バイオ研は、細胞と培地との一体的な研究を推進。同社が長年培った画像解析技術や最先端のAIやICT技術などを活用しながら、細胞代謝や遺伝子発現の解析などのバイオインフォマティクス(生命情報科学)、遺伝子編集技術などのセルエンジニアリング、製造の自動化技術、細胞を用いた新たな創薬支援技術などの研究に取り組む。さらに、日本の「バイオ研」と連携し、最先端の研究を進めていく予定。同社は、アンメットメディカルニーズに応える治療の実現に向け、確立したグループ共通の基盤技術の応用展開を図り、製品性能のさらなる向上や新規製品・サービスの創出を加速していきたいとしている。

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