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血中のエクソソームから腎臓がん早期診断バイオマーカー「AZU1」を発見-がん研ら

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2017年10月06日 AM11:30

世界最高感度のタンパク質質量分析技術を駆使

がん研究会は10月4日、血中のエクソソームから腎臓がん早期診断バイオマーカーとして「アズロシディン(AZU1)」を発見したと発表した。この研究は、同研究会がんプレシジョン医療研究センターの植田幸嗣プロジェクトリーダー、大阪大学大学院薬学系研究科の辻川和丈教授、野々村祝夫教授らの研究チームによるもの。研究成果は、国際対がん連合(UICC)の公式誌「International Journal of Cancer」オンライン版に掲載された。


画像はリリースより

腎臓がんは国内で年間約2万5,000人が罹患し、約9,000人が死亡する悪性腫瘍。早期診断が生命予後に大きく影響するが、これまで腎臓がん診断の約8割は偶発がんであるのが現状で、診断に使用可能な血液バイオマーカーがひとつも発見されていなかったという。

そこで、がんプレシジョン医療研究センターが保有する世界最高感度のタンパク質質量分析技術を駆使して、腎臓がん細胞が分泌するエクソソームから、早期診断に利用可能なバイオマーカーの同定を試みたという。

血管内皮細胞シートを傷害、血行性転移を誘発している可能性

研究グループはまず、手術で切除したばかりの“生きた”組織が分泌しているエクソソームを採取する技術を開発。これより、腎臓がん患者20人から提供を受けた腎組織よりエクソソームを抽出して最先端の質量分析計で解析した結果、3,871種のエクソソーム構成タンパク質が検出され、特にAZU1タンパク質が著しく蓄積していることがわかったという。

さらに10人の健常者、20人の腎臓がん患者から提供を受けた血清を測定した試験では、感度52.6%、特異度100%を示し、とりわけ最も初期の臨床病期1a期でもエクソソーム上AZU1が健常者より高値を示した。さらに、人工的にAZU1タンパク質を多量に発現するエクソソームを作成。血管内皮細胞シートとの相互作用を調べたところ、AZU1が豊富なエクソソームは血管内皮細胞シートを傷害し、がん細胞の血行性転移を誘発している可能性があることもわかったという。

研究グループはすでに、東ソー株式会社と共同開発契約を締結。世界初のエクソソーム上タンパク質を指標とした血液診断キットの開発に着手しており、早期の臨床実用化を目指すとしている。(遠藤るりこ)

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