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制御性T細胞の減少による免疫制御機構の破綻が子宮内膜症の炎症促す-京都府立医科大

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2017年09月14日 PM12:30

根本的な治療法が確立されていない子宮内膜症

京都府立医科大学は9月11日、子宮内膜症病巣局所では免疫抑制能を有する制御性T細胞が有意に減少し、これにより免疫応答が亢進することで病巣局所の炎症や増殖進展をもたらすという免疫制御機構を解明したと発表した。この研究は、同大大学院医学研究科女性生涯医科学の田中佑輝子病院助教、森泰輔講師、北脇城教授ら研究グループによるもの。研究成果は、科学雑誌「Journal of Clinical Endocrinology and Metabolism」に掲載されている。


画像はリリースより

子宮内膜症は性成熟期女性の約10%に発生し、月経痛や慢性骨盤痛などの痛みのほか、不妊などにより女性の健康を著しく損なう。しかし、その発症および進展メカニズムは長らく謎とされ、未だ根本的な治療法は確立されていない。

)は、免疫応答を抑制するT細胞の一種で、免疫自己寛容に必須の細胞だ。子宮内膜症患者の月経周期のうち分泌期でTregのkey markerであるFoxp3の発現が増加することから、Tregの増加による免疫寛容が子宮内膜の異所性着床を促すのではないかと考えられていた。しかし、その一方で子宮内膜症病巣局所ではeffector T細胞や炎症性サイトカインの増加により免疫応答が起こっており、この免疫寛容と応答が同時に同部位で生じている矛盾は、これまで大きな謎とされていたという。

子宮内膜症病巣ではTregが有意に減少

今回、研究グループは、子宮内膜症および非子宮内膜症患者、子宮内膜症モデルマウスを用いた検討により、子宮内膜症病巣ではTregが有意に減少しており、これにより免疫応答が亢進することで、病巣局所の炎症や増殖進展をもたらしていることを見出した。これは、これまで免疫応答と免疫寛容が同部位で生じると考えられてきた子宮内膜症の発症・進展メカニズムにおける矛盾点を一気に解決しうる可能性があるという。

今回の研究で明らかになった、Tregが影響をおよぼす免疫機能を活性化あるいは不活化は、子宮内膜症の新たな治療法や予防法の確立につながる可能性がある。研究グループは今後、「子宮内膜症における新規免疫療法の開発を進めていく」、と述べている。

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