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上大静脈起源の心房細動の遺伝的リスク因子を同定-東京医歯大

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2017年08月18日 PM02:30

さいたま赤十字病院らとの多施設共同研究で

東京医科歯科大学は8月16日、上大静脈起源の異所性興奮が原因で起こる心房細動患者で共通する臨床パラメーターや一塩基多型を特定したことを発表した。この研究は、同大医学部附属病院遺伝子診療科の江花有亮講師と難治疾患研究所生体情報薬理学分野の古川哲史教授の研究グループが、関連施設であるさいたま赤十字病院、土浦協同病院、国立災害医療センターとの多施設共同研究において2,170人の心房細動症例を対象に臨床研究を実施したもの。研究成果は「Circulation Journal」に掲載されている。

心房細動患者に対してカテーテル・アブレーション治療を行う際、多くの場合、トリガーとなるのは肺静脈スリーブであることから、肺静脈隔離術という治療が一般的だ。しかし、繰り返し肺静脈隔離術を実施しても心房細動が再発してしまうケースがある。今回の研究では、上大静脈に心房細動のトリガーとなる異所性興奮を認めた症例、また薬物投与と心臓への電気的な刺激によって、上大静脈から異所性興奮を認めた症例を「上大静脈由来の心房細動」と定義。通常の心房細動患者と異なる臨床的特徴は、比較的若年であり、女性が多く、痩せ型の体形であることが判明したという。

遺伝子領域「」「」が関連

日本人のゲノムワイド関連研究(GWAS)で同定されていた6つの一塩基多型について、遺伝型タイピング解析を行ったところ、そのうち2つの一塩基多型「4q25/PITX2遺伝子領域」と「10q25/NEURL1 遺伝子領域」が上大静脈由来心房細動のなりやすさと関連していることが示された。さらに、これら2つの遺伝子領域について遺伝型データを用いて、遺伝的リスクスコアによって検討を加えたところ、約9倍なりやすいことが示されたという。また、これらの臨床的因子および遺伝的因子について、3施設でのメタ解析を実施。これらの遺伝子の影響を見るために、公開データベース「GTEx」で遺伝子型による組織における遺伝子発現レベルの変化を確認したところ、リスクとなる遺伝子型ではNEURL1という分子の発現レベルが低下していることが判明したという。

今回の大規模な臨床研究を通して、上大静脈由来心房細動の臨床上の特徴と、遺伝的因子が明らかとなった。今後、これらを手掛かりに上大静脈における異所性興奮発生のメカニズムの解明や、臨床情報と遺伝情報からカテーテル・アブレーション治療におけるストラテジーの意思決定などへの活用が期待される、と研究グループは述べている。

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