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2006~2008年がん5年相対生存率62.1%、3.5ポイント増-国がん

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2016年07月26日 PM02:30

男性59.1%、女性66.0%といずれも上昇

国立がん研究センターがん対策情報センターを中心とする厚生労働科学研究費補助金「都道府県がん登録データの全国集計と既存がん統計の資料の活用によるがん及びがん診療動向把握の研究」研究班は7月22日、「」データを活用してがんの5年相対生存率を算出し、報告書を公表した。


画像はリリースより

地域がん登録は、都道府県のがん対策を目的に1950年代より一部の県で開始された。今回の集計対象診断年である2006~2008年においては、前回集計の7県から21県に大幅に増加し、地域も東北から九州まで揃った。

全部位5年相対生存率は62.1%で前回比3.5ポイント増だった。男性は59.1%(3.7ポイント増)、女性は66.0%(3.1ポイント増)といずれも上昇している。ただし、2006~2008年の罹患状況を踏まえると、前立腺がんや乳がんなど予後のよいがんが増えたことなどの影響も考えられ、部位別、進行度別の詳細な分析なしに治療法の改善などが影響しているとはいえないと、研究班は述べている。

年齢と生存率の相関はっきり見られない部位も

部位別5年相対生存率について、男性では、70~100%と比較的高い群に、前立腺、皮膚、甲状腺、膀胱、喉頭、結腸、腎・尿路(膀胱除く)が含まれている。一方で、0~39%と低い群は、、食道、肝および肝内胆管、脳・中枢神経系、肺、胆のう・胆管、膵臓だった。

女性では、高い群が甲状腺、皮膚、乳房、子宮体部、喉頭、子宮頸部、直腸で、低い群は、脳・中枢神経系、多発性骨髄腫、肝および肝内胆管、胆のう・胆管、膵臓となっている。

臨床進行度別生存率では、どの部位でも、一様に臨床進行度が高くなるにつれ、生存率が低下しており、多くの部位では早期で診断された場合には生存率が良好であることがわかった。年齢階級別生存率では、おおむね、加齢とともに生存率が低くなる傾向が見られたが、若年者より高齢者の生存率が高い部位や、年齢と生存率との相関がはっきりと見られない部位もあったとしている。

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