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南アフリカの教育病院が環境衛生の新規介入によりCREスーパー耐性菌の低減を達成

2022年04月05日 PM10:39
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ヨハネスブルク

(ビジネスワイヤ) — ウィッツ大学ドナルド・ゴードン・メディカル・センターは、紫外線(UV)室内汚染除去技術と手動清掃プロトコルの組み合わせにより、病院環境におけるカルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)の感染が23%低減したことを初めて示す新しい研究結果を発表しました。この研究結果は、The Journal of Hospital Infectionの2022年3月号に掲載されています。

南アフリカ初の私立教育病院であるウィッツ・ドナルド・ゴードン・メディカル・センター(WDGMC)の研究チームは、210床の病院で、漂白剤や第4級アンモニウム消毒剤の使用を含む標準的な清掃の補助として、紫外線室内汚染除去装置(UVDI-360ルーム・サニタイザー、米国メーカーのUVDIとeヘルスグループ・インフェクション・コントロールが提供)を持続的に使用した26カ月間の試験を経て、CRE感染の低減を証明しました。この介入では、12カ月間のベースライン期間と2カ月間のウォッシュイン期間の後、12カ月間にわたり、5種類の高リスク患者ユニット(重症管理、がん、移植、胃腸手術室など)において、紫外線による室内汚染除去を広範に行いました。

ウィッツ・ドナルド・ゴードン・メディカル・センターの臨床微生物学者で感染予防・制御専門家のワレン・ローマン医師は、次のように述べています。「私たちのチームの研究では、病院内のUV室内汚染除去技術を活用した環境衛生の強化が、多剤耐性菌の中でも特に難しい細菌群であるカルバペネム耐性腸内細菌科細菌の感染防止に役立つことが示されました。」

UV室内汚染除去装置は、3つの使用シナリオで導入・使用されました。これらのシナリオは、患者の退院後の最終清掃、患者の転送後の最終清掃、そして新しい処理法として、患者が既にMDRO感染症にかかっていて装置使用中に移動した場合の占有ルームの汚染除去です。各シナリオで、UV装置は5分間の処理サイクルで運転され、その回数はルームの条件やサイズによって異なりました。

CREとは、カルバペネム系抗生物質の少なくとも1つに対して耐性を示す広範な微生物の集合を指します1。南アフリカで最近発表されたサーベイランス研究では、CRE感染による粗死亡率が40%近くに上ることが示されています2

ウィッツ・ドナルド・ゴードン・メディカル・センターの最高経営責任者(CEO)であるDr. Sue Tagerは、次のように述べています。「この研究は、WDGMCが新規の感染予防プロトコルを用いて患者さんとスタッフの安全を確保するための確固たる傾倒ぶりを浮き彫りにするものです。アフリカ内外でスーパー耐性菌の感染を防ぐために進めている闘いにおいて、これらの結果は効果的な解決策が存在することの希望と具体的な証拠を示すものです。」

ウィッツ・ドナルド・ゴードン・メディカル・センターについて

ウィッツ・ドナルド・ゴードン・メディカル・センター(WDGMC)は、南アフリカで初にして唯一の私立教育病院です。ウィットウォーターズランド大学(ウィッツ大学)がドナルド・ゴードン財団からの創立寄付金でケンリッジ病院を購入し、2002年に設立されました。その後、ウィッツ・ドナルド・ゴードン・メディカル・センターと改名されました。210床のこの施設の主な専門分野は、移植手術、がん(小児および成人)、消化器病(内科および外科)、老年病、画像下治療眼科、耳鼻咽喉科、泌尿器病、腎臓病、心臓病、女性の健康、整形外科です。

___________

1 https://www.cdc.gov/hai/organisms/cre/technical-info.html
2 Perovic O, Ismail H, Quan V, Bamford C, Nana T, Chibabhai V, Bhola P, Ramjathan P, Swe Swe-Han K, Wadula J, Whitelaw A, Smith M, Mbelle N, Singh-Moodley A; for GERMS-SA. Carbapenem-resistant Enterobacteriaceae in patients with bacteraemia at tertiary hospitals in South Africa, 2015 to 2018. Eur J Clin Microbiol Infect Dis. 2020 Jul;39(7):1287-1294. doi: 10.1007/s10096-020-03845-4. Epub 2020 Mar 2. PMID: 32124106.

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