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ベルリンで開催のISTHにおけるオクタファルマのシンポジウムは、フォン・ヴィルブランド病(VWD)と血友病Aの高リスク患者の生涯治療における進歩を裏付け

2017年07月14日 PM10:45
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スイス・ラッヘン

(ビジネスワイヤ) — オクタファルマは、ドイツのベルリンで開催中の国際血栓止血学会(ISTH)総会での昨日のシンポジウムが成功したことをお知らせします。オクタファルマは総会のプラチナスポンサーとして、フォン・ヴィルブランド病(VWD)と血友病Aをテーマとする異なる2件の科学シンポジウムにて、出血性疾患の研究に専心している成果を発表しました。Nuwiq®(当社の拡大を続ける血液疾患関連ポートフォリオに加わった最新製品)に関するシンポジウムの成功に続き、wilate®に関する最新動向の検討が「生涯治療のためのwilate®:高リスク患者集団における出血管理」(wilate® for a Lifetime of Care, Bleeding Management across High-Risk Patient Populations)と題された7月10日(月曜)のシンポジウムで行われました。wilate®はVWFとFVIIIの両因子を1:1の生理学的比率で含む2種ウイルス不活性化VWF/FVIII高純度濃縮製剤です。シンポジウムはUte Scholz教授(血液凝固障害センター、独ライプチヒ)が議長を務め、FVIIIまたはVWFのインヒビターを持つ患者、妊娠・出産を経験する女性VWD患者、高齢VWD患者を含め、高リスク患者の生涯治療について検討しました。

セッションの皮切りとしてStacy Croteau氏(米ボストン)が、「VWF同種中和抗体に対する免疫寛容導入療法」(Immune tolerance induction for neutralising VWF alloantibodies)と題された発表で、VWFに対する同種中和抗体を持つ少年2人の治療における独自の経験について発表しました。2人の少年はいずれも改変したITIプロトコルにて、wilate®を使用した免疫寛容導入(ITI)療法と追加的な免疫抑制療法を受けました。この経験を共有することはVWDコミュニティーにとって極めて有益です。その理由は、VWDでは非常に稀であるものの、インヒビターの発生は出血性疾患の管理における最も大きな問題の1つであり、VWD患者でインヒビターを根絶する治療法は確立していないからです。

続いてJill Johnsen氏(米シアトル)が 「VWDにおける妊娠と出産の問題:分娩後出血に関する新たな研究の必要性」(Challenges in pregnancy and delivery in VWD –Need for a new post-partum bleeding study)と題された発表を行い、妊娠・出産を経験中の女性におけるVWDに対する理解を向上させる必要性を浮き彫りにしました。VWFは正常妊娠中に顕著に上昇し、出産中の疾患管理に関する現在のガイドラインはまだ各国間で大きく異なり、必ずしも十分なものではありません。Johnsen医師はこの分野で公表されているデータの概要を示し、女性 VWD患者の治療成績を改善するための方法を発見する必要性を強調しながら、それら患者における分娩後出血のリスクを検討する新研究を提案しました。

John Pasi氏(英ロンドン)は「高齢化するVWD患者:新たな患者集団に目を向ける」(Ageing VWD patients – shifting focus to an emerging population)と題された発表で、高齢VWD患者の増加および関連する問題について検討しました。高齢VWD患者は多くの場合、併存疾患を患い、別の医薬品も使用しています。Pasi教授は、これら患者の治療に当たった自らの経験から、wilate®を使用した場合の潜在的利点について論じました。生理学的比率のFVIII/VWFが投与とモニタリングを簡素化し、高齢者で大きな懸念事項となる血栓症のリスクに関する医師の不安を減らすことができるという利点です。

最後にRobert Klaassen氏(カナダ、オタワ)がカナダで血友病A 患者にwilate®を使用した経験を紹介しました。「血友病Aでのwilate®:PUPおよびITIでの臨床経験」(wilate® in haemophilia A – clinical experience in PUPs and ITI)と題されたKlaassen氏の発表には、インヒビター保有血友病A患者のITI療法での有効性と安全性を証明するデータが含まれています。wilate®使用のITI療法を受けた患者12人中10人のインヒビター濃度が検出不能な水準まで低下しました。カナダにおける新研究のPREVAILでは、インヒビター保有血友病A 患者でwilate®の有効性をさらに検討します。カナダにおけるwilate®の使用経験は、ITI療法での同薬使用にとって励みになる証拠を提供しています。Klaassen医師は、自分の患者の1人を対象としたITI療法の有望なデータを基に、wilate®のこれら潜在的利点をさらに裏付けました。

本シンポジウムでは、実臨床の診療における症例に着目したことで、VWDおよび血友病Aの患者の特定の集団を治療するに当たって考慮すべき問題が浮き彫りになりました。wilate®を使用した研究から得られたデータは、自然なバランスのVWF/FVIII複合体濃縮製剤が出血管理に大きく貢献することを示す証拠を補強するものでした。

オクタファルマの取締役であるオラフ・ウォルターは、セッションが「影響力があり、好評であった」とし、「オクタファルマはwilate® ISTHシンポジウムの結果に大いに満足しています。未充足ニーズに対応し、出血性疾患の有効な治療法を前進させるという、患者に対する当社の献身と誓約を改めて示すことができたと思います」とコメントしています。

フォン・ヴィルブランド病について

VWDは遺伝性出血性疾患の中で最も一般的なもので、人口の約1%はVWF濃度が正常値より低くなっています。VWDは1型(一般的に軽症)、2型(易変)、3型(重症)に分類されます。VWDの症状は通常、血小板機能異常症の症状で、鼻血、皮膚のあざや血腫、ささいな傷による長時間の出血、口腔出血、月経出血過多が含まれます。消化管出血は比較的まれですが、発生した場合は非常に重篤となり得ます。重度のVWF欠乏、またはVWF/FVIII間の相互作用の特異的欠如は、二次的な中等度のFVIII欠乏をもたらします。これらの患者は関節出血や、筋肉・脳を含む軟組織内の出血など、むしろ血友病に特徴的な症状を示す場合があります。

血友病Aについて

血友病AはFVIII欠乏を原因とするX連鎖遺伝性疾患で、治療せずに放置すれば筋肉・関節の出血やひいては関節症と高率での死亡をもたらします。FVIIIの予防的補充療法は、出血エピソードの回数と永続的な関節損傷のリスクを低減します。血友病Aは世界で男性の5000人から1万人に1人が患っています。世界的に血友病症例の75%は診断ないし治療を受けずに放置されています。最も重篤な治療合併症は、注入されたFVIIIに対するFVIII中和抗体(FVIIIインヒビター)の発生です。FVIIIインヒビター発生の累積リスクは現在、39%に達すると報告されています。

wilate®について

wilate®はヒト血漿由来のフォン・ヴィルブランド因子と凝固第VIII因子を自然な1:1の活性比率で含む高純度複合体濃縮製剤です。wilate®はFDA承認の血漿成分献血センターが集めたヒト血漿のみから製造しています。wilate®の製造は、独立した2つの最先端ウイルス不活性化工程から構成されます。溶媒・界面活性剤(S/D)処理が、脂質エンベロープを持つウイルスの脂質皮膜を破壊することでウイルスを不可逆的に不活性化する一方、PermaHeat処理がエンベロープを持つウイルスと持たないウイルスの両方を不活性化します。wilate®は、安定化のためのアルブミン添加を必要としません。出血の治療および予防の両方に加え、外科的予防におけるwilate®の優れた臨床効果、安全性、忍容性は、前向き対照比較試験と市販後研究で証明済みです。wilate®は世界60カ国以上で承認を受けており、大半の国でフォン・ヴィルブランド病および血友病Aの小児/成人患者の治療と予防が適応となっています。

オクタファルマについて

スイス・ラッヘンに本社を置くオクタファルマはヒトタンパク質の世界最大級のメーカーで、ヒト血漿およびヒト細胞株に由来するヒトタンパク質の開発と製造を行っています。同族経営企業のオクタファルマは、投資により人々の生活を改善できると考えており、1983年からそれを実践してきました。それが当社の引き継ぐ伝統だからです。

オクタファルマ・グループの2016年の売上高は16億ユーロ、営業利益は3億8300万ユーロに達し、2億4900万ユーロの成長投資が実施されました。オクタファルマは世界で約7100人以上の従業員を擁し、下記の3治療領域における製品を通じて113カ国の患者の皆様の治療を支えています。

  • 血液疾患(凝固障害)
  • 免疫療法(免疫障害)
  • 集中治療

オクタファルマは、最先端の製造施設6施設をオーストリア、フランス、ドイツ、メキシコ、スウェーデンに有しています。

詳細情報については、www.octapharma.comをご覧ください。

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