お酒がガンで死亡の要因に
新しい研究によると、アメリカで、毎年ガンで死亡する30人のうち1人がアルコールを原因としている。特に、乳がんを要因とした死亡の15%は、アルコール消費に影響を受けているとした。この論文は、American Journal of Public Healthに、14日、掲載された。
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アメリカ国立癌研究所、ガン予防フェローシッププログラム長を務める、ディビッド・ネルソン博士は、飲酒がガンの要因であることは明らかだが、そう見ない人が大半なのが現実だ、と語る。
また、適度な飲酒が心臓によい、という研究データもある。しかし、大きな視点から見れば、飲酒が引き起こす死亡の数は、飲酒が死を阻む可能性の10倍にも達する、とネルソン博士は付け加える。
飲酒が平均寿命を18年も縮めるとの統計も
乳がんを除いては、口腔ガン、食道ガン、胃ガン等が、飲酒に起因する死亡の原因であり、アメリカでは、実際これらのガンにより約6000人が毎年死亡している。研究チームの分析によれば、統計的には、飲酒で引き起こされるガンによって、平均18年間の寿命が縮まっているようである。
飲み過ぎないことが健康にとって大切だ、と言いたいところだが、たとえ1日1.5杯のアルコールでも30%のガン死亡に関連すると、この研究が示唆しているからには、やはりお酒は、「百害あって一利なし」と言えるのかもしれない。(長谷川優喜)
▼外部リンク
American Cancer Society
http://www.cancer.org/
Web MD:Alcohol Blamed for 1 in Every 30 Cancer Deaths
http://www.webmd.com/cancer/