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【全医院編】「最近の患者は…」と口にする内容で、儲かり方が違う

読了時間:約 2分9秒  2010年04月06日 AM10:06
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 最近、「患者/利用者側の意識変化」が目立つ。原因には、景気の影響、マスコミ、医療制度の変化など、いろいろあるだろう。ただ、それらの変化の受けとめ方は、院長によって異なるようだ。
 その実態を確認しようと、QLifeは全国の医科医院・歯科医院・動物病院の院長200人にアンケート調査を実施した。

「ポジティブ志向」院長は、儲かっている

 医院の患者/利用者層の違いによって、院長が一番気になる「患者/利用者の意識の変化」内容は大きく異なる。そこでアンケート実施時にも、まずは「あなたが最も顕著に感じる『患者/利用者の意識変化』は何ですか?」と聞いた上で、その後に「その(あなたが最も顕著に感じる)「患者/利用者の意識変化」は、良いことだと思いますか?」と質問した。
 その結果、「患者/利用者の意識変化=良い」とした院長は、83%が収益「好調」であった。逆に、「悪い」と否定的にとらえる院長の61%は、収益「不調」に苦しんでいる。
 つまり、収益好調院長ほど「変化」を肯定的にとらえる(または、肯定的な変化が最も目につく、あるいは実際に多い)傾向が、顕著であった。

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※収益性の「好調/不調」は院長の自己申告。調査票における選択肢記載は、「周囲の類似の医院にくらべて、『好調/不調』だと思う」。よって黒字でも「不調」、あるいは赤字でも「好調」としている可能性もある。なお内訳は、「好調:わからない:不調=36%:33%:31%」とほぼ3分された。本記事では「わからない」を除外して集計した数値を記載したが、「わからない」院長も含めて集計すると以下のグラフとなる。

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「患者の知識増」を肯定的にとるか、否定的にとるか

 では、具体的に「最も顕著に感じる『患者/利用者の意識変化』」は何だろうか。自由記入された内容を分類集計した。
 最も多かったのが「コスト意識」。これと関連性が強いと思われる「受診控え」も2位に入っている。はからずも、医院が「患者/利用者数の減少」と「1患者/利用者あたりの収益減少」の、ダブルで苦境に陥っている様子がうかがえる結果となった。
 次に多かったのが「情報収集・知識偏向」。その後に続くのは、否定的にとらえられがちな「権利・自己主張」「サービス要求増」「身勝手」がまとまって入り、その次には、肯定的にとらえられがちな「質問増」「医師選び」「治療の質向上」「専門医志向」「予防意識」がまとまって並んだ。

最も目につく患者の意識変化 グルーピング 受け取り方 比率
「受診控え」「コスト意識」 院長群A ほとんどが否定派 43%
「情報収集・知識偏向」「質問増」 院長群B 否定派もいるが、肯定派がやや多い 18%
「権利・自己主張」「サービス要求増」
「身勝手」
院長群C ほとんどが否定派 27%
「医師選び」「専門医志向」「大病院志向」 院長群D ほとんどが肯定派 13%
「予防意識」「医療不信」、その他 NA NA 24%

※複数内容を挙げた院長を複数人カウントしたため、合計が125%となっている。

 変化を肯定的にとらえている院長(または、肯定的な変化が最も目についている院長)が、その内容として具体的に挙げたのは、「情報収集」「質問増」「医師選び」が多い。 逆に、変化を否定的にとらえている(または、否定的な変化が最も目についている院長)が、挙げるのは「コスト意識」「受診控え」「権利・自己主張」「身勝手」が典型的内容であった。
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