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フェリングが環環太平洋生殖医学会でレコベル(フォリトロピンデルタ)の初の前向き多国籍実臨床環境試験のアブストラクトを発表

2023年03月14日 PM07:15
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スイス・サンプレ

(ビジネスワイヤ) — 本日、オーストラリアで開催される第13回環太平洋生殖医学会(PSRM)2023大会で、承認後初の第4相実臨床環境試験試験PROFILEの口頭ポスターが発表されます。この大規模な前向き多国籍試験は、日常の臨床診療におけるレコベルの有効性と安全性を確認するものであり、第3相RCTと同様の妊娠継続率が得られています1-3,5。この試験の結果は2022年12月にFrontiers of Endocrinologyに初めて掲載されました5

PROFILE試験では、体外受精(IVF)または卵細胞質内精子注入法(ICSI)を受けたことがない女性944人が登録されました。その結果、レコベルの投与により、ほぼ4分の3(74.0%)の女性が4~19個の卵母細胞を採取でき、255人(27.0%)が移植後10~11週まで妊娠継続を達成したことが判明しました。この妊娠継続率は、第3相RCTで観察された率と同様でした1-3。新鮮移植および/または凍結移植後の第1周期累積妊娠継続率は36.4%でした。また、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の発症率は3.9%で、OHSSのほとんどの症例は軽度から中等度の重症度であり(n=30 [3.2%])、OHSSになったすべての参加者が完全に回復しました5

PROFILE試験の試験責任医師であるクリストフ・ブロッキール教授(ブリュッセル自由大学・病院のブリュッセルIVF(生殖医療センター))は、次のように述べています。「これまで、レコベルのRCTであるESTHER-1および2試験、GRAPE試験、STORK試験では、2000人以上の患者さんが参加していますが、これらは厳しい組み入れ基準と除外基準を持っています。実臨床環境のデータは、有効性と安全性のデータをすべての患者さんに広げるものです。「PROFILEでは、参加者が妊娠を希望していること、rFSHに対する禁忌がなく、以前に卵巣刺激を受けたことがないこと以外は、ほとんど制限がありません。」

レコベルは、承認されている国において、体重とAMHの値に基づいて承認されたアルゴリズムで計算された個別化1日固定用量を持つ唯一のOS用rFSHです。PROFILEでは、医師がほぼすべての参加者(95%)にレコベルの投与アルゴリズムを使用しましたが、中には臨床的要因に基づいて、処方された開始用量に若干の調整を加えたり、卵巣刺激中に投与量を調整したりする者もいました。副作用(ADR)は、開始された卵巣刺激サイクルのすべてでモニタリングされ、治療中止および試験中止に至ったADRの数は少ないものでした(n=4)。

フェリング・ファーマシューティカルズの生殖医療・母性健康担当シニアバイスプレジデント兼ヘッドのクリスチャン・ロイドは、次のように述べています。「フェリングは、革新的な不妊治療薬を開発することで、あらゆる形や大きさの健康な家族を築くことに傾倒しています。私たちは、治療薬の研究開発を通じて洞察的知見を得ることに真剣な努力を傾けています。従って、実際の臨床診療での観察研究において、レコベルがRCTと同等かそれ以上の妊娠継続率で有効性を確認できたことは心強いことです。」

- 以上-

PROFILE試験について

PROFILE試験(日常の臨床診療で体外受精法または卵細胞質内精子注入法を受ける女性におけるレコベルの使用パターンを評価する前向き多施設共同非介入試験、Prospective multicentre non-interventional study to assess the patterns of use of Rekovelle in women undergoing in vitrO Fertilisation or Intracytoplasmic sperm injection procedures in routine clinicaL practicE))では、2018年3月から2020年10月にかけて1258人の女性がスクリーニングされ、1013人が組み入れ基準と除外基準を満たしました。計944人の参加者が、レコベルが承認されているオーストラリア、オーストリア、ベルギー、カナダ、ドイツ、イタリア、オランダ、ポーランド、スペイン、イギリスの34カ所の不妊治療専門クリニックで最初のOSサイクルを開始しました。主要評価項目は、開始1日用量、治療日数、製品特性概要に従い承認された投与スケジュール(ラベルに準じた方法)からの逸脱、投与アルゴリズムの使用、OS中の他の治療の使用(GnRHプロトコル、卵胞成熟のトリガー法、黄体期サポートなど)を含むフォリトロピンデルタの実際の治療パターンとしました。副次的評価項目は、周期のキャンセル、第1周期の妊娠転帰、開始されたすべての周期におけるOHSSおよびその他のADRとしました。参加者はレコベルによるOSサイクルを最大3回まで開始することができましたが、COVID-19パンデミックのために多くの不妊治療クリニックが閉鎖またはサービスを縮小して、試験が早期に終了したため、有用性と有効性のデータは第1周期についてのみ分析されました。

レコベルの実際の使用パターン

本試験は、IVFまたはICSIを受ける18歳以上のOS未経験女性におけるフォリトロピンデルタの実際の使用パターン、効果、安全性プロファイルを観察することを目的としました。本試験で収集されたデータによると、ほとんどの参加者は用量を逸脱することなく、承認されたラベル通りにレコベルを投与されました。PROFILEでは、ほぼすべての患者(95%)がアルゴリズムを使用して開始用量を算出しましたが、一部の医師は、OSサイクル中に臨床的要因に基づいて、処方された開始用量を微調整しています。「私たちは、医師が本当に投与アルゴリズムを使用しているかどうかを知りたかったのですが、答えはイエスで、大多数が使用していました。これは、レコベルが実臨床で使用されている状況を実際に反映したものであると考えており、レコベルが承認されている国々では医師がアルゴリズムを使用しています」と、ブロッキール教授は述べています。PROFILE試験では、フォリトロピンデルタの平均総投与量は、ランダム化臨床試験で観察された場合よりもわずかに多く、参加者の体重とAMH値の違いを反映していました1-5。PROFILE試験では、体重やAMH値による登録制限がなく、試験集団全体の平均体重は高く、AMH値の中央値はRCTコホートよりも低いか同等でした1-3,5

薬物有害反応

薬物有害反応(ADR)は、開始されたすべてのOSサイクル(参加者944人で1130サイクル)についてモニターされました。49人(5.2%)の参加者が58件のADRを報告しました。治療中止および試験中止に至ったADRの数は少なく、4人による6件(OHSS 2件、嘔吐1件、頭痛1件、発疹1件、早発排卵1件)となりました。最も頻度の高いADRはあらゆるグレードの卵巣過剰刺激症候群(OHSS)であり、これはRCT ESTHER-1の第1周期におけるレコベル群のOHSS発症率(3.5%)と同様でした1。PROFILE試験におけるOHSS症例はほとんどが軽度から中等度の重症度であり(n=30 [3.2%])、OHSSになったすべての参加者が完全に回復しました。

レコベル(フォリトロピンデルタ)について

レコベルは、予測可能な卵巣の反応性を得るようにデザインされた承認済み投与アルゴリズムを持つヒト組み換え型卵胞刺激ホルモン(rFSH)です7。レコベルはヒト細胞株(PER.C6®細胞株)由来の初のrFSHです。レコベルは既存の他のrFSHゴナドトロピンとは構造的にも生化学的にも異なります7,8。レコベルは一定の市場で、体外受精(IVF)や卵細胞質内精子注入法(ICSI)などの生殖補助医療(ART)を受ける女性で、複数の卵胞の発育を誘導するための卵巣刺激(OS)での使用が承認されています。レコベルの個別化投与量は、女性の抗ミュラー管ホルモン(AMH)濃度と体重を基にした承認済みアルゴリズムを使用して決定します7-9。AMHは卵巣予備能の評価に使用するバイオマーカーで、卵巣の反応性予測に役立ちます6。レコベルの投与量はAMH値に基づくべきであり、AMHの測定にはロシュのELECSYS AMH Plusイムノアッセイ、ベックマン・コールターのACCESS AMH Advanced、富士レビオのルミパルスG AMHのいずれかを使用します7。レコベルはすべての市場で承認されているわけではありません。

フェリング・ファーマシューティカルズについて

フェリング・ファーマシューティカルズは、研究主導型の特殊バイオ医薬品企業グループとして、世界中の人々が健康な家庭を築き、より良い生活を送っていただけるよう貢献することに傾倒しています。スイスのサンプレに本社を置くフェリングは、生殖医療と母性保健、消化器科と泌尿器科の専門分野におけるリーダー企業です。フェリングは、50年以上にわたり母子向けの治療薬開発を手掛け、受胎から出産までに対応する治療薬ポートフォリオを有しています。1950年設立の非公開企業であるフェリングは、世界各国で7000人以上の従業員を擁しており、50カ国以上で事業子会社を所有し、100カ国以上で製品を販売しています。

詳細についてはwww.ferring.comをご覧いただくか、ツイッターフェイスブックインスタグラムリンクトインユーチューブで当社の情報をご覧ください。

References

1. Nyboe Andersen A, Nelson SM, Fauser BC, Garcia-Velasco JA, Klein BM, Arce JC, et al. Individualized versus conventional ovarian stimulation for in vitro fertilization: a multicenter, randomized, controlled, assessor-blinded, phase 3 noninferiority trial. Fertil Steril. 2017 Feb;107(2):387-96 e4. PubMed PMID: 27912901. Epub 2016/12/04.

2. Qiao J, Zhang Y, Liang X, Ho T, Huang HY, Kim SH, et al. A randomised controlled trial to clinically validate follitropin delta in its individualised dosing regimen for ovarian stimulation in Asian IVF/ICSI patients. Hum Reprod. 2021 Jun 28;36(9):2452-62. PubMed PMID: 34179971. Epub 2021/06/29.

3. Ishihara O, Arce JC, Japanese Follitropin Delta Phase 3 Trial G. Individualized follitropin delta dosing reduces OHSS risk in Japanese IVF/ICSI patients: a randomized controlled trial. Reprod Biomed Online. 2021 May;42(5):909-18. PubMed PMID: 33722477. Epub 2021/03/17.

4. Bosch E, Havelock J, Martin FS, Rasmussen BB, Klein BM, Mannaerts B, et al. Follitropin delta in repeated ovarian stimulation for IVF: a controlled, assessor-blind phase 3 safety trial. Reprod Biomed Online. 2019 Feb;38(2):195-205. PMID: 30594482. Epub 2018/12/14.

5. Blockeel C, Griesinger G, Rago R, Larsson P, Sonderegger YLY, Rivière S, et al. Prospective multicenter non-interventional real-world study to assess the patterns of use, effectiveness and safety of follitropin delta in routine clinical practice (the PROFILE study). Frontiers in Endocrinology. 2022 Dec 22;13:992677. PMID: 36619578.

6. Arce JC, La Marca A, Mirner Klein B, Nyboe Andersen A, Fleming R. Antimullerian hormone in gonadotropin releasing-hormone antagonist cycles: prediction of ovarian response and cumulative treatment outcome in good-prognosis patients. Fertil Steril. 2013 May;99(6):1644-53. PubMed PMID: 23394782. Epub 2013/02/12.

7. Follitropin Delta (Rekovelle) Summary of Product Characteristics. Date of publication 2016. Approved on 12 December 2016 and last updated on the EMA website in March 2022. Available from https://www.ema.europa.eu/en/documents/productinformation/rekovelle-eparproduct-information_en.pdf [Accessed March 2023].(フォリトロピンデルタ(レコベル)の製品特性概要)

8. Olsson H, Sandstrom R, Grundemar L. Different pharmacokinetic and pharmacodynamic properties of recombinant follicle-stimulating hormone (rFSH) derived from a human cell line compared with rFSH from a non-human cell line. J Clin Pharmacol. 2014 Nov;54(11):1299-307. PubMed PMID: 24800998. Epub 20140521.

9. Arce JC, Andersen AN, Fernandez-Sanchez M, Visnova H, Bosch E, Garcia-Velasco JA, et al. Ovarian response to recombinant human follicle-stimulating hormone: a randomized, antimullerian hormone-stratified, dose-response trial in women undergoing in vitro fertilization/intracytoplasmic sperm injection. Fertil Steril. 2014 Dec;102(6):1633-40 e5. PubMed PMID: 25256937. Epub 2014/09/27.

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