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SpinalCyte、CybroCell™注入後のMRI評価が12カ月間にわたり維持されたと発表

2018年11月18日 AM05:13
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ヒューストン

(ビジネスワイヤ) — テキサスに拠点を置き、ユニバーサルドナー細胞製品CybroCell™を使用した椎間板髄核再生に傾注する再生医療技術企業のSpinalCyte, LLCは本日、椎間板変性症(DDD)患者で改良ヒト皮膚線維芽細胞(HDF)の単回注入が、細胞治療製品の注入から12カ月後の椎間板高および疼痛緩和の面で顕著な改善につながったと発表しました。

本試験ではオスウェストリー障害指数(ODI)とビジュアルアナログスケール(VAS)を使用して患者の評価を行い、椎間板高はMRIスキャンで評価しました。総合点を使用した評価で、3つの評価項目のすべてを達成した患者の割合は治療群が54%であったのに対し、プラセボ群はわずか17%でした(p=0.0003)。椎間板高が増加したか不変であった患者の割合はCybroCell™またはCybroCell™と多血小板血漿(PRP)の組み合わせの注入を受けた治療群が84%を超えていたのに対し、プラセボの生理食塩水を注入された群は25%でした。

個別分析の場合、椎間板高が増加したか不変であった椎間板の割合はCybroCell™の注入を受けた椎間板が83%であったのに対し、生理食塩水の注入を受けた椎間板は25%でした。この第1相/第2相ランドマーク試験の12カ月目のMRIデータは、独立放射線専門家が患者17人分について分析を行いました。

本臨床試験の治験責任医師を務めたジーザス・ペレス医師(M.D.)は、次のように述べています。「6カ月時点と12カ月時点のMRIを通じた構造上の改善の検証結果は、患者における再生プロセスの誘導に伴って一連の生物学的イベントが誘導されたことを強く示しています。臨床的観察、画像解析、患者聞き取りに基づけば、CybroCell™はDDD治療におけるブレークスルーであると思います。」

既報の通り、6カ月後と12カ月後に治療群の患者の90%超がオスウェストリー障害指数(ODI)の10ポイント超の低下、100%がビジュアルアナログスケール(VAS)の改善を示しています。ODIスコアの平均改善率は治療群の患者が59%であったのに対し、プラセボ群は22%でした。

SpinalCyteの最高科学責任者(CSO)であるトーマス・イキム博士は、次のように述べています。「MRI画像の解析結果は、DDD患者でのCybroCell™単回注入が1年以上にわたり構造上および機能上の持続的改善をもたらすことを示しています。私の知る限り、疼痛とMRIのデータはDDDに関して報告されている他のあらゆる細胞療法の試験データよりも明らかに優れています。DDD患者の集団は現在、処方されたオピオイドの使用者の約50%に相当し、それら患者の慢性的疼痛の原因を標的として治療するソリューションの開発は、オピオイドまん延との闘いにとって意味があります。」

SpinalCyteの第1相/第2相臨床試験は、皮膚疾患以外で線維芽細胞を同種異系細胞として使用した初のケースです。CybroCell™は、The Spine Journal誌で報告済みのように、皮膚由来の細胞が椎間板を治癒できることを示す研究に基づいています。

SpinalCyteのPete O’Heeron最高経営責任者(CEO)は、次のように述べています。「DDD患者の疼痛に対する治療選択肢は限られていて、椎間板を再生できる治療法は存在しません。当社試験の12カ月時点における肯定的なデータにより、SpinalCyteは線維芽細胞を利用した細胞治療製品というこの新興領域の最前線に立っています。調達および医薬品開発が困難で高コストな幹細胞とは対照的に、CybroCell™が使用する線維芽細胞は大量に存在し、皮膚疾患の治療用としてFDAが承認済みです。また当社専有の技術は、椎間板変性、がん、糖尿病、肝不全、心不全を含む他の変性疾患に対しても期待できます。」

椎間板変性症について

椎間板変性症(DDD)は患者の椎間板がつぶれ、崩壊し始める場合がある疾患です。50歳超の人々の85%で椎間板変性の証拠が見られ、この疾患の治療で年間130万件超の手術が実施されていると推定されています。DDD患者に対する最も一般的な治療は、椎間板切除術か脊椎固定術のいずれかです。椎間板切除術では変性した椎間板を部分的ないし完全に切除して神経系への圧迫を緩和しますが、長期にわたる脊椎痛をもたらす場合があります。脊椎固定術では、椎間板を完全に除去して隣接する2個の椎骨を互いに固定します。多くの場合、隣接する椎間板と周辺組織への負担が増し、さらなる変性をもたらします。

CybroCell™について

CybroCell™は、椎間板変性症の治療を目的とする市販の同種異系ヒト皮膚線維芽細胞(HDF)製品として初めてのものです。DDDの治療でヒト皮膚線維芽細胞を注入したSpinalCyteの第1相/第2相臨床試験では、CybroCell™注入を受けた患者が12カ月後の時点で疼痛緩和と背部可動性の改善を維持していることが示されました。

SpinalCyteについて

テキサス州ヒューストンに拠点を置くSpinalCyte, LLCは再生医療技術の企業として、ヒト皮膚線維芽細胞を使用した椎間板再生のための革新的なソリューションの開発に当たっています。SpinalCyteは現在、米国および海外の登録特許35件を保有し、さらに41件の特許を出願中です。SpinalCyteは椎間板変性、がん、糖尿病、肝不全、心不全を含むさまざまな臨床経路を対象に、米国および海外で110件の特許を出願中ないし登録済みです。出資のすべてをエンジェル投資家から受けているSpinalCyteは、細胞療法の次世代医療の進歩を象徴しています。www.spinalcyte.comをご覧ください。

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