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中程度の酸素過剰状態における酸素化を反映するMasimo ORi™の性能を評価した新研究

2018年08月29日 AM10:35
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スイス・ヌーシャテル

(ビジネスワイヤ) — マシモ(NASDAQ: MASI)は本日、Anesthesia & Analgesia誌に最近掲載された研究についての知見を発表しました。オランダのフローニンゲン大学とベルギーのゲント大学の研究者らが実施した本研究では、中程度の過酸素の範囲における酸素化(100~200 mmHgの範囲における動脈血酸素分圧[PaO2])の傾向を示すMasimo ORi™(予備酸素摂量指数)の性能を検討しました1。ORiは米国外では提供しておらず、中程度の酸素過剰状態における患者の予備酸素の非侵襲的な相対指数として意図されています。ORiは傾向を示すものであり、患者における酸素化の変化を医師に告げるアラームをオプションとして備えています。

本プレスリリースではマルチメディアを使用しています。リリースの全文はこちらをご覧ください。: https://www.businesswire.com/news/home/20180828005892/ja/

Radical-7®とORi™を搭載したMasimo Root®(写真:ビジネスワイヤ)

Radical-7®とORi™を搭載したMasimo Root®(写真:ビジネスワイヤ)

Dr. Jaap Jan Vosと同僚らは、パルスオキシメトリーだけを使用した酸素化のモニタリングでは酸素正常状態と酸素過剰状態の時に「PaO2についてほとんど情報が得られない」ことに留意して、中程度の酸素過剰状態におけるORiとPaO2の相関関係を評価することにしました。研究者らがデータを収集した対象は、中程度の低酸素状態(吸入気酸素濃度= 14%)から極度の過酸素状態(吸入気酸素濃度= 100%)まで、一連の標準濃度の酸素を吸入した健康な成人ボランティア20人です。ORiとSpO2はいずれも、Masimo Radical-7® Pulse CO-Oximeter®により、第2指と第4指に付けたセンサーで非侵襲的・連続的に測定・表示しました。ベースラインおよび各誘導酸素化段階で、動脈血試料を採取して血液ガス分析を行い、PaO2はシーメンス製Rapidpoint 405 CO-Oximeterを使用して侵襲的に測定しました。

研究者らは、同時刻のORiとPaO2の値を含む1090対のデータポイントを収集しました。「ORi感受性」範囲の100~200 mmHgにおいて、平均ORi値は0.16で、対応する酸素飽和度(SpO2)は全ポイントで97%以上でした。ORiとPaO2の相関関係は全ポイントで正の関係にあり(p < 0.0001)、R値はセンサー1、センサー2、両センサーの中間に対してそれぞれ、0.78、0.83、0.84でした。傾向を示すORiの性能を評価するために、研究者らは4象限プロットを使用して、100~200 mmHgの範囲におけるPaO2の傾向を示すORiの一致率は94%であると計算しました。

研究者らは次のように結論付けています。「この前向きボランティア検証研究において、PaO2とORiの間には強い正の相関関係が見られ、傾向を示す性能は良好なものでした。これらのデータに基づけば、酸素補充療法を受けている患者における酸素化状態を評価するための連続的・非侵襲的モニタリングツールとして、ORiの今後の使用を支持できます。ORiは中程度の過酸素の範囲におけるPaO2に対しての使用が想定されており、健康なボランティアにおいて、この範囲でのPaO2の傾向を示す合理的な情報を提供します。また、PaO2の変化にはORiの変化がよく反映されており、良好な一致率が見られます。ORiの傾向は中程度の過酸素の範囲におけるPaO2レベルの変化を追跡するために使用できますが、絶対値はPaO2レベルを示すと解釈すべきではありません。」

研究者らは本研究の幾つかの限界について言及しています。「臨床条件においてこれら知見を確認するためのさらなる研究が必要」であり、患者の併存疾患や臨床環境などの因子による影響についてさらなる研究が必要であると指摘しています。さらに、研究者らは、被験者の異なる部位に取り付けられたセンサーで同時に測定したORi値の絶対値に違いを見いだしており、特に正確な酸素化の評価が必要となる可能性のある状況で、予備酸素の直接的な測定値としてORi絶対値を臨床的に信頼するためには、さらなる研究が必要となる可能性があります。

論文共著者のトーマス・シェーレン教授は、次のように述べています。「ORiは動脈血酸素分圧の変化傾向を非侵襲的・連続的に追跡することで、酸素補充療法を受ける患者のモニタリングの空白部分を埋めます。ORiは、低酸素と意図しない過酸素の両方を防止する上で、酸素療法の調節を改善することに貢献し得るものです。」

ORiはFDA 510(k)承認を取得しておらず、米国では販売されていません。

@MasimoInnovates | #Masimo

Reference

  1. Vos JJ, Willems CH, Van Amsterdam K, van den Berg J, Spanjersberg R, Struys MMRF, and Scheeren TW. Oxygen Reserve Index: Validation of a New Variable. Anesth Analg. 22 Aug 2018. DOI: 10.1213/ANE.0000000000003706.

マシモについて

マシモ(NASDAQ: MASI)は革新的な非侵襲的モニタリング技術における世界的リーダー企業です。当社の使命は、患者ケアの転帰を改善し、コストを削減することです。1995年、当社はMasimo SET® Measure-through Motion and Low Perfusion™(体動時・低灌流時モニタリング可能)パルスオキシメトリーを発表しました。Masimo SET®は誤報を大幅に減らし、正確なモニタリングで正しい警報を発することが多くの研究で示されています。Masimo SET®は医師が新生児における重度の未熟児網膜症を減らし1、新生児におけるCCHDスクリーニング値を改善し2、また術後の病棟におけるマシモ・ペイシェント・セーフティーネット(Masimo Patient SafetyNet™)での連続的モニタリングで使用した場合、救急対応の実動とコストを削減する3,4,5ことが示されています。Masimo SET®は世界各国の主要な病院やその他の医療現場で推定1億人以上の患者に使用されており6、USニューズ&ワールド・レポート誌の2018-19年全米優良病院ランキング7に掲載された上位10病院中の9病院で最重要のパルスオキシメトリーとなっています。2005年、マシモはrainbow® Pulse CO-Oximetry技術を発表し、それまで侵襲的な手段でのみ可能であった血液成分モニタリングを非侵襲的、連続的なものとすることを可能にしました。測定できるのは、SpO2、脈拍数、灌流指標(Pi)に加え、トータルヘモグロビン濃度(SpHb®)、酸素含量(SpOC™)、カルボキシヘモグロビン濃度(SpCO®)、メトヘモグロビン濃度(SpMet®)、脈波変動指標(PVi®)、さらに最近では予備酸素摂量指数(ORi™)です。2014年、マシモはマシモ・オープン・コネクト(Masimo Open Connect®、MOC-9®)インターフェースを装備した直感的な患者モニタリング・コネクティビティ・プラットフォームRoot®を導入し、他社が新たな特性や測定機能でRootを強化できるようにしました。またマシモはウエアラブル患者モニターRadius-7™、スマートフォン向けパルスオキシメーターiSpO2®、フィンガーチップパルスオキシメーターMightySat™などの製品でmHealth(モバイルヘルス)におけるリーダーの役割を積極的に果たしています。マシモと当社製品の追加情報については、www.masimo.comをご覧ください。マシモの製品に関して発表済みの臨床研究の結果はhttp://www.masimo.com/evidence/featured-studies/feature/でご覧いただけます。

ORiはFDA 510(k)承認を取得しておらず、米国では販売されていません。

Patient SafetyNetの商標の使用は、ユニバーシティ・ヘルスシステム・コンソーシアムからのライセンスに基づいています。

References

  1. Castillo A et al. Prevention of Retinopathy of Prematurity in Preterm Infants through Changes in Clinical Practice and SpO2 Technology. Acta Paediatr. 2011 Feb;100(2):188-92.
  2. de-Wahl Granelli A et al. Impact of pulse oximetry screening on the detection of duct dependent congenital heart disease: a Swedish prospective screening study in 39,821 newborns. BMJ. 2009;Jan 8;338.
  3. Taenzer AH et al. Impact of Pulse Oximetry Surveillance on Rescue Events and Intensive Care Unit Transfers: A Before-And-After Concurrence Study. Anesthesiology. 2010; 112(2):282-287.
  4. Taenzer AH et al. Postoperative Monitoring – The Dartmouth Experience. Anesthesia Patient Safety Foundation Newsletter. Spring-Summer 2012.
  5. McGrath SP et al. Surveillance Monitoring Management for General Care Units: Strategy, Design, and Implementation. The Joint Commission Journal on Quality and Patient Safety. 2016 Jul;42(7):293-302.
  6. 推定値:マシモの社内資料
  7. http://health.usnews.com/health-care/best-hospitals/articles/best-hospitals-honor-roll-and-overview.

将来見通しに関する記述

本プレスリリースは、1995年民事証券訴訟改革法との関連で、1933年証券法第27A条および1934年証券取引所法第21E条で規定された将来見通しに関する記述を含みます。これらの将来見通しに関する記述には、特にMasimo ORi™の潜在的有効性などに関する記述が含まれています。これらの将来見通しに関する記述は、当社に影響を及ぼす将来の出来事についての現時点での予測に基づいており、リスクおよび不確実性に左右され、これらのすべてが予測困難で、これらのすべてが当社のコントロールを超えており、種々のリスク要因の結果として、将来見通しに関する記述で表明された内容とは不利な形で著しく異なる結果が生じる場合の原因となり得るものです。これらのリスク要因には、臨床結果の再現性に関する当社の仮定に関連するリスク、Masimo ORiを含むマシモ独自の非侵襲的測定技術が良好な臨床結果と患者安全性に貢献するという当社見解に関連するリスク、マシモの非侵襲的医療技術のブレイクスルーがコスト効率に優れたソリューションと独自のメリットを提供するとの当社見解に関連するリスクに加え、米国証券取引委員会(SEC)に提出した当社の最新報告書のセクション「リスク要因(Risk Factors)」で指摘したその他の要因が含まれますが、これらの要因に限定されません。これらの報告書はSECのウェブサイト(www.sec.gov)から無料で入手できます。当社は将来見通しに関する記述に反映された予測が合理的であると考えるものの、当社はこれらの予測が正しいと判明するかどうか判断できません。本プレスリリースに含まれる将来見通しに関する記述はすべて、全体として前記の注意書きによる明示的条件の下に成立するものです。読者の皆さまは、本日の時点についてのみ言及しているこれら将来見通しに関する記述に過度の信頼を寄せないようお願いします。当社はこれらの記述または当社がSECに提出した直近の報告書に含まれる「リスク要因」について、新規の情報、将来の出来事、その他の結果に関係なく、適用される証券法で求められる場合を除き、更新・修正・説明する義務を何ら負いません。

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