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メルクとファイザー、転移性メルケル細胞がんの治療で免疫療法の治験薬 avelumabがFDAよりファストトラック指定を受けたと発表

2015年10月14日 PM05:21
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独ダルムシュタット & ニューヨーク

(ビジネスワイヤ) — メルクとファイザーは本日、米食品医薬品局(FDA)が悪性度の高い希少皮膚がんの一種である転移性メルケル細胞がん(MCC)1,2の治療でavelumab*にファストトラックの指定を与えたと発表しました。avelumabは治験用の抗PD-L1 IgG1完全ヒト化モノクローナル抗体です。今回の発表は、FDAが2015年9月21日にMCCの治療でavelumabをオーファンドラッグに最近指定したことに基づくものです。ファストトラックの指定は、深刻な疾患を治療して未充足の医療ニーズに対応する医薬品の開発を促進し、審査を迅速化させるためのものです。

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メルクのバイオ医薬品ビジネス部門であるメルクセローノのグローバル研究開発部門ヘッドの Dr. Luciano Rossettiは、次のように述べています。「FDAは、avelumabに薬事規制上の指定を最近与えたことで、転移性メルケル細胞がん患者にとって未充足の高いニーズが存在することを一貫して認めており、当社は歓迎します。当社はavelumabの迅速審査プロセスでFDAと密接に協力していきたいと思っており、この治療困難ながんの患者に可能性のある新治療選択肢をこれから提供できるようになると期待しています。」

ファイザーオンコロジー事業部門の臨床開発・メディカルアフェアーズ担当シニアバイスプレジデント兼最高医学責任者(CMO)であるDr. Mace Rothenbergは、次のように述べています。「当社は、再発性および難治性のメルケル細胞がんを抱える患者に対するavelumabの開発でメルクのパートナーと協力していきたいと思います。ファストトラック指定により、当社はこれらの活動でFDAとさらに密接な調整ができるようになります。」

ファストトラックの指定は転移性MCCを対象とするavelumabの臨床開発プログラムに関連するもので、本プログラムには第II相試験の JAVELIN Merkel 200が含まれます。この試験は、少なくとも過去1回の化学療法レジメンを受けた後に病状が進行した転移性MCC患者で、avelumabの安全性と有効性を評価するものです。この試験の主要評価項目は客観的奏効率で、副次的評価項目には奏功期間、無増悪生存期間、全生存期間、安全性が含まれます。試験では、当初見込みの84人を超える88人の患者が組み入れられ、アジア太平洋、オーストラリア、欧州、北米の施設で進行中です。

現時点でavelumabの臨床開発プログラムに参加した患者は1000人以上に上り、乳がん、胃・食道がん、頭頸部がん、MCC、中皮腫、黒色腫、非小細胞肺がん、卵巣がん、腎細胞がん、尿路上皮がん(例:膀胱がん)を含む15種類以上の腫瘍で治療を受けてきました。

FDAによる指定について

FDAが転移性MCCでファストトラックとオーファンドラッグの指定を与えたことで、標準的な規制要件、すなわち承認を支持するために適切な対照を置いて十分な条件を満たした試験を通じて医薬品の安全性と有効性を確立しなければならないという要件が変わるわけではありません。

ファストトラックは、深刻な疾患を治療して未充足の医療ニーズに対応する医薬品の開発を促進し、審査を迅速化させるためのものです。医薬品がファストトラックの指定を受けると、医薬品開発と審査のプロセス全体を通じて、FDAと製薬会社との間で早期から頻繁なコミュニケーションが促進されます。コミュニケーションが頻繁になることは、疑問や問題を迅速に解決する上で役立つ場合があり、結果的に多くの場合、医薬品の承認が早まり、重要な新治療薬を患者が早く利用できます。ファストトラックの指定を受けた製品は、迅速承認、関連する基準が満たされれば優先審査、市販承認申請のためのFDA逐次審査に適格とされます。

FDAによるオーファンドラッグ指定は、米国で20万人未満が罹患する希少疾患/障害、または20万人超が罹患するが医薬品を開発・販売するための費用を回収できる見込みがない疾患/障害の治療を目的とする医薬品に与えられます。

*avelumabは抗PD–L1モノクローナル抗体(MSB0010718C)に提案されている国際一般名称です。avelumabは臨床試験が進行中で、安全性と有効性はまだ証明されていません。世界各国のいずれかの保健当局が、希望する適応症につきavelumabを承認するという保証はありません。

参考文献

1. Hughes MP et al. Merkel cell carcinoma: epidemiology, target, and therapy. Curr Dermatol Rep 2014;3:46–53.

2. Kaae J et al. Merkel cell carcinoma: incidence, mortality, and risk of other cancers. J Natl Cancer Inst 2010;102(11):793–801.

メルケル細胞がん(MCC)について

MCCは希少な悪性疾患で、神経終末に近い皮膚最上層でがん細胞が形成されます。MCCは皮膚の神経内分泌がんまたは索状性がんとも呼ばれ、多くの場合に頭頚部、腕、脚、胴など皮膚の最も日光にさらされる部分から始まります。MCCのリスク因子には日光への曝露、弱い免疫系(つまり固形臓器移植を受けた患者、HIV/エイズ患者、慢性リンパ性白血病など他のがんを持つ患者は高リスク)が含まれます。年齢50歳以上の白人男性はリスクが高くなります。MCCは早期段階で転移する傾向があり、最初は近くのリンパ節に、次いで他のリンパ節または皮膚、肺、脳、骨、その他臓器を含む身体の遠位部に転移する可能性があります。 MCCに対する現在の治療選択肢には手術、放射線、化学療法があります。転移性またはステージ4のMCCに対する治療は一般的に緩和療法となります。

avelumabについて

MSB0010718Cとしても知られるavelumabは、治験用の抗PD-L1 IgG1完全ヒト化モノクローナル抗体です。avelumabはPD-L1の作用を阻害することでT細胞および適応免疫系を活性化する可能性があると考えられています。avelumabは、本来のFc領域を保持することで、先天的な免疫系を巻き込んで抗体依存性細胞介在性細胞傷害(ADCC)を誘導すると考えられています。メルクとファイザーは2014年11月、共同でavelumabを開発・商業化するための戦略的提携を発表しました。

メルクとファイザーの提携について

腫瘍免疫はメルクとファイザーにとって最優先の分野です。メルクとファイザーのグローバルな戦略的提携により、両社はお互いの強みと能力から利益を受け、当初メルクが発見・開発した抗PD-L1抗体の治験薬avelumabの潜在的治療効果をさらに追求することができます。この腫瘍免疫分野での提携により、avelumabを共同で開発・商業化し、ファイザーの PD-1抗体を前進させます。提携では、併用試験を含め、最大20件の最優先の腫瘍免疫臨床開発プログラムに取り組み、その多くは2015年に開始が見込まれます。

ファイザーについて:より健康な世界の実現のために(Working together for a healthier world®

ファイザーでは、人々の寿命を延ばし生活を大きく改善する治療薬をもたらすべく、科学、そして当社のグローバルリソースを活用しています。当社は、ヘルスケア製品の発見・開発・製造における品質・安全性・価値に関して高い基準を打ち立てる努力を続けています。当社のグローバルなポートフォリオには医薬品、ワクチンに加え、世界最高の知名度を誇る多くの一般消費者向けヘルスケア製品が含まれます。ファイザーのスタッフは毎日、先進国や新興国の市場で業務に携わり、今の時代に最も恐れられている病気と闘うため、福祉、予防、治療法、治療薬の進歩に努めています。世界一流の革新的なバイオ医薬品企業の1つとしての責務に見合うように、当社は医療従事者、政府、そして地域のコミュニティーと協力して、世界中で信頼性が高く経済的に手の届くヘルスケアを支援・拡大する活動を行っています。150年以上もの間、ファイザーは当社を信頼してくださる全ての方々のために、少しでもよい結果をもたらすことができるよう事業に取り組んできました。詳細についてはwww.pfizer.comをご覧ください。

メルク(Merck KGaA、ドイツ・ダルムシュタット)

ドイツ・ダルムシュタットのメルクは、ヘルスケア、ライフサイエンス、機能性材料の分野において革新的で最高品質のハイテク製品を手掛ける一流企業です。当社はバイオ医薬品、コンシューマーヘルス、アレルゴファーマ、バイオシミラー、ライフサイエンス、機能性材料の6事業部を有し、2014年には113億ユーロの売上高を上げています。約3万9000人のメルク従業員は66カ国で、患者の生活の質を向上させ、顧客の成功を促進し、世界的な課題の解決に貢献すべく働いています。メルクは世界で最も長い歴史を誇る製薬・化学会社です。当社は1668年以来、イノベーション、ビジネスの成功、信頼のおける企業家精神を象徴してきました。株式の約70パーセントを保有する創業者一族は、現在でも当社株式の過半数保有者です。メルクは、メルクの名称と商標に関する世界的権利を保有しています。例外はカナダと米国のみで、当社はこれらの国々でEMD Serono、EMD Millipore、EMD Performance Materialsの名称で事業を行っています。

メルクのプレスリリースはすべて、当社ウェブサイトで閲覧可能になるのと同時に電子メールで配信されます。www.merckgroup.com/subscribeにてオンライン登録、選択したサービスの変更または中止が可能です。

情報開示に関するファイザーの通告

本リリースに含まれる情報は2015年10月7日現在のものです。ファイザーは、新しい情報、将来の出来事、今後の進展を理由として本リリース中の将来見通しに関する記述を更新する義務を負うものではありません。

本リリースは、MCCが適応症となる可能性、抗PD-L1/PD-1薬に関するファイザーとメルクの腫瘍免疫分野での提携、臨床開発計画(これらの潜在利益を含む)など、avelumab(MSB0010718C)に関する将来見通しに関する情報を含みますが、これらの情報は相当なリスクと不確実性を伴い、それらリスクや不確実性が原因で、実際の結果が将来見通しに関する記述で明示ないし暗示されたものと大きく異なる可能性があります。これらのリスクや不確実性には、研究開発に固有の不確実性(予定された開始日および完了日で臨床研究を実施する能力を含む)や不利な研究結果となる可能性、avelumabの第I相試験もしくは追加的な臨床試験または両方の最終結果が中間データの結果と異なる(中間データより不利な結果の場合も含む)ことでさらなる臨床開発を支持しないリスクなどの中間データと関連したリスク、臨床試験のデータが異なる解釈にさらされ、製品候補の安全性もしくは有効性またはその両方を支持するのに十分であると当社が考えても、規制当局が当社と見解を異にし、追加的なデータを要求するか承認全体を拒否するリスク、avelumab/併用薬/その他の製品候補の潜在的適応症につきいずれかの法域で医薬品申請を提出するか否かおよびその時期、それら申請が承認されるか否かおよび承認される場合の時期(有効性と安全性についての提出情報全体が示すベネフィット/リスクプロファイルに対する規制当局の評価によって決まる)、avelumab/併用薬/その他の製品候補の利用可能性または商業的潜在力に影響を与える可能性があるラベリングその他の問題に関する規制当局の決定、競合他社における開発がありますが、これらに限定されません。

リスクおよび不確実性の詳しい説明は、2014年12月31日締め会計年度に関するファイザーのフォーム10-K年次報告書と、その後のフォーム10-QAによる報告書の「リスク因子」(Risk Factors)、「将来の結果に影響を及ぼす可能性がある将来予測情報と因子」(Forward-Looking Information and Factors That May Affect Future Results)と題されたセクションにて、またその後のフォーム8-K報告書にて閲覧可能で、それらはすべてSECに提出済みでwww.sec.govおよびwww.pfizer.comから入手可能です。

本記者発表文の公式バージョンはオリジナル言語版です。翻訳言語版は、読者の便宜を図る目的で提供されたものであり、法的効力を持ちません。翻訳言語版を資料としてご利用になる際には、法的効力を有する唯一のバージョンであるオリジナル言語版と照らし合わせて頂くようお願い致します。

businesswire.comでソースバージョンを見る:http://www.businesswire.com/news/home/20151014005612/ja/

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