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経口OTEZLA®(アプレミラスト)単剤療法がDMARD未治療の活動性乾癬性関節炎患者で長期の臨床的有用性を示す

2014年06月13日 PM08:08
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スイス・ブードリー

(ビジネスワイヤ) — セルジーン・コーポレーション(NASDAQ:CELG)の完全所有子会社セルジーン・インターナショナルは本日、全身性/生物学的疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)による治療を過去に受けていない乾癬性関節炎患者でのOTEZLAの長期(52週)第III相臨床試験から得た結果を発表しました。セルジーンのOTEZLAは、経口選択的ホスホジエステラーゼ4(PDE4)阻害剤です。データは、フランスのパリで開催中の欧州リウマチ学会年次会議(EULAR 2014)で発表されました。

米ミネソタ州フランクリンのリウマチ・免疫センターの所長であるAlvin Wells(M.D.、Ph.D.)は、次のように述べています。「乾癬性関節炎の治療は高度に個別化され、一部の患者は生物製剤または特定の全身性治療薬の対象として不適格な場合もあるため、医師はさまざまな治療選択を必要とします。有効性と安全性に関するこれらの結果は、OTEZLAによる単剤療法が、活動性乾癬性関節炎の成人患者に対する第一選択療法として、DMARDによる治療開始前に使用でき、また長期的な治療選択肢にもなり得る可能性を示しています。」

PALACE 4: 52週間における付着部炎および指炎

試験の結果は、乾癬性関節炎の2つの主要な症状である付着部炎(腱や靭帯が骨に入り込む部分の炎症)と指炎(炎症のある手指と足指の数)が既に存在する患者で、OTEZLAによる単剤療法が長期改善をもたらすことを実証しました。最初にOTEZLA単剤療法に無作為割付けされ、52週間の試験期間を完了した患者では、結果が52週間にわたって維持されました。52週目におけるマーストリヒト強直性脊椎炎付着部炎スコア(MASES)の中央値は75.0パーセント低下し、またOTEZLA 30 mg BID(1日2回)の投与を受けた患者の45.9パーセントがスコア0を達成し、評価対象の付着部炎部位がいずれも無痛であることを示しました。患者の68.8パーセントが指炎の数0、すなわち指炎の兆候なしを達成しました。

PALACE 4: 52週間における身体機能

PALACE 4から得た身体機能の解析結果は、OTEZLA単剤療法による52週間の治療により、バリデート済みの評価用ツールで測定した場合、最大52週間にわたって改善が持続することを実証しました。

52週間にわたってOTEZLA単剤療法を継続的に受けた患者では、身体機能評価の重要ツールである「健康評価質問票を用いた機能障害指数」(HAQ-DI)における臨床的に意義のある改善が16週目に見られ、最大52週間にわたって改善が持続しました。HAQ-DIは、患者が着衣・着替え、歩行、食事の不自由など、日常の活動を遂行する上での困難度を測定します。

HAQ-DIの結果をさらに支持したのは、52週間にわたってOTEZLA単剤療法を継続的に受けた患者で、簡易健康調査票第2版の身体機能(SF-36 v2 PF)における改善が見られた点です。

PALACE 4: 52週間における安全性・忍容性

PALACE 4の長期(52週間)安全性に関する結果では、報告済みの24週間安全性に関する結果と比較して、OTEZLAの安全性について新たな知見は確認されませんでした。安全性に関する結果は、第III相PALACE 1/2/3臨床試験の報告済みの結果と一致するものでした。

有害事象の大半は重症度が軽度ないし中等度で、有害事象を原因とする治療中止率は低いものでした(OTEZLAに曝露した患者全体の5.2パーセント)。最も一般的な有害事象として報告されたものは悪心、下痢、頭痛、上気道感染でした。悪心と下痢は大部分が軽度のもので、治療開始から2週間以内の発生が最も多く、多くの場合は医療介入なしに治療を継続したにもかかわらず1カ月以内に解消しました。重篤有害事象の発生率は低く、治療群間で同等で(OTEZLA 30 mg BIDが0.6パーセント、プラセボが2.8パーセント)、OTEZLAへの長期曝露で増加することはありませんでした。52週間のOTEZLA曝露期間終了時の平均体重減少量は、OTEZLA 30 mg BIDの場合で1.19 kg、 OTEZLA 20 mg BIDの場合で0.91 kgでした。

OTEZLA に関してPALACE 1/2/3で報告された他のデータと同様、これらのデータでも検査値モニタリングの必要性は示されませんでした。

PALACE 4について

PALACE 4は多施設二重盲検プラセボ対照平行群間比較第III相試験で、2つの積極的治療群を含めました。DMARD未治療の患者500人以上をOTEZLA 20 mg BID、30 mg BID、または外見上同一のプラセボに1:1:1の比率で無作為割付けして24週間投与し、その後は最大52週間の積極治療段階に続き、長期安全性試験段階で患者全員がアプレミラストによる治療を受けました。

主要評価項目は、米国リウマチ学会による16週目での20%改善基準(ACR20、変法)としました。副次的評価項目には乾癬性関節炎の兆候・症状のその他の測定値、身体機能、患者報告アウトカムを含めました。

OTEZLAは2014年3月21日に、活動性乾癬性関節炎の成人患者の治療薬として米食品医薬品局(FDA)の承認を取得しました。乾癬性関節炎と乾癬を組み合わせた市販承認申請(MAA)を欧州で、2013年第4四半期に保健当局に提出しました。

OTEZLAの詳細についてはwww.otezla.comをご覧ください。

OTEZLAについて

OTEZLAはサイクリックアデノシン1リン酸(cAMP)特異的ホスホジエステラーゼ4(PDE4)に対する経口低分子阻害剤です。PDE4の阻害は細胞内cAMP濃度を上昇させます。

重要な安全性情報

適応症

OTEZLA®(アプレミラスト)は成人活動性乾癬性関節炎患者の治療が適応となります。

重要な安全性情報

禁忌

アプレミラストまたは同製剤のいずれかの賦形剤に対する過敏症の既往歴がある患者において、OTEZLAは禁忌です。

警告・注意

うつ病:OTEZLAによる治療は、うつ病の有害反応の増加が伴います。臨床試験でうつ病または抑うつ気分を報告した患者の割合は、OTEZLAを投与した患者が1.0%(10/998人)、プラセボを投与した患者が0.8%(4/495人)で、うつ病または抑うつ気分が原因で治療を中止した患者の割合は、OTEZLA投与患者が0.3%(4/1441人)、プラセボ投与患者では皆無(0/495人)でした。重篤と報告されたうつ病の割合は、OTEZLA投与患者が0.2%(3/1441人)、プラセボ投与患者では皆無(0/495人)でした。自殺念慮と自殺行動が観察された割合は、OTEZLA投与患者が0.2%(3/1441人)、プラセボ投与患者では皆無(0/495人)でした。自殺した人数は、プラセボ投与患者では2人、OTEZLA投与患者では皆無でした。

うつ病もしくは自殺念慮/行動または両者の既往歴を持つ患者、またはOTEZLA投与期間中にそれらの症状が発現した患者の場合、治療のリスクとベネフィットを慎重に比較検討しなければなりません。患者、ケア提供者、家族に対してはうつ病や自殺念慮、その他の気分変化の発症・出現または悪化に注意する必要があると助言し、それらの変化が現れた場合は医療提供者に連絡を取らなければなりません。

体重減少:5~10%の体重減少がOTEZLA投与患者の10%とプラセボ投与患者の3.3%で報告されています。体重を定期的にモニターし、原因不明または臨床的に有意な体重減少は評価し、OTEZLAの投与中止を検討しなければなりません。

薬剤相互作用:OTEZLAを強力なCYP450酵素誘導物質リファンピンと併用した場合、アプレミラストへの曝露量は減少し、OTEZLAの効果が減じる可能性があります。OTEZLAとCYP450酵素誘導物質(例:リファンピン、フェノバルビタール、カルバマゼピン、フェニトイン)の併用は推奨されません。

有害反応

OTEZLA投与患者の少なくとも2%以上で報告され、(最初の5日間の漸増期間後)16週間にわたり、プラセボ投与患者と比較して少なくとも1%以上高い頻度で発生が観察された有害反応(OTEZLA%、プラセボ%)は、下痢(7.7、1.6)、悪心(8.9、3.1)、頭痛(5.9、2.2)、上気道感染(3.9、1.8)、嘔吐(3.2、0.4)、鼻咽頭炎(2.6、1.6)、上腹部痛(2.0、0.2)でした。

特定集団での使用

妊婦および授乳婦:OTEZLAの胎児危険度分類はCで、妊婦での試験は実施されていません。妊娠中の使用は、胎児への潜在的なリスクに対する潜在的なベネフィットが正当化される場合に限ります。アプレミラストまたはその代謝産物が母乳に移行するか否かは不明です。授乳期の女性にOTEZLAを投与する場合は注意が必要です。

腎機能障害:重度の腎機能障害(クレアチニンクリアランスが30 mL/min未満)を持つ患者では、OTEZLAの投与量を減らす必要があります。詳細については、全処方情報のセクション2「用法・用量」をご覧ください。

全処方情報についてはこちらをクリックしてください。

乾癬性関節炎について

乾癬性関節炎は疼痛性の慢性炎症性疾患で、関節の疼痛、硬直、膨張、圧痛、特定の靭帯・腱の炎症、身体機能の低下を特徴とします。世界各国で推定3800万人近くが乾癬性関節炎を患っています。乾癬性関節炎は日常の活動に影響を及ぼすことがあり、勤労不能度を高めると報告されています。乾癬性関節炎の一般的な症状・兆候には、関節の疼痛、硬直、膨張が含まれます。乾癬性関節炎の詳細についてはwww.discoverpsa.comをご覧ください。炎症性疾患におけるPDE4の役割の詳細についてはwww.discoverpde4.comをご覧ください。

セルジーンについて

米ニュージャージー州サミットに本社を置くセルジーン・コーポレーションは国際的な総合バイオ製薬企業で、主として遺伝子とタンパク質を調節することでがんと炎症性疾患の革新的な治療薬の創薬・開発・商業化に努めています。詳細情報についてはwww.celgene.comをご覧ください。

将来見通しに関する記述

本プレスリリースには、将来見通しに関する記述が含まれています。一般的にこれらは過去の事実に関する記述ではありません。将来見通しに関する記述は、「予想する」、「見込む」、「考える」、「意図する」、「見積もる」、「計画する」、「するだろう」、「見通し」といった用語で特定できます。将来見通しに関する記述は経営陣の現在の計画、見積もり、想定、予測に基づいており、発表時点での見解です。法で義務付けられた場合を除き、新たな情報や将来の出来事が発生した場合でも、当社は将来見通しに関する記述を更新する義務を負うものではありません。将来見通しに関する記述は固有のリスクと不確実性を伴います。これらのほとんどは予想が難しく、通常は当社の管理範囲を超えたものです。実際の結果や成果は、多くの要因の影響により、将来見通しに関する記述で示唆されたものと大きく異なる可能性があります。これらの要因の大部分については、フォーム10-Kによる当社年次報告書や、証券取引委員会への提出書類で詳しく議論されています。

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