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テルモBCTが北米における病原体低減技術システム「ミラソル」の臨床試験で最初の患者組み入れを発表

2013年02月15日 PM04:10
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米コロラド州レイクウッド

(ビジネスワイヤ) — テルモBCTは、進行中のPREPAReS(Pathogen Reduction Evaluation & Predictive Analytical Rating Score:病原体低減法の評価および予測分析的評価尺度)試験の最初の患者がカナダで組み入れられたと発表しました。この国際試験はオランダのサンキン血液供給財団をスポンサーとするもので、さまざまな患者集団における出血の防止を目的に、標準的な血小板とミラソルシステムによる処理を行った血小板の有効性を比較するようデザインされています。

一般的に献血は特定の病原体につきスクリーニングを行い、感染性疾患の伝染リスクを最小限に抑えていますが、ミラソルシステムはリボフラビン(ビタミンB2)と紫外線(UV)を併せ活用し、収集血液製品中に存在すると思われるウイルス・細菌・寄生虫・白血球を不活化し、血小板・血漿輸血の安全性をさらに高めるものです。本システムは世界各国で血小板・血漿製品を使用する患者に利益をもたらす処理済み製品を生産することが目的です。

主な事実

  • PREPAReS試験は非劣性一重盲検試験で、臨床的に適切な評価項目を採用して、ミラソル(リボフラビン/ビタミンB2)で病原体を低減した血小板濃縮製剤の臨床的有用性を、 標準的な血小板濃縮製剤と比較するようデザインされています。

    • 最初の患者は2013年1月にカナダで組み入れられました。
    • 試験は2010年11月にHAGA病院(オランダ・ハーグ)で患者募集を開始し、現在173人の患者が参加しています。
    • カナダに加え、オランダの4つの輸血センターが試験に参加しています。
    • 試験は2013年末か2014年初頭に患者組み入れを完了する見込みです。
  • 毎年、北米・欧州・アジアで約1000万単位の血小板が患者に輸血されています。
  • 専門家は収集した血小板の2000単位ごとに1単位は細菌を含んでいる可能性があると推定しています。血小板の細菌汚染は現在の輸血医療において単一のリスクとしては最大の感染リスクであるため、収集した血小板中に存在する可能性がある細菌の不活化は、血小板輸血を受ける患者の役に立つと考えられます。

関係者の主な発言

Ray Goodrich(Ph.D.)、テルモBCT、科学・臨床業務担当バイスプレジデント

「当社はPREPAReS試験のカナダ側の群につき、サンキン、カナダ血液サービス、カナダ保健省と密接に協力しました。本試験はミラソル処理を行った血小板が、血小板の輸血サポートを必要としている患者への有効性に関して、未処理血小板と同等であることを立証できるようデザインされました。また本試験はミラソル処理を行った血小板の使用が、輸血を必要とする患者における同種免疫感作のリスクを低減するか否かも確認できるようデザインされています。」

Jean-Louis Kerkhoffs、サンキン血液供給財団

「安全で有効な血小板輸血は血液疾患患者の支持療法にとって非常に重要です。研究者、血液病専門医、輸血専門家、その他多数の献身的な仲間がPREPAReS試験で協働しています。本試験は血小板輸血の安全性と血液疾患患者に対するケアを一層向上させるための大西洋横断的な研究として、他に類を見ません。」

Dana Devine、カナダ血液サービス、医療・科学研究担当バイスプレジデント

「本試験が進んでいることはカナダ血液サービスにとって大きな喜びです。血液細胞製剤を処理するための病原体低減技術がカナダで利用可能となる日が来るのを楽しみにしています。この試験は、同技術のカナダにおける認可に向けた第一歩となります。」

主なリソース

ミラソルシステムのファクトシート

注記:ミラソルシステムは米国での販売につきFDAの承認を受けていません。

テルモBCTについて

血液成分・治療用アフェレシス・細胞技術の世界的リーダーであるテルモBCTは、アフェレシス採取技術、マニュアル式および自動式の全血処理、病原菌低減技術に加え、治療用アフェレシスおよび治療用細胞処理の一流技術を独自に併せ持つ唯一の企業です。当社は血液が今日果たしている役割以上のものを患者に提供できる潜在力を持っていると確信します。こうした信念が当社のイノベーション努力を促し、お客さまとの提携活動を強化しています。

サンキン血液供給財団について

サンキン血液供給財団はオランダにおいて安全で有効な血液供給の保証に当たっています。またサンキンは医薬品を開発・製造し、ハイクオリティーの科学研究を実施するとともに、多くの診断サービスを開発・実施しています。

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