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【厚労省】NHKに厳重注意-健康情報番組の内容に対し

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2017年03月01日 AM10:30

NHKが2月22日に放送した健康情報番組「ガッテン!」の内容をめぐり、厚生労働省が2月24日、NHKに対して「」していたことが分かった。放送内容は、MSDの睡眠薬「」を糖尿病患者が使用すると睡眠障害が改善され、「血糖値が下がる」「発症予防になる」などと紹介したもの。厚労省による口頭での指導を受け、NHK側は27日までに同番組のホームページ(HP)上で「行きすぎた表現で誤解を与えた」と謝罪した。

番組は「最新報告!血糖値を下げるデルタパワーの謎」のタイトルで放送。睡眠障害を改善することで血糖値が下がったとのデータを紹介した上で、「睡眠薬で糖尿病の治療や予防ができる」などと紹介した。

22日の放送後、医療現場や関係者から放送内容を問題視する声が上がっており、厚労省は、24日にNHKとMSDから説明を受けた際、「このままだと医療現場の混乱が収まらない」とし、口頭で「厳重注意」を行った。

これを受けてNHK側は、「あたかも睡眠薬を糖尿病の治療や予防に、直接使えるかのような誤解を与えてしまった」と陳謝。具体的な薬剤名が分かる映像が使われたことについて、「この薬だけを推奨しているかのような印象となってしまい、配慮に欠けていた」とした上で、「医療現場や関係者に誤解を与え混乱を招いてしまったことを深くおわび申し上げます」と謝罪した。一方、MSDはHP上で「番組はNHKが独自で企画・取材したもので、情報提供は行っていない」ことを説明。ベルソムラは「不眠症治療薬であり、糖尿病治療薬としての適応はない」とするコメントを掲載している。

66条では、医薬品などの効能・効果に関して「明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽または誇大な記事を広告し、記述し、または流布してはならない」と規定している。注意喚起しても正しい説明がない場合、NHKの所在地である東京都が放送内容の違法性について、調査に乗り出すケースも想定されたが、その可能性はなくなったようだ。

日本睡眠学会(伊藤洋理事長)は2月27日、睡眠薬に血糖降下作用があるなどとした放送内容について「看過できない問題」として、日本神経精神薬理学会と連名でNHKに異議を申し立てたことを発表した。

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