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脳卒中発症率、サマータイムの切り替えから2日間でやや上昇

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2016年03月10日 AM10:00

サマータイム移行が短期的な脳卒中リスク上昇に関連

サマータイム制によって短期的に脳卒中リスクが上昇する可能性が示された。フィンランドの10年分のデータを調べた研究の結果で、サマータイムの切り替え(開始、終了ともに)から2日間の脳卒中発症率がやや上昇する傾向が認められたという。


画像提供HealthDay

研究を実施したトゥルク大学病院神経科医のJori Ruuskanen氏は、「因果関係は明らかにされていないが、ほかには要因が見当たらない。また、身体の概日リズムの乱れと脳卒中リスクには関連があることも知られている」と話す。

概日リズムとは、身体の生物学的プロセスが、主に光と暗闇に反応して24時間で変化することであり、交替勤務や不眠症などの要因でこのリズムが乱れることがある。

この研究はカナダ、バンクーバーで開催された米国神経学会(AAN)年次集会で発表された。学会発表された研究は、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。

今回の研究では、2004~2013年のフィンランドでの脳梗塞発症率に着目し、サマータイム切り替え後の1週間以内に発症・入院した約3,000人と、その週の前後2週間のうちに発症・入院した1万2,000人弱を比較した。

その結果、サマータイム切り替え後の2日間では、脳梗塞発症率が8%高くなることが判明した。特に65歳以上の人とがん患者では影響が強く、発症率は20~25%上昇した。ただし、個人の平均リスクに大きな影響はなく、サマータイムによって健康な人の脳卒中が誘発されるわけでもないと、Ruuskanen氏は強調している。

睡眠と概日リズムの専門家であるサニーブルック健康科学センター(、トロント)のAndrew Lim氏は、「リスク上昇はごくわずかであり、血圧管理などの他の因子の影響のほうが重要である。しかし、急な切り替えは避けるほうがよいだろう」と助言している。米国では今年は3月13日に時計を1時間進めることになるため、5日前から就寝・起床の時間をそれまでより15分早くし、2日前には30分、前日には45分と早めていくとよいと同氏は勧めている。Ruuskanen氏は、「仮にサマータイム制が廃止され、その後数年で脳卒中の発症率上昇がみられなくなれば、リスク上昇の原因であることがはっきりするのだが」と述べている。(HealthDay News 2016年2月29日)

▼外部リンク
Daylight Saving Time Tied to Brief Spike in Stroke Risk

HealthDay
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