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自宅での分娩と病院での分娩、死亡リスクの差は?

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2016年01月14日 AM10:00

自宅分娩では乳児の死亡リスクがやや高い

病院以外で出生した乳児は、死産や1年以内の死亡率が高いことが、新たな研究で示唆された。しかし、その死亡リスクはわずかであり、病院外で生まれた児の死亡率は1,000人に約4人であったのに対し、病院で分娩した場合は1,000人に約2人であった。「リスクはまれだが、ゼロではない」と研究共著者の1人である米オレゴン健康科学大学のAaron Caughey 氏は述べている。


画像提供HealthDay

「New England Journal of Medicine」に2015年12月31日掲載された今回の知見は、乳児の死亡と病院外での分娩との因果関係を明らかにするものではないが、出産予定の親に対して「どこで分娩するかを決める根拠となる数字」を提供するものだと、付随論説の著者である米マサチューセッツ総合病院(ボストン)のMichael Greene氏は話す。見方によっては、望まない介入措置を避けるためなら許容できる程度のリスクであると考える人もいると、同氏は説明している。

米国産科婦人科学会(ACOG)によれば、米国では病院外での分娩の比率は全体の1%未満であるが、その件数は増えてきているという。今回の研究では、オレゴン州で2012~2013年に発生した約8万件の分娩について調べ、自宅または独立型の助産院での分娩を計画していた3,200人強の女性と、病院での分娩を予定していた約7万6,000人の女性を比較した。

その結果、病院外では補助のない経腟分娩の比率が94%であったのに対し、病院では72%であった。自宅分娩では陣痛誘発や帝王切開などの産科処置の利用も少なかった。「われわれはこのような処置を必要以上に用いていると考えられる」とCaughey氏は指摘する。

最近発表されたカナダの研究では、自宅分娩の安全性が病院と同等であるとの結果が示されている。ただし、カナダでは米国よりも助産師に関する規制が厳しいため、研究対象としたのは助産師が付き添う低リスク分娩のみであった。さらに別のオランダの研究では、今回の研究と同様に病院外の分娩でのリスク上昇が示唆されているという。

Greene氏とCaughey氏はともに、病院外での分娩を希望する場合は助産師の付き添いが不可欠であり、緊急時に備えて病院と十分な連携を取ることが重要であると述べている。病院外での分娩の安全性を向上させる1つの方法は、助産師に近くの病院の医師が正式にバックアップしてくれるのかどうかを確認することであり、十分なコミュニケーションをとれば病院との摩擦も減らすことができると、両氏は助言している。(HealthDay News 2015年12月30日)

▼外部リンク
Study Links Home Births to Slightly Higher Infant Death Risk

HealthDay
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