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エベロリムスが腎血管筋脂肪腫の治療に有効

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2013年01月31日 PM08:13

腎血管筋脂肪腫の場合は重篤な合併症になってしまう危険性あり

良性の腫瘍の場合であっても、重篤な合併症になってしまうことがある腎血管筋脂肪腫に、エベロリムスが有効であるということが、米Cincinnati小児病院のJohn Bissler氏らが行った試験でわかった。論文は、2013年1月11日のLancet誌電子版に掲載されている。

腎血管筋脂肪腫というのは、結節性硬化症やリンパ脈管筋腫症患者の人が発症しやすい良性腫瘍である。腫瘍の成長は遅いのだが、後腹膜出血や腎機能障害などの重篤な合併症になってしまう危険性がある。

また腎血管筋脂肪腫自体が大きくなってしまうと慢性腎疾患になってしまい、透析や腎移植が必要となることも多々ある。ラパマイシンの誘導体であるエベロリムスは、血管筋脂肪腫に適用する小規模なフェーズ試験が行われたことがあり、有望な結果であった。

そのため著者らは今回、結節性硬化症または孤発性リンパ脈管筋腫症で、腎血管筋脂肪腫も一緒に有している患者に対して、エベロリムスと偽薬を投与して比較する試験を実施した。

(この画像はイメージです)



エベロリムスを投与すると効果があり

09年8月から10年12月の期間に試験が実施された。対象としては18歳以上で、結節性硬化症または孤発性リンパ脈管筋腫症の確定診断を受け、腎血管筋脂肪腫がある患者である。患者らを2対1の割合でグループ分けをし、10mg/日また偽薬を経口投与した。

その結果エベロリムスを投与したグループの方が効果があるとわかった。エベロリムスを投与した場合の腫瘍の反応は、治療を開始してから10週目の時点で現れてその後も持続した。24週目の時点で、腫瘍体積が半分以上減少していた患者の割合は、エベロリムス投与のグループが55%、偽薬投与のグループは0%であり、腫瘍体積が30%以上減少していた患者の場合は、それぞれ80%と3%であった。

そのため著者らはエベロリムスは、腎血管筋脂肪腫の体積を減らすということと、安全性のプロファイルは認容し得るものであるということを述べている。

▼外部リンク

Lancet誌電子版 2013年1月11日
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0

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