医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 海外 > 献血のもう一つのメリット メタボ改善の効果期待

献血のもう一つのメリット メタボ改善の効果期待

読了時間:約 1分28秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2012年06月08日 PM08:00
鉄分の蓄積との関係性に注目し、人為的に鉄分を減少させる研究

メタボリック症候群は社会的な問題になっているが、インスリン拮抗性、耐糖能異常、脂質異常、高血圧、肥満などといった様々な要素の複雑な関連については明らかになっていないことも多い。酸化ストレスに触媒される鉄の蓄積が発生機序に関連していることは知られているが、その因果関係は明らかにされていない。

そこで、体内から瀉血によりフェリチンを減少させることで臨床上の改善が見られるという仮説の元に、ランダム試験を行った結果がBMC Medicineに掲載された。

瀉血療法を行った患者と行わなかった患者を比較

研究方法は、単盲検法でのランダム研究である。無作為に抽出した64名のメタボリック症候群の患者を、300ミリリットルの瀉血を行った33名の瀉血群と、瀉血を行う前の31名の比較群に分類した。

瀉血群では、開始時のフェリチンのレベルに応じて、250ミリリットルから500ミリリットルの再瀉血を4週間後に行い、それぞれのグループの6週間後のデータを観察した。直接的な結果は、フェリチンに関係するとされる、収縮期血圧の変化およびHOMAIndexによるインスリン感受性にて評価した。

収縮期血圧や糖代謝の数値に改善が

収縮期血圧では、瀉血群が開始時に148.5+/-12.3 mmHgから6週間後に130.5+/-11.8 mm Hgまで低下したのに対し、比較群では144.7+/-14.4 mmHgから143.8+/-11.9 mmHg とほとんど変わらなかった。HOMA-Indexでは大きな変化は見られなかった。また、HbA1c、血漿グルコース、血中脂質濃度、心拍数も瀉血群で著しく減少していた。

瀉血療法を献血に置き換えることでダブルメリットに

この結果から、メタボリック症候群の患者では、瀉血療法は血圧の調整や、糖代謝機能の改善、循環器系リスクの軽減に効果がある可能性が示唆された。瀉血療法に限らず、全血献血を行うことでもこうした効果が期待できると予測される。

▼外部リンク

BMC Medicine ; Effects of phlebotomy-induced reduction of body iron stores on metabolic syndrome: Results from a randomized clinical trial
http://www.biomedcentral.com/

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 海外

  • 新型コロナ感染者が回復に要した平均日数は?-ウェアラブルデバイスの追跡から
  • 抗菌薬による大腸がんリスク増大、若年者でより強い傾向-ESMO2021報告
  • 片頭痛の改善に、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の摂取量が関連する?
  • 不確実性と好奇心の良いバランスが、未就学児の「学びたい意欲」につながっている?
  • 在宅医療の「一貫性」が、認知症患者の再入院リスクの低下に寄与?