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食事会・職員旅行はもうやめどき? ~医院規模別、「給料以外の職員待遇」の実態~ 後編

読了時間:約 3分33秒  2013年03月19日 PM05:02
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医院規模で異なる、待遇面の重視項目

各院が最も重視しているのが、「職場内コミュニケーションの円滑化(定期的なミーティング、意見交換会など)」であり、2番目が「残業時間の削減」であった。規模別にみると、大規模医院では「残業時間の削減」と「休暇取得の推進」をより重視しており、個人規模医院では「人事評価や要望の吸い上げ(院長や事務長との面談など)」が比較的重視度合いが強い傾向がある。

医療機関は「女の職場」であることが多いが、男女別に待遇策の違いをみてみると・・・意外にも「女性院長」の方が重視項目が少ない。社会的に叫ばれることが多い「子育て支援」も重視しているのは50%で、これは男性の院長と同水準であった。唯一、女性院長が男性院長よりも重視しているのが、「勤務形態の多様化」である。男性院長はここに気を付けると「私達のニーズを良く分かってますね、院長先生♪」と言われるかもしれない。

「意欲が目に見えて上がった工夫」は大きく2つ

「改善策のなかで、実際に職員のモチベーションが高まったことを実感したもの」を具体的に訊いたところ、「コミュニケーションの仕方(食事会、適切な叱り方と褒め方、等)」と「課題解決の仕方(責任を持たせる、自分達で考えさせる、発表させる、等)」の2つを挙げた院長が圧倒的に多かった。その他には、「休めるように配慮」や「働くプライド・充実感(他院と差別化、患者治癒を見せる、等)」が散見される。
ただし回答した院長のなかには、悩みを吐露する人も少なくなかった。「なかなかモチベーションがあがる方法が分からない(個人規模/男性 48歳 愛媛県)」、「全くない。当院で誰かモチベーションアップに取り組んで欲しい、最近皆が燃え尽きている。(大規模/女性 31歳 神奈川県)」など、半ば諦め気味の院長も多く、昨今の医院経営の難しさが伺える。

職員のモチベーションが目に見えて上がった工夫

  • 当院は耳鼻咽喉科なので、スギ・ヒノキ花粉症などの繁忙期が終わった時期に、ご苦労さん会として食事会を行っている。忙しさの程度に応じて、4月頃に臨時ボーナスを支給することもある(ここ数年は、額は少ない年もあるが毎年行っている)。(小規模/男性 50歳 三重県)
  • 当院は、開業後まだ日が浅いが、とにかく開業当時から、職員の話によく耳を傾けてあげるようにしている。ほめる時はほめるし、注意すべきことは、全体ミーティングで議題にして、全員で反省するようにしている。(小規模/男性 40歳 大阪府)
  • 女性が多いので、予期せぬ休暇に対応出来るよう、オルタネイティブな立場の人を確保した。その為、無理しての出勤がなくなり、余裕が出来、働きやすい→働き甲斐につながっている。(小規模/女性 47歳 東京都)
  • 仲良くやってあまり高圧的にならないことと、一人でも外来はこなせるので休みたいときには間違いなく休ませていることが、収入は少なくとも続く原因と思う。(個人規模/男性 63歳 三重県)
  • 自分が患者として受診した時に、してほしいようにする事。人として何が大切か自分で考える。院長が一番働く事!優しさ、厳しさの大切さを院長が行動で示す。(中規模/男性 63歳 茨城県)
  • 周囲の医療機関との差別化(専門性・最先端医療・特殊性他)を明確にし、当院の職員であることに誇りを持たせた。金銭ではなく、遣り甲斐が重要。(大規模/男性 51歳 香川県)
  • なるべく、従業員の気持ちを追い詰めないよう気をつけています。自分の患者さんに対する思いなどを簡潔に余裕のある時に話すようにしています。(個人規模/女性 37歳 東京都)
  • ひとつの「作業」を任せる(責任を持たせる)。研修→実践→自らマニュアルを作成→更に高度なレベルで実施。(小規模/男性 45歳 宮城県)
  • 学会参加により、新しい知識を得るのみならずモチベーションがアップした。意見の拾い上げも有効だと思う。(小規模/男性 36歳 北海道)
  • 職員提案については、まずやらせてみて、上手く行かないところがあれば改善策を話し合うようにしている。(小規模/男性 48歳 青森県)
  • 注意する時に恥をかかせない、決して非難・批判をしない、ペナルティを科さない等に、気をつけています。(個人規模/男性 51歳 兵庫県)
  • 医院経営の現状を正確に伝える。個人の努力が患者増、ひいては報酬増になることを伝え実践する。(小規模/男性 54歳 京都府)
  • 問題となる議案を対象となる職員で考えてもらい、その解決法を全職員の前で発表してもらった。(中規模/男性 45歳 神奈川県)
  • 福利厚生には気を使っています。あと、大きなトラブルは院長自ら矢表に立つようにしています。(個人規模/男性 38歳 香川県)
  • 新たに始めることが多く、責任を持たせるようにしていることがモチベーションを高める。(小規模/男性 55歳 大阪府)
  • 進んで残業(誰かが居残りしなくてはいけない時の立候補者)した者に特別手当の支給。(中規模/女性 38歳 宮崎県)
  • 管理者が率先してレクリエーションに参画し良好なコミュニケーションを図っている。(小規模/男性 55歳 福島県)
  • 職員同士だけでなく、医師とのコミュニケーションを多くするように心がけている。(小規模/男性 58歳 神奈川県)
  • ある程度重要な仕事の指導的な役柄を与えた(当然周りのフォローもしっかりと)。(中規模/男性 43歳 和歌山県)
  • とにかくコミュニケーションをとってお互いに何を考えているかわかりやすくした。(中規模/男性 47歳 石川県)
  • レセコンにしたら興味を持った。携帯を持っているので私などより理解が早い。(個人規模/男性 68歳 東京都)
  • 患者さんが良くなっている部分を、目の当たりにすることが一番だと思う。(小規模/男性 53歳 山形県)
  • 公正に褒める。叱る。事実のみを根拠とし、噂や伝聞等に惑わされない。(小規模/男性 42歳 島根県)