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雲雀ヶ岡クリニック(ひばりがおかクリニック)  松久隆之院長

読了時間:約 4分45秒  2010年07月27日 AM11:51
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雲雀ヶ岡クリニック(ひばりがおかクリニック)
松久隆之院長

健康意識の高い方が多い地域での開業、
予防の観点からも医療を届けていきたい。

一番の苦労

医療以外のマネジメント業務に想像以上に苦心

落ち着きとゆとりのある診察室 私は初めから開業医を目標にしていた。「勤めるのが嫌だから開業した」のではなく、あくまで「地域のお医者さん」になりたくて医師を目指し、勤務医は経験を積むためのステップだった。
 そこまで街の開業医にこだわったのには理由がある。私は小さい頃によく体調を崩し、近くの医院にかかっていた。子供時代は「街のお医者さん」のおかげで、具合の悪かった身体がよくなる…というのが日常的だった。だから早期から開業を志していた。
 ところがいざ念願のクリニックを開いてみると、医療行為以外の事務・運営にあたる部分が、想像以上に大変なのに驚いた。
 もちろん覚悟はしていたが、スタッフのマネジメントや経理、事務処理まで、すべて自分一人で責任を持ってやらなくてはならない。総合病院なら経理などは専門のセクションがあり、別の担当者が担ってくれていた。「今までは恵まれていたんだな」と実感した。
 3年経った今では、医師としての業務も、院長としてのマネジメント業務も、スムーズに両立できるようになった。その決め手は「慣れた」ということに尽きると思う。最初は不慣れだったからなかなかそう思えなかったが、「医療行為だけではなく、運営業務も同時にこなして当たり前」というペースに慣れてしまえば、それほど苦ではなくなった。ほとんどの苦労や壁は「そういうものだ」と慣れていけば乗り越えられると思う。

一番の「秘訣」

開業を決意したら、まずは自己資金の確保を

リラックス空間を演出した処置室 あくまで私の考えだが、もし開業を目標としているなら、若いうちに始めた方がよいと思っている。自分も35歳という比較的若い年齢で開業したが、3年目の今、この2年間を振り返っても、開業を待たなくてよかったと実感している。
 内科医は「10年くらいは、勤務医で経験を積まないと……」と言われているし、むやみに早いのがいいとは思わない。しかし開業医になることを決意したら、少しでも早くに具体的準備を始めるべきだ。
 実家がクリニックで跡を継ぐ場合でなければ、開業は人生を変える一大決心。ある程度の勢いがないと開業できない。年を重ねると「このまま安定した勤務医のままでいいかな」と、流されてしまいがち。迷ううちに生活環境が変わって、タイミングを逃すこともあると思う。
 ただ、若くして開業するデメリットは、自己資金づくりが難しいこと。借入金が大きいとどうしても返済の心配をしながらの経営になるので、自分の目指す医療に専念できなくなる。そうなってしまっては、何のために独立して開業医になったかわからない。だから開業を考えた時点で、すぐに自己資金の準備を真剣に始めることが重要だ。

一番の「自慢」

患者さんは「家族」と思って対応をする

 私が開業医としてのやりがいを実感するのは、患者さん一人ひとりとじっくり向き合い、長いお付き合いができること。勤務医の時は、職場が2~3年で転々と変わることも多い。今まで診てきたはずの患者さんとお別れすることも日常で、忍びない思いもしてきた。でも開業医ならば、しっかり根を下ろして患者さんと向き合える。
 ただしその反面、いつまでも責任は続く。異動の区切りで「肩の荷が下りる」ということはない。私は元々そういう街医者を目指していたので、責任を醍醐味と感じている。
 だから私は「患者さんを家族と思って対応する」ようにしている。看護師やスタッフすべてに、そう心がけるよう徹底している。実際に患者さんから「ここに来るとホッとします」というお褒めの言葉を頂いた時は、自分達の思いが伝わった気がして、本当に嬉しく感じた。

一番の「工夫」

待ち時間を短縮、カウンセリングの時間へ


お待たせしないためのフィルムレスシステム。

 勤務医時代に気になっていたのは、患者さんを長時間待たせていたことだ。「待たせるのが当たり前」という風潮にも違和感があった。患者さんも忙しいなか、貴重な時間を作ってきてくれている。だから自分のクリニックを開業する際には、待ち時間を極力短くすることにこだわり、そのシステムづくりに取り組んだ。
 電子カルテを採用してペーパレスに近づけ、レントゲン・胃カメラもフィルムレスにすることで時間を短縮。呼び込みまでの事務的な作業を減らし、会計もスピーディにして、できる限り患者さんの待ち時間を抑えている。
 このようにして裏方仕事の時間を排除すると、そのぶん患者さんへの説明やカウンセリングに時間をかけることができる。待ち時間を減らせるメリットもさることながら、対話の時間が長くなることで患者さんからの信頼が得やすくなる効果が大きいと実感している。

一番の夢

予防の観点からも、地域医療に貢献したい。

 今、開業3年目に入り、「あそこにクリニックができた」と、ようやく地域の患者さんに認知してもらった段階だ。お子様やご高齢の方にも多く来院して頂けるようになり、健康診断や予防接種でも利用してもらえるようになった。
 来院する患者さんは近隣の方がほとんどだが、この辺りは高級住宅地で、富裕層のご家庭が多い。そういった背景からかもしれないが、地域住民の健康意識がかなり高く、生活習慣病などに日頃から気をつけている傾向がある。
 短絡的に考えると、それはクリニックのお客さんが少ないということで、医院経営上の弱点となる。でも、患者さん視点に立てば、病気が少ないことは良いこと。だから私は、病気を治療するだけの医師ではなく、健康な身体を保つためのサポートや、予防の観点からアドバイスできる専門家になっていこうと思っている。5年10年経った時に、「身体のちょっとした心配でも、あそこに相談すれば、きちんと対応してもらえる」と、地域の皆さんに安心してもらえるクリニックになることが目標だ。

医院プロフィール

雲雀ヶ岡クリニック(ひばりがおかクリニック)

〒467-0031 名古屋市瑞穂区彌富町字緑ケ岡4-14
TEL:052-836-2323
医院ホームページ:http://www.hibarigaoka-c.com/

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名古屋地下鉄鶴舞線・名城線「八事」駅徒歩8分、名古屋市バス「雲雀ヶ岡」停すぐ。
詳しい道案内は、医院ホームページから。

診療科目

内科、呼吸器科、消化器科、アレルギー科、小児科

理念

患者さん一人一人を「家族」だと思って治療すること。

院長プロフィール

松久隆之(まつひさ・たかゆき)院長略歴

1997年 名古屋市立大学医学部卒業、医師免許取得
1997年 名古屋市立大学病院に勤務
1999年 宏潤会大同病院に勤務
2001年 岐阜県立多治見病院に勤務
2004年 東海市民病院に勤務
2008年 名古屋市瑞穂区に雲雀ヶ岡クリニックを開設

資格

日本内科学会 総合内科専門医、日本呼吸器学会 呼吸器専門医、日本アレルギー学会 アレルギー専門医、日本医師会 認定産業医、日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡専門医、健康食品管理士等

所属学会

日本内科学会、日本小児科学会、日本呼吸器学会、日本アレルギー学会、日本肺癌学会、日本呼吸器内視鏡学会等

松久隆之(まつひさ・たかゆき)院長
「もともと街医者になりたくて医師を目指した」
と語る姿に、人情に溢れた側面がうかがい知れる。
サービス精神も旺盛で、取材の流れで無料診察をしてくださった。