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 全米で実施したNational Cardiogenic Shock Initiative(NSCI)試験の最終結果が、Impellaによる早期血行動態サポートの有効性を実証

2021年06月14日 AM11:28
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米マサチューセッツ州ダンバース

(ビジネスワイヤ) — 医師主導によるNational Cardiogenic Shock Initiative(NCSI)試験の最終結果から、PCIに先だってImpella心臓ポンプを留置する等のベストプラクティスを採用した場合、生存退院率が71%で、自己心機能回復率が90%以上であることが実証されました。本試験では、全米から参加した80施設において急性心筋梗塞に伴う心原性ショック(AMICS)を発症した継続患者406人の治療成績を評価しました。本試験は、心原性ショックからの生存率を高めるためのプロトコルに基づく手法が、学術・臨床研究病院施設と地域病院の両環境で再現可能であることが示されました。この結果は、ヘンリー・フォード病院の急性期機械的循環補助プログラムのディレクターであり、本試験の共同主任研究者であるBabar Basir医師(DO)によって、2021年米国心臓血管造影・インターベンション学会(SCAI)学術集会で本日発表されました。

本プレスリリースではマルチメディアを使用しています。リリースの全文はこちらをご覧ください。:https://www.businesswire.com/news/home/20210613005043/ja/

NCSI試験は、PCI処置を受けたAMICS患者における早期の機械的循環補助(MCS)に伴う転帰を評価する単群・前向き試験です。NCSI試験の目標は、PCIに先だって早期血行動態補助を行い、心臓を休息させることで、これまで約50%であった心原性ショックからの生存率を高め、自己心機能の回復を促進することです。NCSI試験では、これまでに判明しているベストプラクティス、すなわち心原性ショック患者を早期に同定し、病院到着後90分以内にPCI前にImpellaサポートを開始すること、意思決定の指針として肺動脈カテーテルを使用すること、昇圧薬や強心薬を減量することなどを前向きに検証しました。

研究者らは、SCAI心原性ショック分類に基づいて患者を層別化しました。SCAIステージCおよびステージDの場合、研究者らは、過去30年間における同様の患者を対象とした過去データと比較して、生存退院率(79%)、30日生存率(77%)、1年生存率(62%)が高いことを示しました。また、重篤な心血管虚脱にあるSCAIステージEの患者も、NCSIプロトコルによる治療を受けていない患者を対象とする最近の研究(米国心臓病学会誌に掲載された研究では生存退院率が33%、Catherization and Cardiovascular Interventions誌に掲載された研究では30日生存率が22.6%)と比較して、生存退院率(54%)、30日生存率(49%)、1年生存率(31%)で改善を示しました。

Basir医師は、次のように述べています。「NCSI試験から、Impellaの早期留置を含め、AMICSに対応するためのプロトコル採用の利点が実証されました。私たちは、これまで生存率の向上に進展がなかったことに比べて、ベストプラクティスを採用することで生存率の改善が見られたことをうれしく思います。重要な点として、NCSI試験に参加した病院の大半が大規模な地域治療拠点プログラムを担い、心臓発作の患者が最初に訪れる病院であったことを強調しておきます。これらの医療チームに重症患者を管理するための安全で効果的なプロトコルを提供することで、多くの命が救われたのです。」

ヘンリー・フォード・ヘルス・システム構造的心疾患センターのメディカルディレクターで本試験の共同主任研究者のWilliam O’Neill医師は、次のように述べています。「NCSIは、米国で過去20年間に行われたAMICS治療の前向き研究として最大規模となります。Detroit Cardiogenic Shock Initiativeの当初の観察結果が再現され、有意に高い生存率を示していることを見いだしました。NCSIプロトコルを全国で導入・実施すれば、年間2万人の命を救うことができます。」

他の研究者主導の研究では、2019年Inova試験2020年J-PVAD試験など、NCSI試験の結果と同様の結果が示されています。これらの研究から、心原性ショックの早期発見やImpellaの早期使用などのベストプラクティスに従った場合、30日生存率がそれぞれ82%と77%となることが判明しました(図1参照)。

ネブラスカ大学医療センターのインターベンショナルカーディオロジー助教で、構造的心疾患カテーテルラボ副所長のAndrew M. Goldsweig医師(MD、MS)は、次のように述べています。「NCSI試験は、機械的循環補助の利点が得られる患者さんを迅速に確認して治療することで、心原性ショックからの生存率の向上が達成可能であることを示しています。」

著者らは、機械的循環補助と血行動態補助の早期利用が治療成績の改善につながると結論付けています。心原性ショック治療のその他の臨床研究としては、現在準備中のRECOVER IV ランダム化比較試験があります。これはAMICS患者においてImpella pre-PCIがImpellaなしのPCIと比べて優れているかどうかを評価する前向き2群試験となります。さらに、DanGer Shock ランダム化比較試験がデンマークとドイツで進行中であり、これはImpella CP の使用を標準治療と比較して、 6 カ月後の全死因による死亡という主要転帰を評価しています。

Basir医師とO’Neill医師がNSCI試験の結果について検討している様子と、患者の治療成績を改善できるNCSIプロトコルについては、HeartRecovery.comをご覧ください。

IMPELLA心臓ポンプについて

Impella 2.5®およびImpella CP®の各デバイスは、閉塞した冠動脈を再開通するためにステント留置術やバルーン血管形成術などの待機的または緊急の経皮的冠動脈形成術(PCI)を受ける特定の進行性心不全患者の治療を目的として、米国FDAの承認を取得しています。

Impella 2.5、Impella CP、SmartAssist®搭載Impella CP、Impella 5.0®、Impella LD®、SmartAssist®搭載Impella 5.5®は、心原性ショック状態にある心臓発作または心筋症患者の治療を目的に米国FDAの承認を取得しており、心臓の自然な回復を可能にする独自の機能を有しているため患者さんが自分の心機能を回復させ帰宅することができます。

承認された適応症や、デバイスの使用に伴う重要な安全性・リスク情報を含め、Impella心臓ポンププラットフォームの詳細については、https://www.abiomed.comをご覧ください。

アビオメッドについて

米マサチューセッツ州ダンバースに拠点を置くアビオメッドは、循環補助デバイスと酸素化デバイスのリーディングカンパニーです。当社製品は血行動態を改善し、呼吸不全の患者さんに十分な酸素を供給することで心筋の負担を軽減し、その回復を目指しています。詳細情報についてはhttps://www.abiomed.comをご覧ください。

将来見通しに関する記述

本プレスリリースには将来見通しに関する記述が含まれます。将来見通しに関する記述は、アビオメッドが米国証券取引委員会に提出した定期報告書で記載されたものなど、リスクと不確実性の影響を受けます。実際の結果は予想された結果とは大きく異なる可能性があります。

本プレスリリースは、米国アビオメッド・インクが現地時間2021年4月28日に発表した英文プレスリリースを日本語訳したものです。正式な言語は英語であり、日本に適応しない内容が含まれます。解釈は英語が優先されます。

本記者発表文の公式バージョンはオリジナル言語版です。翻訳言語版は、読者の便宜を図る目的で提供されたものであり、法的効力を持ちません。翻訳言語版を資料としてご利用になる際には、法的効力を有する唯一のバージョンであるオリジナル言語版と照らし合わせて頂くようお願い致します。

businesswire.comでソースバージョンを見る:https://www.businesswire.com/news/home/20210613005043/ja/

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