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武田薬品工業:2020年度は力強い利益率と強固なキャッシュ・フローとともに安定的な業績を達成、2021年度には実質的な売上収益成長のさらなる加速を見込

2021年05月11日 PM03:35
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大阪

(ビジネスワイヤ) — 武田薬品工業株式会社は、本日、2020年度の業績を公表しましたのでお知らせします 。

当社代表取締役社長CEOのクリストフ・ウェバーは次のように述べています。

「2020年度を通じ、当社は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックの中においても新たな働き方を推進し、安定的な事業活動を維持しました。これは従業員による貢献、そして『世界中の人々の健康と、輝かしい未来のために、すべての患者さんのために、ともに働く仲間のために、いのちを育む地球のために』という約束を胸に当社の揺るぎない取り組みを示すものです。当社はパンデミックへの対応を支援するなか、事業の継続性を維持するとともに、患者さんの当社医薬品へのアクセスを確保し、当社従業員の健康とウェルビーイングを守ってきました。

これらのことに注力することによって通期のマネジメント・ガイダンスを達成することができ、またグローバルブランド14製品による実質的な売上収益成長、ならびに早期に実現されたコストシナジーが、力強い利益率と強固なキャッシュ・フローに貢献しました。さらに当社が注力している主要市場において12件の承認を得たことを含め、パイプラインにおいても成長モメンタムが継続しています。

重要な転換点の年となる2021年度において、当社は予想される売上収益の成長を活用して研究開発への投資を強化し、また革新的なパイプラインをさらに充実させることに注力し続けます。今後10年間を通じて一桁台半ばの売上収益成長率を挙げ、2030年度までに5兆円(470億米ドル)の売上収益という目標達成に向けての体制は整っています。1

来月、当社は創業240周年を迎えますが、これまでの達成を誇りに思うとともに、将来の見通しに自信を持っています。今後も成長軌道に乗ってさらに歩みを進め、すべてのステークホルダーに最大限の価値を創出し、長期的な成功に向けて取り組みます。」

財務・ビジネスハイライト

2020年度業績

(億円)

財務ベース

Core

(IFRSに非準拠)(a)

実質ベース(b)

(IFRSに非準拠)(a)

2020年度

対前年

2020年度

対前年

 

売上収益

31,978

△2.8%

31,978

△2.8%

+2.2%

営業利益

5,093

+407.2%

9,679(c)

+0.6%

+13.0%

営業利益率

15.9%

+12.9pp

30.3%

+1.0pp

30.2%

当期利益

3,760

+749.9%

6,555

+8.9%

 

EPS(円)

241円

+747.3%

420円

+8.5%

+24.6%

営業活動による
キャッシュ・フロー

10,109

+50.9%

 

 

 

フリー・キャッシュ・フロー
(IFRSに非準拠)(a) (d)

12,378

+27.9%

 

 

 

(a)当社のIFRSに準拠しない財務指標のさらなる詳細については当社のホームページをご参照ください。
https://www.takeda.com/jp/investors/financial-results/
(b)「実質的な成長」は、当年度と前年度(四半期もしくは年間)の業績を共通の基準で比較するものであり、マネジメントによる業績評価に使用されています。これら共通の基準で比較される業績は、年間計画レートを用いた為替レートを一定として、事業等の売却影響およびその他の非定常的もしくは特別な事象に基づく影響、本業に起因しない(ノン・コア)事象による影響を控除し算定されます。
(c)Core営業利益は、純利益から、法人所得税費用、持分法にかかる投資損益、金融損益、その他の営業収益およびその他の営業費用、製品に係る無形資産償却費及び減損損失を控除して算出します。その他、企業買収に係る会計処理の影響や買収関連費用など、本業に起因しない(ノン・コア)事象による影響を調整します。
(d)フリー・キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローから有形固定資産の取得による支出、無形資産の取得による支出、投資の取得による支出、当社が即時的にまたは一般的な業務用に使用することはできないその他の現金を控除し、有形固定資産の売却による収入を加えて算出します。さらに、有形固定資産の売却、投資や事業の売却・償還による収入、現金及び現金同等物控除後の事業売却による収入を加えて調整します。

ポートフォリオの安定性を示した2020年度決算

  • 財務ベース売上収益は主に為替と事業売却の影響を受け前年度比△2.8%の3兆1,978億円(約289億米ドル) でした。グローバルブランド14製品の成長(前年度比+16%)が牽引し、実質的な売上収益成長率は前年度比+2.2%となりました。
  • 財務ベース営業利益はノン・コア事業等の売却益と、買収関連費用の減少により、+407.2%の成長となる5,093億円(約46億米ドル)2でした。企業買収に係る会計処理の影響や一時的な事象に基づく影響を調整したCore営業利益は9,679億円(約88億米ドル)2となり、Core営業利益率は30.3%でした。為替と事業売却による影響を調整した実質的なCore営業利益は前年度比+13.0%となりました。実質的なCore営業利益率は30.2%でした。
  • 財務ベース当期利益は3,760億円で、前年度比+749.9%となりました。
  • 営業活動によるキャッシュ・フローは特定のワクチン運営のための制限付き預り金1,755億円を含め、前年度比+50.9%の1兆109億円でした。
  • 特定のワクチン運営のための制限付き預り金を調整し、資本的支出と資産売却からの収入を反映したフリー・キャッシュ・フローは1兆2,378億円(約112億米ドル)2でした。これは年間配当、負債返済、利息支払いを十分にカバーし、前年度比+27.9%となりました。力強いキャッシュ・フローにより第4四半期にはレバレッジがさらに低下しました。

COVID-19の世界的な流行拡大に伴う2020年度の連結業績への影響は、複数の要因が相殺し合ったため軽微でした。ニューロサイエンス(神経精神疾患)の領域において、外出制限期間中に患者さんの医療機関受診の頻度が減少する等のマイナス影響が見られました。この動向は、当年度を通じて変動してきました。これらのマイナス影響は、COVID-19のパンデミックの中において、服薬利便性の高い特定の当社製品の需要拡大等、処方動向によるプラス影響により一部相殺されています。営業経費については、渡航制限やイベントの自粛等、特定の事業活動を自主的に制限したことにより減少しました。これらの要因により、結果的にCOVID-19による当社利益への影響は軽微でした。

COVID-19に関する当社の最新の情報については、こちら(当社ウェブサイト上のCOVID-19 インフォメーションセンター)を参照ください。

主要な5つのビジネスエリアの業績アップデート

当社の主要な5つのビジネスエリアである消化器系疾患、希少疾患、血漿分画製剤、オンコロジー(がん)、ニューロサイエンスの財務ベース売上収益は合計2兆6,237億円となり、2020年度の売上収益合計の約82%を占め、実質的な売上収益成長率は前年度比+4.7%でした。グローバルブランド14製品の財務ベース売上収益は合計1兆2,153億円(約110億米ドル)2となり、実質的な売上収益成長率は前年度比+16%でした。

消化器系疾患

消化器系疾患は、財務ベース売上収益は7,778億円、売上収益比率は24%、実質的な売上収益成長率は前年度比+14%でした。消化管選択的に作用する生物学的製剤であるENTYVIOが米国、EU、および日本で引き続き一次治療のシェアを拡大したことで極めて優れた成長が継続したことが寄与しました。

希少疾患

希少疾患の財務ベース売上収益は5,917億円、売上収益比率は19%、実質的な売上収益成長率は希少血液疾患の想定通りの減少により前年度比△2%でした。遺伝性血管性浮腫(HAE)の継続的な予防市場の拡大および販売地域の拡大によりTAKHZYROは持続的に力強い実績を示し、遺伝性血管性浮腫のポートフォリオの実質的な売上収益成長率は前年度比+10%でした。希少代謝性疾患は実質ベースで前年比+2%でしたが、NATPARA®を除くポートフォリオでは対前年比+8%の実質的な成長を達成しました。

PDT(血漿分画製剤)免疫疾患

PDT免疫疾患は、米国でのGAMMAGARD LIQUIDならびに全世界での免疫グロブリン皮下注射製剤の高い需要により、財務ベース売上収益は4,204億円、売上収益比率は13%、実質的な売上収益成長率は前年度比+10%でした。アルブミンの実質的な売上は主に下半期のAlbumin Glassバッチの一時的な出荷中断や中国における2019年度の供給変動による影響を受けたことから前年度比△13%でした。COVID-19は業界全体を通じて血漿収集に影響を及ぼしましたが、卓越した業務効率化、デジタルイニシアティブ導入、および血漿収集センター拡大の継続により2020年度の収集量減少は前年度比△11%のみに留まりました。

オンコロジー(がん)

オンコロジーの財務ベース売上収益は4,165億円売上収益比率13%で、NINLARO®、ADCETRIS®、およびALUNBRIG®の寄与により、実質的な売上収益成長率は前年度比+1%でした。当社のオンコロジーポートフォリオの継続的な適応拡大により成長ブランドが既存製品の売上減少を相殺しました。

ニューロサイエンス(神経精神疾患)

ニューロサイエンスの財務ベース売上収益は4,173億円、売上収益比率は13%で、実質ベースで前年度比△2%。COVID-19に関連した外出制限で患者さんの受診や診断が減少したことでモメンタムが鈍化しており、処方傾向に回復の兆しが見えているものの、新規処方患者数はCOVID-19流行前の水準には戻っていません。

グローバルブランドのハイライト

ビジネスエリア

製品名

財務ベースの
製品売上収益(億円)

対前年の実質的な

売上収益成長率

消化器系疾患

ENTYVIO

4,293

+26.2%

希少疾患

TAKHZYRO

867

+30.0%

PDT免疫疾患

免疫グロブリン

3,349

+15.7%

オンコロジー

ニンラーロ

874

+15.9%

オンコロジー

アルンブリグ

88

+24.4%

経費削減と事業等の売却

コストシナジーの実現および業務効率改善が利益率拡大に貢献し、実質的なCore営業利益率は30.2%に達しました。またレバレッジ低下も迅速に進めており、第4四半期末の純有利子負債/調整後EBITDA倍率は前年同期末の3.8倍から3.2倍に低下しました。純有利子負債残高は2019年3月末(シャイアー社の買収完了は2019年1月8日に公表)以降2年間で1兆6,685億円減少し、2021~2023年度に同倍率を2倍台前半にするという中期的なレバレッジ低下目標に向けて順調に推移しています。

当社は、2019年1月以降現在までに、直近の下記案件を含め12案件で合計最大約129億米ドル3のノン・コア事業等の売却について公表済みで、100億米ドルの売却目標額を超過しました。

  • 2型糖尿病治療薬4剤について、総額1,330億円で帝人ファーマ株式会社への譲渡を完了しました。4ニュースリリース)。
  • 約130種類の一般用医薬品および医療用医薬品ポートフォリオと2つの製造拠点について、最大6.7億米ドルでOrifarm社への譲渡を完了しました。(ニュースリリース
  • 武田コンシューマーヘルスケア株式会社について、総額2,277億円でOscar A-Co 株式会社(The Blackstone Group Inc. とその関係会社が運用するプライベート・エクイティ・ファンドが管理する買収目的会社)への譲渡を完了しました。5ニュースリリース

さらに、不動産および有価証券の売却により2020年度に合計で約14億米ドルを創出しており、当初のキャッシュ創出目標の7億米ドルを超過しました。

パイプラインのアップデート:2021年度は5-6件のウェーブ1新規候補物質が申請され、​米国FDAの審査を予定、2021年度に4つの承認が​得られる可能性があり、ウェーブ 1パイプラインの転換点の年になることを見込む

当社の世界レベルの研究開発基盤は、社内の研究能力を活用するとともに、世界中の革新的なエコシステムに積極的に関わることによって推進されています。この効率的な研究開発モデルを通じ、当社はさらにターゲットを絞った患者さんグループに注力し、より小規模かつ低コストの開発プログラムでより大きな治療効果、および早期の申請とともに知的財産権や販売権の強化を図ります。当社は約40以上の先順位の高い新規候補物質の開発と新たな提携をさらに推進し、またオンコロジー領域の強化、臨床試験開始、およびデータとデジタルサイエンスにおける能力を高めるため、研究開発投資を5,220億円へと拡大する計画です。2020年度には米国、欧州、中国、および日本においてグローバルおよび地域ブランド品目の承認を12件取得したことは、高いアンメットニーズ(未だに有効な治療法が確立されていない疾患に対する医療ニーズ)を持つ世界中の患者さんのための、ベスト・イン・クラスの治療薬の開発に向けた当社の取り組みを示すものです。2021年度は、年度末までに最大6件の承認申請を計画し、4つの承認獲得の可能性も見込んでおり、当社にとって転換点となる年になると期待しています。

当社のパイプラインのポートフォリオは、今後10年の成長に大きく貢献する可能性を有しています。

直近のハイライトは以下の通りです。

  • TAK-003は、当社の4価デング熱ワクチン候補であり、初めに欧州および流行国において承認申請を完了し、2021年度には承認見込みです。(ニュースリリース
  • Mobocertinib (TAK-788)は、上皮成長因子受容体(EGFR)エクソン20挿入変異を伴う転移性非小細胞肺がんの新たな経口標準治療薬候補であり、米国では2021年度中の承認に向けて新薬承認申請(NDA)を完了しました。(ニュースリリース
  • Maribavir (TAK-620)は、臨床第3相試験データのサブグループ分析の結果が発表され、移植後のサイトメガロウイルス感染患者さんにおいて、従来の治療薬と比較して大幅なCMVクリアランスの達成が示されました。また、maribavirは副次評価項目である、より優れたCMV血症の消失も達成し、NDA申請に向け順調に推移しています。当社は、幹細胞移植後のCMV感染の1次治療を対象とした臨床第3相試験(302試験)を実施しており、Maribavirの評価を継続中です。(ニュースリリース
  • Soticlestat (TAK-935)は、先日当社がグローバルな開発および販売権をOvid Therapeutics社から再取得した発達性およびてんかん性脳症に対する新たな作用機序を持つファーストインクラス治療薬候補です。当社は、ドラベ症候群(DS)およびレノックス・ガストー症候群(LGS)の小児と成人患者さんを対象とし、2021年度中にsoticlestatの臨床第3相試験を開始予定です。この試験から優れた結果が得られた場合、soticlestatはより優れた発作のコントロールが可能で、良好な忍容性および機能を有する治療選択肢を世界中のDSとLGS患者さんに提供できる可能性があります。(ウェーブ1パイプラインの転換期となる2021年度
  • Orexin (TAK-994)は、オレキシン欠乏に対する初の治療薬の可能性のある治療薬候補です。当社はこの治療薬をまず、オレキシン欠乏により睡眠覚醒周期が乱れ、診断と治療が十分に行われていない希少疾患であるナルコレプシータイプ1(NT1)を対象として承認申請のための臨床試験へと進む予定です。さらなる適応症の可能性としてナルコレプシータイプ2(NT2)と特発性過眠症(IH)も続いて対象とする予定です。(ウェーブ1パイプラインの転換期となる2021年度
  • TAK-186は、一定の条件下で活性化されるT細胞誘導抗体で、上皮増殖因子受容体(EGFR)が発現している固形がん患者さんを対象として最近臨床第1/2相試験を開始したファーストインクラスの治療薬候補です。TAK-186はMaverick Therapeutics社買収を通じて当社のパイプラインに加わった最新の治療薬候補のひとつです。当社はTAK-186に加え、Maverick社のT細胞誘導抗体の基盤技術であるCOBRA™と、B7-H3タンパク質が発現している固形がん患者さんの治療薬として2021年度下期に臨床試験を開始する予定のTAK-280も獲得します。(ニュースリリース

主要な全社的な施策

当社が「世界中の人々の健康と、輝かしい未来に貢献する」ことを目指し、以下の通り2020年度に活動を進めています。

すべての患者さんのために:

  • ヘルスケアに関する不平等を特定し、対処するために、R&D Center for Health Equity and Patient Affairsを設立しました。
  • 官民様々なパートナーと共に、ヨーロッパにおける患者さんの声を広めるHealth Outcomes Observatory (H20)プロジェクトを展開しています。
  • 2021年Facility Of the Year(FOYA)における国際製薬技術協会(International Society for Pharmaceutical Engineering:ISPE)が選定した2つカテゴリーでアワードを受賞しました。光工場の新しい固形製剤包装施設が、「Process Intelligence and Innovation」アワードを受賞し、高薬理活性医薬品の全生産工程を担うアイルランドのグレンジキャッスルの製造施設が「Facility Integration」カテゴリーで受賞しました。
  • 2021年医薬品アクセスインデックスにおいて、総合6位と業界有数の順位を獲得し、「医薬品アクセスに対するガバナンス」では業界を牽引しています。

共に働く仲間のために:

  • タケダ・エクゼクティブチームによるグローバルDE&I(多様性、エクイティ、インクルージョン)委員会を初開催し、さらなるDE&I文化構築に努めています。
  • Global Top Employer®に4年連続で認定されるとともに、4地域、38カ国においてもTop Employerとして認定されました。
  • パンデミック終息後の新しい働き方として、各国のビジネスニーズに沿った柔軟で働きやすく、従業員のエンゲージメントを高めるハイブリッドな働き方を検討しています。

いのちを育む地球のために:

  • 2019年度当社のバリューチェーン全体でカーボンニュートラルを達成しました。
  • Corporate Knights社の世界で最も持続可能な100社(Global 100)に6年連続で選出されました。

ガバナンス:

  • 当社は最近、2021年6月29日の第145回定時株主総会に提出される予定の取締役候補を発表しました。強力なコーポレート・ガバナンス実施の一環として、当社は監査等委員会(Audit and Supervisory Committee)の独立性を高めるため、同委員会のメンバーをすべて社外取締役とすることを決定しました(東京証券取引所の規定に定義されている通り)。この変更により、株主の皆様およびすべてのステークホルダーの長期的な利益を促進し、また取締役会と経営陣の説明責任を強化することになります。(ニュースリリース

COVID-19に対する取り組みの最新情報

当社は、当社のバリュー(価値観)を道しるべとしながら、COVID-19への対応は、従業員の健康と安全の確保、当社医薬品を必要とされている患者さんへの提供、従業員が就業・居住する地域社会での感染の軽減およびサポートを中心に取り組んでいます。

当社のCoVIg-19 Plasma Allianceの臨床試験からは良い結果を得ることができませんでしたが、この取り組みを通じて業界内外での関係が強化され、学術的エビデンスとニーズに基づく実践的な規制に対する観点を刷新し、また公衆衛生に関わる緊急的ニーズに対処する将来的な協力のための、適切に構築された合法的な枠組を作り出すことが可能になりました。当社はまた世界のCOVID-19への対応を支援する一連の取り組みも実施しており、その最新の活動は以下の通りです。

  • 当社は日本政府及び国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)からの支援の下、Novavax社の組換えワクチン候補薬の製造、およびModerna社のmRNAワクチン候補薬の流通を通じ、2種類の新型コロナウイルス感染症ワクチンを日本においてに供給することを目指します。規制当局の承認を前提とし、当社はTAK-919 (Moderna)の供給を2021年前半に、またTAK-019 (Novavax)の供給を2021年後半または2022年の初めに開始することを目標としています。(ニュースリリース
  • 当社とIDT社は、当社がデング熱ワクチン候補のために確保していた生産施設をJohnson & Johnson社のCOVID-19ワクチン製造のため3か月間提供する支援を行っています。(ニュースリリース

2021年度のガイダンス:成長モメンタムが継続する予定

(億円)

2020年度

業績

2021年度

業績予想

実質ベース

(マネジメント・ガイダンス)

売上収益

31,978

33,700

一桁台半ばの成長

営業利益

5,093

4,880

 

Core営業利益

9,679

9,300

一桁台半ばの成長

 

Core営業利益率

30.3%

 

約30%

当期利益

3,760

2,500

 

EPS(円)

241円

160円

 

Core EPS(円)

420円

394円

一桁台半ばの成長

フリー・キャッシュ・フロー

12,378

6,000 – 7,000

 

1株当たりの年間配当(円)

180円

180円

 

当社は2021年度に向け力強い成長モメンタムを維持しており、グローバルブランド14製品の継続的なモメンタムが牽引し実質的な売上収益成長率が一桁台半ばに加速することを期待しています。

財務ベースの売上収益は、実質的な売上収益のモメンタムおよび日本の糖尿病ポートフォリオ売却による一過性の譲渡益が2020年度の事業売却による影響を完全に補完することで、前年度比1,722億円増、+5.4%の3兆3,700億円と予想しています。

実質的なCore営業利益と実質的なCore EPSは、売上収益の成長とコスト効率化の継続、さらには当社の革新的なパイプラインのための研究開発費の大幅な増加を見込み、「一桁台半ば」で成長すると予想しています。

財務ベースの営業利益は研究開発コストの大幅な増加と事業等の売却に係る一時的な収益がなくなることにより213億円減少、△4.2%で、4,880億円と予想しています。Core営業利益は、研究開発コストの大幅な増加を反映し、前年度比379億円減少、△3.9%で9,300億円と予想しています。財務ベースの純利益は財務ベースの営業利益の減少要因に加え、実効税率の上昇もあり、前年度比1,260億円減少、△33.5%で、2,500億円と予想しています。

2021年度予想における重要な前提

当社のガイダンスは、当社の主要な5つのビジネスエリアにおける勢いある成長の持続、グローバルブランド14製品の実質的な売上収益の成長、コストシナジー実現加速に対する経営陣の期待を表しています。

2021年度のガイダンスではまた、次の重要な前提が反映されています。(i)日本の糖尿病ポートフォリオの譲渡益は、売上収益(1,330億円)として集計され、2021年度にCore営業利益の外へ調整されます(ii)ベルケイドについては、2021年度半ば頃には、505(b)2申請に基づく皮下投与製剤の新たな競合品が少なくとも1つ米国において上市されることを見込んでいます(iii)米国のNATPARAについては、2021年度中に再販売することを見込んでいません(iv)事業等の売却については、公表済みの案件以外の将来の売却可能性の影響を考慮していません。

当社は、COVID-19は2021年度の当社業績に対して重大な影響を及ぼすことはないと現時点で入手可能な情報に基づき考えており、当社の2021年度業績予想はこの考え方を反映しています。しかしながら、COVID-19を取り巻く状況は引き続き非常に流動的であり、新規または追加的な流行拡大や、主要市場におけるロックダウンや屋内退避命令の新規の措置や延長、その他政府による対策など、2021年度中の進展によっては、当社製品の需要減少やサプライチェーンに関連する問題の発生、または臨床試験の大幅な遅延など当社事業に深刻な影響を与える可能性があります。このような事態が生じた場合、当社事業や経営成績、財政状態に追加的な影響が及び、また、当社の2021年度業績は予想から大きく乖離する可能性があります。

当社の2020年度業績および他の財務情報の詳細については、こちらをご覧ください。
https://www.takeda.com/jp/investors/financial-results/

さらなる情報

当社はオンコロジーに関する商業的戦略と財務関連の詳細を、2021年6月に予定されているOncology Strategic Update Call、ならびに2021年7月に予定されているFinance Strategy Dayにてそれぞれ発表します(詳細は後日確定)。またCOVID-19に関する取り組み、事業の現状、および短期と長期の見通しについては、2021年6月29日に開催される年次株主総会にて発表の予定です。

<武田薬品について>

武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は、日本に本社を置き、自らの企業理念に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。武田薬品は、「すべての患者さんのために、ともに働く仲間のために、いのちを育む地球のために」という約束を胸に、革新的な医薬品を創出し続ける未来を目指します。研究開発においては、オンコロジー(がん)、希少遺伝子疾患および血液疾患、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、消化器系疾患の4つの疾患領域に重点的に取り組むとともに、血漿分画製剤とワクチンにも注力しています。武田薬品は、研究開発能力の強化ならびにパートナーシップを推し進め、強固かつ多様なモダリティ(創薬手法)のパイプラインを構築することにより、革新的な医薬品を開発し、人々の人生を豊かにする新たな治療選択肢をお届けします。武田薬品は、約80カ国で、医療関係者の皆さんとともに、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。詳細についてはhttps://www.takeda.comをご覧ください。

留意事項

本留意事項において、「ニュースリリース」とは、本ニュースリリース(添付資料及び補足資料を含みます。)において武田薬品工業株式会社(以下、「武田薬品」)によって説明又は配布された本書類、口頭のプレゼンテーション、質疑応答及び書面又は口頭の資料を意味します。本ニュースリリース(それに関する口頭の説明及び質疑応答を含みます。)は、いかなる法域においても、いかなる有価証券の購入、取得、申込み、交換、売却その他の処分の提案、案内若しくは勧誘又はいかなる投票若しくは承認の勧誘のいずれの一部を構成、表明又は形成するものではなく、またこれを行うことを意図しておりません。本ニュースリリースにより株式又は有価証券の募集を公に行うものではありません。米国 1933 年証券法に基づく登録又は登録免除の要件に従い行うものを除き、米国において有価証券の募集は行われません。本ニュースリリースは、(投資、取得、処分その他の取引の検討のためではなく)情報提供のみを目的として受領者により使用されるという条件の下で(受領者に対して提供される追加情報と共に)提供されております。当該制限を遵守しなかった場合には、適用のある証券法違反となる可能性がございます。

武田薬品が直接的に、又は間接的に投資している会社は別々の会社になります。本ニュースリリースにおいて、「武田薬品」という用語は、武田薬品およびその子会社全般を参照するものとして便宜上使われていることがあり得ます。同様に、「当社(we、usおよびour)」という用語は、子会社全般又はそこで勤務する者を参照していることもあり得ます。これらの用語は、特定の会社を明らかにすることが有益な目的を与えない場合に用いられることもあり得ます。

将来に関する見通し情報

本ニュースリリース及び本ニュースリリースに関して配布された資料には、武田薬品の見積もり、予測、目標及び計画を含む当社の将来の事業、将来のポジション及び業績に関する将来見通し情報、理念又は見解が含まれています。将来見通し情報は、「目標にする(targets)」、「計画する(plans)」、「信じる(believes)」、「望む(hopes)」、「継続する(continues)」、「期待する(expects)」、「めざす(aims)」、「意図する(intends)」、「確実にする(ensures)」、「だろう(will)」、「かもしれない(may)」、「すべきであろう(should)」、「であろう(would)」「することができた(could)」、「予想される(anticipates)」、「見込む(estimates)」、「予想する(projects)」などの用語若しくは同様の表現又はそれらの否定表現を含むことが多いですが、それに限られるものではございません。これら将来見通し情報は、多くの重要な要因に関する前提に基づいており、実際の業績は、将来見通し情報において明示又は暗示された将来の業績とは大きく異なる可能性があります。その重要な要因には、日本及び米国の一般的な経済条件を含む当社のグローバルな事業を取り巻く経済状況、競合製品の出現と開発、世界的な医療制度改革を含む関連法規の変更、臨床試験成功の不確実性や規制当局による判断とその時期を含む臨床製品開発に伴う課題、新規および既存製品の商業上の成功の不確実性、製造上の困難や遅延、金利及び為替の変動、市場で販売された製品又は候補製品の安全性又は有効性に関するクレーム又は懸念等、新規コロナウイルス・パンデミックのような健康危機が、当社が事業を行う国の政府を含む当社とその顧客及び供給業者に及ぼす影響、買収対象企業とのPMI(買収後の統合活動)の時期及び影響、武田薬品の事業にとってのノン・コア資産を売却する能力及びかかる資産売却のタイミング、当社のウェブサイト(https://www.takeda.com/jp/investors/sec-filings/)又はwww.sec.gov において閲覧可能な米国証券取引委員会に提出したForm 20-Fによる最新の年次報告書及び当社の他の報告書において特定されたその他の要因が含まれます。武田薬品は、法律や証券取引所の規則により要請される場合を除き、本ニュースリリースに含まれる、又は当社が提示するいかなる将来見通し情報を更新する義務を負うものではありません。過去の実績は将来の経営結果の指針とはならず、また、本ニュースリリースにおける武田薬品の経営結果は武田薬品の将来の経営結果又はその公表を示すものではなく、その予測、予想、保証又は見積もりではありません。

国際会計基準に準拠しない財務指標

本ニュースリリース及び本ニュースリリースに関して配布された資料には、実質的な売上収益、Core営業利益、実質的なCore営業利益、Core純利益、実質的なCore EPS、有利子純負債、EBITDA、調整後EBITDA、フリー・キャッシュ・フローのように、IFRSに準拠しないIFRS財務指標が含まれています。当社役員は業績評価並びに経営及び投資判断を、IFRS及び本ニュースリリースに含まれるIFRS以外の指標に基づき行っています。IFRSに準拠しない財務指標においては、最も近いIFRS財務指標では含まれることとなる、又は異なる数値となる一定の利益、コスト及びキャッシュ・フロー項目を除外しております。IFRSに準拠しない財務指標を提供することで、当社役員は、投資家の皆様に対し、当社の経営状況、主要な業績及び動向の更なる分析のための付加的な情報を提供したいと考えております。IFRSに準拠しない財務指標は、IFRSに準拠するものではなく、付加的なものであり、また、IFRSに準拠する財務指標に代替するものではありません(IFRSに準拠する財務指標を「財務ベース」指標として参照している場合があります)。投資家の皆様におかれましては、IFRSに準拠しない財務指標につき、これらに最も良く対応するIFRS準拠財務指標との照合を行っていただけますようお願い申し上げます。

当社のIFRSに準拠しない財務指標のさらなる詳細については当社のホームページをご参照下さいhttps://www.takeda.com/jp/investors/reports/quarterly-announcements/

医療情報

本ニュースリリースには、製品についての情報が含まれておりますが、それらの製品は、すべての国で発売されているものではありませんし、また国によって異なる商標、効能、用量等で販売されている場合もあります。ここに記載されている情報は、開発品を含むいかなる医療用医薬品の効能を勧誘、宣伝又は広告するものではありません。

財務情報

当社の財務諸表は、IFRSに基づき作成しております。米国会計基準に基づき作成されておりましたシャイアー社の売上収益は、IFRSに組み替えておりますが、両者に重大な差異はございません。従来シャイアー社が米国会計基準(米国GAAP)に基づき提示してきた同社の売上収益はIFRS準拠に変換されましたが、それに伴う大きな差異は生じませんでした。参考のため日本円と米ドルとが併記されています が、このための換算比率は日本円/米ドルを110.6としています。シャイアー社買収の一環として取得した資産と負債の取得対価配分(PPA)は2019年度中に完了しました。これに基づき2019年度第3四半期の貸借対照表が修正されています。

 


1 技術的成功確率(PTS)調整前ベースの増分を含んでおり、「予測」や「目標値」の数字ではありません。PTSとは、予め設定されたエンドポイント、成功確率や他の要因などに基づき臨床試験が成功し、規制当局の承認が反映された確率です。当社の商業化された製品やパイプラインによって達成される実際の将来の純売上は実質的に異なるものであり、従って安全性、有効性と製品表示を含む様々な流動要因により、臨床開発の結果には一定の範囲がある可能性があります。承認取得された際、患者数、競合状

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