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武田薬品、ドラベ症候群およびレノックス・ガストー症候群の小児・成人患者に対する治療薬候補ソチクレスタットの世界的な開発・商業化権をオビド・セラピューティクスより取得

2021年03月09日 AM01:03
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大阪 & ニューヨーク

(ビジネスワイヤ) — 武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)(以下「武田薬品」)と、希少神経疾患患者の生活を大きく変える医薬品の開発に傾倒するバイオ製薬企業のオビド・セラピューティクス(NASDAQ: OVID)(以下「オビド」)は本日、ドラベ症候群(DS)およびレノックス・ガストー症候群(LGS)を含むてんかん性脳症の治験薬であるソチクレスタット(TAK-935/OV935)について、武田薬品が世界的な開発・販売権をオビドから取得する独占契約を締結したと発表しました。

本プレスリリースではマルチメディアを使用しています。リリースの全文はこちらをご覧ください。:https://www.businesswire.com/news/home/20210308005644/ja/

武田薬品の湘南研究所で発見されたソチクレスタットは、強力で選択性の高いファーストインクラスのコレステロール24ヒドロキシラーゼ(CH24H)阻害剤です。新たに締結された独占契約に基づき、武田薬品はソチクレスタットの世界的な権利をすべてオビドより取得します。武田薬品は今後の世界規模での開発と販売を単独で担うことになり、オビドはマイルストーン支払いや将来のあらゆる開発・販売費用を含め、当初の提携契約に基づく武田薬品に対するいかなる財務的義務も今後は負いません。オビドは契約完了時に1億9600万ドルの一時金を受領することになり、さらに開発、承認、販売の各マイルストーン達成時に最大6億6000万ドルを受領する権利を得ます。またソチクレスタットが承認・上市された場合、販売額に応じて2桁台前半から最大20パーセントの段階的なロイヤルティーを受領することになります。このたびの新しい契約は、ハート・スコット・ロディノ法に基づくしかるべき規制当局が行う審査を含め、慣習的な完了条件を満たすことを前提に、2021年3月末までに完了する予定です。

武田薬品の研究開発担当プレジデントであるアンディ・プランプ(M.D.、Ph.D.)は、次のように述べています。「思慮深く生産的な協業に対し、オビドに謝意を表したいと思います。両社の協力により、第2相ELEKTRA試験で良好なデータが得られ、その結果としてソチクレスタットは2つのピボタル試験に進む準備が整いました。この提携は、武田薬品の提携モデルの強みと、神経疾患の患者さんに革新的な医薬品を提供するという当社の約束を示すものです。」

2017年に締結された協業契約に従い、武田薬品はオビドの株式を取得し、第3相臨床試験の開始を含め、承認・申請関連のマイルストーンに対して最大8500万ドルを受領する権利を有していました。オビドは、複数種の希少てんかん領域における概念実証を成功裏に行い、ソチクレスタットの開発を世界規模で主導しました。

オビド・セラピューティクスの会長兼最高経営責任者(CEO)であるジェレミー・レビン(DPhil、MB、BChir)は、次のように述べています。「この新しい契約の締結は、患者さん、オビド、武田薬品にとって良い結果です。両社は協力して準備を進め、プログラムを最適化し、加速させてきました。オビドは大きな利益を得ることができると考えますが、ソチクレスタットのピボタル試験が完了するまでの今後数年間に必要となる相当な資金を工面する義務はなく、試験が成功すれば、世界市場への参入につながります。重要な点として、本契約によってもたらされる資金により、オビドは戦略的にも財務的にも、今後に向けて好位置につくことができます。当社はパイプラインを推進・強化しながら、引き続き脳の希少疾患領域におけるリーディングカンパニーを目指していきます。素晴らしいパートナーである武田薬品に感謝するとともに、今後の本プログラムのより一層の成功に期待しています。」

武田薬品Neuroscience Therapeutic Area Unitのヘッドを務めるサラ・シェイク(M.D.、M.Sc.、MRCP)は、次のように述べています。「当社はそのポートフォリオにおいて未充足ニーズが大きい希少な神経疾患と神経筋疾患に主たる重点を置いていますが、その中でソチクレスタットは開発後期段階の重要な分子として登場したものです。当社はDSおよびLGSの小児・若年成人の患者さんを対象とした第3相臨床試験を開始し、進めていけるよう、懸命かつ適切に取り組んでいます。当社の目標は、いつの日か、世界中のDSおよびLGSの患者さんに、発作制御の機能を向上させ、忍容性、機能性に優れた新たな治療選択肢をお届けすることです。」

DSおよびLGSの患者のための新たな治療選択肢を発展させる

武田薬品とオビドは2020年8月に第2相ELEKTRA試験の結果を報告しましたが、本試験でソチクレスタットはDSまたはLGSの小児患者において、主要評価項目である発作頻度の低減を達成しました。武田薬品は2021年第2四半期(暦年)に DSおよびLGSの小児・若年成人患者でソチクレスタットの第3相試験を開始する予定です。

ソチクレスタット(TAK-935/OV935)について

ソチクレスタットは選択性が高く強力なファーストインクラスのコレステロール24ヒドロキシラーゼ(CH24H)阻害剤であり、発作感受性を低下させ、発作制御を改善する可能性があります。CH24Hは主に脳で発現し、そこでコレステロールを24S‐ヒドロキシコレステロール(24HC)に変換し、脳コレステロールのホメオスタシスバランスを調節します。24HCはNMDA受容体のポジティブアロステリックモジュレーターであり、てんかんに関連するグルタミン酸作動性シグナル伝達を調節します。グルタミン酸は脳内の主要な神経伝達物質の1つであり、発作の開始および進展で役割を果たすことが示されています。最近の論文では、CH24HがNMDAチャンネルの調節を介してグルタミン酸経路の過度な活性化に関与し、CH24Hの発現増加がアストロサイトによるグルタミン酸の再取り込みを妨げ、てんかん原性と神経毒性をもたらすことが示されています。ソチクレスタットによるCH24Hの阻害は24HCのニューロンレベルを低下させ、脳の興奮性/抑制性バランスのゆがみを改善する可能性があります。

ドラベ症候群とレノックス・ガストー症候群について

ドラベ症候群とレノックス・ガストー症候群は、希少てんかん症候群の不均一なグループである発達性/てんかん性脳症(DEE)の一種です。ドラベ症候群とレノックス・ガストー症候群は、典型的な場合で乳児期または幼児期に発症し、多くの抗発作薬に高い難治性を示します。

ドラベ症候群はSCN1A遺伝子の遺伝子変異を原因とすることが最も多く、米国ではおよそ1万5000人から2万1000人に1人の割合で発症します。ドラベ症候群は、けいれん性強直間代発作に進展し得る遷延性焦点発作が特徴です。ドラベ症候群の小児患者は、発作の増加に伴って発達障害を経験します。その他の一般的症状には、食欲の変化、平衡感覚の悪化、かがみ歩行などがあります。

レノックス・ガストー症候群は、米国ではおよそ1万1000人に1人が罹患すると推定されています。レノックス・ガストー症候群は不均一な病態であり、数種類の発作、最も一般的には弛緩性発作(脱力)、強直性発作、非定型欠神発作が特徴です。レノックス・ガストー症候群の小児患者は、認知機能障害、発達上のマイルストーン達成の遅れ、行動上の問題を引き起こす場合もあります。レノックス・ガストー症候群は種々の基礎疾患が原因となり得ますが、原因を特定できない場合もあります。

オビドの電話会議とウェブキャストに関する情報

オビド・セラピューティクスは、本日3月3日午前8時30分(東部時間)から電話会議を開催します。このライブイベントは、オビド・セラピューティクスのウェブサイトの投資家セクション(investors.ovidrx.com)からアクセスできます。あるいは866-830-1640(米国)または210-874-7820(国際)に電話して、ライブ電話会議を聞くこともできます。ライブ電話会議の会議ID番号は6343028です。電話会議の再生は、電話会議の終了後にオビド・セラピューティクスのウェブサイトで可能となり、30日間にわたりアーカイブに保存されます。

武田薬品工業株式会社について

武田薬品工業株式会社(TSE: 4502/NYSE: TAK)は、日本に本社を置き、自らの経営の基本精神に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。武田薬品は、患者さん、従業員、そして地球に対する約束に従って、人生・生活を変える治療薬を創出し、お届けすることに傾倒しています。研究開発においては、オンコロジー(がん)、希少な遺伝性疾患および血液疾患、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、消化器系疾患の4つの疾患領域に重点的に取り組むとともに、血漿分画製剤およびワクチンにも注力しています。武田薬品は、研究開発能力の強化ならびにパートナーシップを推し進め、強固かつ多様なモダリティ(創薬手法)のパイプラインを構築することにより、革新的な医薬品を開発し、人々の人生を豊かにする新たな治療選択肢をお届けします。武田薬品は、約80カ国で、医療関係者の皆さんとともに、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。詳細情報についてはhttps://www.takeda.comをご覧ください。

武田薬品からの重要なお知らせ

本プレスリース及び本プレスリリースに関して配布された資料には、武田薬品の見積もり、予測、目標及び計画を含む当社の将来の事業、将来のポジション及び業績に関する将来見通し情報、理念又は見解が含まれています。将来見通し情報は、「目標にする(targets)」、「計画する(plans)」、「信じる(believes)」、「望む(hopes)」、「継続する(continues)」、「期待する(expects)」、「めざす(aims)」、「意図する(intends)」、「保証する(ensures)」、「だろう(will)」、「かもしれない(may)」、「すべきであろう(should)」、「であろう(would)」「することができた(could)」、「予想されるanticipates)」、「見込む(estimates)」、「予想する(projects)」などの用語、同様の表現、それらの否定表現を含むことが多いですが、それに限られるものではございません。かかる将来見通し情報は、多くの重要な要因に関する仮定に基づいており、これらの要因は実際の結果が将来見通し情報で明示ないし暗示された内容と著しく異なる場合の原因になり得るものです。これらの要因には、日本と米国の一般的な経済条件を含む当社の世界的な事業を取り巻く経済状況、競合製品の出現と開発、世界的な医療制度改革を含む関連法規の変更、臨床的成功の不確実性および規制当局による判断とその時期を含む新製品開発に固有の問題、新製品および既存製品の商業的成功の不確実性、製造における困難または遅延、金利及び通貨為替レートの変動、市場で販売された製品または製品の安全性または有効性に関するクレームまたは懸念等、新型コロナウイルスの世界的流行病のような健康危機が武田薬品ならびにその顧客およびサプライヤー(武田薬品が営業する国々における外国政府を含む)に及ぼす影響や当社事業のその他の面に及ぼす影響、買収対象企業とのPMI(買収後の統合活動)の時期及び影響、武田薬品の事業にとっての非コア資産を売却する能力及びかかる資産売却のタイミング、武田薬品が米国証券取引委員会に提出したForm 20-Fによる最新の年次報告書及び他の報告書(https://www.takeda.com/investors/reports/sec-filings/又はwww.sec.govにおいて閲覧可能)で指摘したその他の要因が含まれますが、これらに限られません。武田薬品は、法律ないし証券取引所規則で要求される場合を除き、本プレスリリースに含まれる、または当社が提示するいかなる将来見通し情報を更新する義務を負うものではありません。過去の実績は将来の経営結果の指針とはならず、また、本プレスリリースにおける武田薬品の経営結果ないし記述は武田薬品の将来の経営結果を示すものではなく、また、その予測、予想、保証、見積もりではありません。

オビド・セラピューティクスについて

オビド・セラピューティクスはニューヨークを拠点とするバイオ製薬企業として、BoldMedicine®の手法を採用しながら、希少神経疾患の患者さんの生活を大きく変える医薬品の開発に当たっています。オビドは、幅広いパイプラインのファーストインクラス治療薬候補を有しています。その中にはアンジェルマン症候群、脆弱X症候群、希少てんかんを対象とするプログラムに加え、他の単一遺伝子疾患に対する早期開発段階のプログラムが含まれます。オビドの最も先進的なパイプラインプログラムには、武田薬品と連携して開発に取り組むOV935(ソチクレスタット)と、δ-選択的GABAA受容体アゴニストのOV101が含まれます。オビドの新登場のパイプラインプログラムには、結節性硬化症に伴うてんかんおよび点頭てんかんに対する低分子GABAアミノトランスフェラーゼ阻害剤のOV329、アンジェルマン症候群に対する短ヘアピンRNA治療の手法となるOV882、KIF1Aと関連した神経疾患に対する遺伝子治療の手法となるOV815、その他非公開の研究ターゲットが含まれます。オビドに関する詳細情報についてはwww.ovidrx.comをご覧ください。

オビドの将来に関する見通し情報

本プレスリリースには、ソチクレスタットおよびオビドのその他のプログラムの潜在的利点、臨床・規制上の進展、商業化に関する記述のほか、2017年のライセンス・提携契約にからむロイヤルティー、ライセンス、解除についての2021年契約の締結、武田薬品との協業の潜在的な価値・利点・結果に関する記述など、これらに限定されませんが、将来に関する見通し情報を含む一定の開示情報が含まれます。将来見通し情報は「だろう(will)」、「らしい(appears)」、「信じる(believes)」、「期待する(expects)」などの単語を含むため、見分けが付きます。将来見通し情報はオビドの現在の期待と仮定に基づいています。将来見通し情報は将来に関係しているため、本来的な不確実性・リスク・状況の変化の影響を受けるものでり、これらは将来見通し情報で想定された内容とは大きく異なる場合があり、将来見通し情報は歴史的事実の記述でもなければ、将来の業績の保証ないし言質とはなりません。実際の結果が将来見通し情報の内容とは大きく異なる場合の重要な要因になり得るものには、開発・薬事承認プロセスにおける不確実性、臨床試験の初期データが当該臨床試験の最終結果を示すものでも保証するものでもないという事実、1つ以上の臨床転帰が患者組み込みの継続もしくはさらなる患者データの取得またはこれらの両方によって大きく変化する可能性があるというリスクの影響を臨床試験の初期データが受けるという事実、ソチクレスタットを商品化する能力が含まれます。実際の結果が将来見通し情報の内容とは大きく異なる場合の要因となるその他のリスクは、オビドが米国証券取引委員会に提出した書類の「リスク要因」の見出しのセクションに記載されています。そうしたリスクはCOVID-19の世界的流行病とそれがオビドの事業および世界経済に及ぼす潜在的な影響によって増幅される可能性があります。オビドは、本プレスリリースに含まれるどの将来見通し情報についても、たとえ新情報が得られたとしても、期待における何らかの変化を反映させるために更新する義務を負うものではありません。

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