医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

マシモの非侵襲的・連続的ヘモグロビン(SpHb®)が貧血の早期兆候を検知する能力と貧血が患者転帰に及ぼす影響に関する研究

2019年09月25日 AM12:12
このエントリーをはてなブックマークに追加


 

スイス・ヌーシャテル

(ビジネスワイヤ) — マシモ(NASDAQ: MASI)は本日、Injury誌に掲載された研究で研究者らが、股関節骨折の手術を受ける高齢患者を対象に、Masimo SpHb®による非侵襲的・連続的ヘモグロビン測定により、侵襲的・断続的な検査室ヘモグロビン測定値で評価した場合に周術期貧血の検知が遅れる可能性について検討したと発表しました1。研究者らはまた、a) SpHbで貧血をモニタリングした場合の検出遅延および貧血状態の累積周術期時間と、b) 患者転帰(術後せん妄および死亡または重症合併症)との関連についても検討しました。

本プレスリリースではマルチメディアを使用しています。リリースの全文はこちらをご覧ください。:https://www.businesswire.com/news/home/20190924005811/ja/

Masimo Radical-7® with SpHb® (Photo: Business Wire)

Masimo Radical-7® with SpHb® (Photo: Business Wire)

デンマークのコペンハーゲン大学病院のChristopher G. Clemmesen医師と同僚らは、術中の貧血が患者転帰に及ぼす影響を究明するとともに、Masimo SpHbを使用した非侵襲的ヘモグロビンモニタリングにより、従来の断続的・侵襲的採血と比較して、周術期貧血の早期兆候を示すとともに、貧血状態にあった周術期時間の総計を効果的に追跡できるかどうか究明しようとしました。股関節骨折の修復手術を受ける年齢65歳以上の患者41人から得たデータが分析に付されました。病院用の標準的なプロトコルに従って採血し、ヘモグロビン(Hb)値が10 g/dLを下回った場合に輸血を開始し、また同基準を貧血の定義にも使用しました。手術の全体において、Masimo Radical-7® Pulse CO-Oximeterおよびrainbow®センサーを使用して、SpHbに加え、酸素飽和度(SpO2)、灌流指標(Pi)、脈拍数(PR)を非侵襲的にモニタリングしました。医師に対してはSpO2以外のデータにつき盲検化して、輸血やその他の臨床判断でSpHbまたはPi値を指針として使用できないようにしました。

研究者らは貧血検知の遅れ(10 g/dL以下のSpHb値と、採血を通じて得た同等の低Hb値との間の時間差と定義)の平均値が1.07時間(± 2.84時間)であることを発見しました。研究者らは、低SpHb値(1分以上SpHbが10 g/dLを下回っていた状態と定義)であった周術期の累積時間中央値と術後せん妄との間に有意な関連性を発見しました。すなわち、せん妄があった患者の場合の中央値が162分であったのに対し、せん妄がなかった患者の場合は22分でした(p = 0.034)。

研究者らは次のように結論付けています。「結論として、平均して輸血閾値の検知に遅れがあることを発見し、その遅れは本研究が専門病棟の最適な周術期環境で実施されたにもかかわらず、一部の患者にとって重大なものでした。周術期における連続的なSpHbモニタリングにより、一部の患者で規定の輸血閾値よりも低いHb値を示す時間が長引くことが明らかとなりました。さらに、低いSpHb値状態の存在と術後転帰との間に、また低SpHb値の累積時間と術後転帰との間に有意な関連性があることを発見しました。モニタリングの回数増加が患者転帰の改善をもたらすかどうかについては、さらなる研究が必要となります。」

論文の共著者であるDr. Nicolai B. Fossは、次のように述べています。「股関節骨折患者における周術期貧血の検知は大幅に遅れる場合があり、本研究では連続的SpHbで測定した場合の貧血状態にあった時間と転帰不良には相関関係がありました。貧血をタイムリーに検知してそれに対処し、患者転帰を改善するためには連続的モニタリングが必要です。今後の輸血に関する研究には、貧血の発見に役立てるべく、改善された周術期ヘモグロビン測定を内容に含めるべきであると考えます。」

SpHbは検査室での血液検査に取って代わることを意図していません。赤血球輸血に関する臨床判断は、特に患者の容体、血液試料を使用してのラボ診断検査などの因子を考慮した医師の判断に基づく必要があります。

@MasimoInnovates | #Masimo

マシモについて

マシモ(NASDAQ: MASI)は世界的な医療技術企業として、革新的な測定法、センサー、患者モニター、自動化ソリューション、接続ソリューションを含め、業界をリードする多様なモニタリング技術の開発・製造に当たっています。当社の使命は、患者転帰を向上させてケアのコストを削減することです。1995年投入のMasimo SpHb® Measure-through Motion and Low Perfusion™(体動時・低灌流時モニタリング可能)パルスオキシメトリーは、他のパルスオキシメトリー技術より性能面で優れていることが100件を超える独立した客観的研究で示されています2。またMasimo ORi™は医師が新生児における重度の未熟児網膜症を減らし3、新生児におけるCCHDスクリーニング値を改善し4、術後の病棟におけるマシモ・ペイシェント・セーフティーネット(Masimo Patient SafetyNet™)での連続的モニタリングで使用した場合、救急対応チームの実動、ICUへの移動、コストを削減する5-7ことが示されています。Masimo ORi™は世界各国の主要な病院やその他の医療現場で推定1億人以上の患者に使用されており8、USニューズ&ワールド・レポート誌の2019-20年全米優良病院ランキング9に掲載された上位10病院中の9病院で最重要のパルスオキシメトリーとなっています。マシモはSET®の改善を続けており、2018年には体動時の状態におけるRD SET™センサーのSpO2精度が大幅に改善されたことを発表し、医師らが頼りにしているSpO2値は患者の生理状態を正確に反映しているとの信頼感を高めることとなりました。2005年、マシモはrainbow® Pulse CO-Oximetry技術を発表し、それまで侵襲的な手段でのみ可能であった血液成分モニタリングを非侵襲的、連続的なものとすることを可能にしました。測定できるのは、トータルヘモグロビン濃度(SpHb®)、酸素含量(SpOC™)、カルボキシヘモグロビン濃度(SpCO®)、メトヘモグロビン濃度(SpMet®)、脈波変動指標(PVi®)、RPVi™(rainbow® PVi)、予備酸素摂量指数(ORi™)です。2013年、マシモは患者モニタリング&コネクティビティ・プラットフォームRoot®を導入しました。本プラットフォームは可能な限り柔軟で拡張可能なものとなるようゼロから構築し、その他のマシモ製モニタリング技術やサードパーティー製モニタリング技術の追加を容易化しました。マシモの重要な追加技術には、次世代SedLine®脳機能モニタリング、O3®リージョナルオキシメトリー、NomoLine®サンプリングライン付きISA™カプノグラフィーが含まれます。マシモの連続モニタリング/スポットチェック製品ファミリーPulse CO-Oximeters®には、Radius-7®やRadius PPG™などのテザーレスなウエアラブル技術、Rad-67™などのポータブルデバイス、MightySat® Rxなどのフィンガーチップパルスオキシメーター、Rad-97™などの病院と自宅の両方で使用できる装置を含め、様々な臨床/非臨床シナリオで使用できるようデザインした装置があります。マシモの病院自動化/接続ソリューションはIris®プラットフォームを中心に構成されており、Iris Gateway™、Patient SafetyNet、Replica™、Halo ION™、UniView™、Doctella™を含みます。マシモと当社製品の追加情報については、www.masimo.comをご覧ください。マシモの製品に関して発表済みの臨床研究の結果はwww.masimo.com/evidence/featured-studies/feature/でご覧いただけます。

ORiおよびRPViはFDA 510(k)承認を取得しておらず、米国では販売されていません。Patient SafetyNetの商標の使用は、ユニバーシティ・ヘルスシステム・コンソーシアムからのライセンスに基づいています。

References

  1. Clemmesen CG, Palm H, and Foss NB5. Delay in detection and treatment of perioperative anemia in hip fracture surgery and its impact on postoperative outcomes. Injury (2019). https://doi.org/10.1016/j.injury.2019.09.001.
  2. Published clinical studies on pulse oximetry and the benefits of Masimo SET® can be found on our website at http://www.masimo.com. Comparative studies include independent and objective studies which are comprised of abstracts presented at scientific meetings and peer-reviewed journal articles.
  3. Castillo A et al. Prevention of Retinopathy of Prematurity in Preterm Infants through Changes in Clinical Practice and SpO2 Technology. Acta Paediatr. 2011 Feb;100(2):188-92.
  4. de-Wahl Granelli A et al. Impact of pulse oximetry screening on the detection of duct dependent congenital heart disease: a Swedish prospective screening study in 39,821 newborns. BMJ. 2009;Jan 8;338.
  5. Taenzer AH et al. Impact of pulse oximetry surveillance on rescue events and intensive care unit transfers: a before-and-after concurrence study. Anesthesiology. 2010:112(2):282-287.
  6. Taenzer A et al. Postoperative Monitoring – The Dartmouth Experience. Anesthesia Patient Safety Foundation Newsletter. Spring-Summer 2012.
  7. McGrath SP et al. Surveillance Monitoring Management for General Care Units: Strategy, Design, and Implementation. The Joint Commission Journal on Quality and Patient Safety. 2016 Jul;42(7):293-302.
  8. 推定値:マシモの社内資料
  9. http://health.usnews.com/health-care/best-hospitals/articles/best-hospitals-honor-roll-and-overview.

将来見通しに関する記述

本プレスリリースは、1995年民事証券訴訟改革法との関連で、1933年証券法第27A条および1934年証券取引所法第21E条で規定された将来見通しに関する記述を含みます。これらの将来見通しに関する記述には、特にMasimo SpHb®の潜在的有効性などに関する記述が含まれています。これらの将来見通しに関する記述は、当社に影響を及ぼす将来の出来事についての現時点での予測に基づいており、リスクおよび不確実性に左右され、これらのすべてが予測困難で、これらのすべてが当社のコントロールを超えており、種々のリスク要因の結果として、将来見通しに関する記述で表明された内容とは不利な形で著しく異なる結果が生じる場合の原因となり得るものです。これらのリスク要因には、臨床結果の再現性に関する当社の仮定に関連するリスク、Masimo SpHb を含むマシモ独自の非侵襲的測定技術が良好な臨床結果と患者安全性に貢献するという当社見解に関連するリスク、マシモの非侵襲的医療技術のブレイクスルーがコスト効率に優れたソリューションと独自のメリットを提供するとの当社見解に関連するリスクに加え、米国証券取引委員会(SEC)に提出した当社の最新報告書のセクション「リスク要因(Risk Factors)」で指摘したその他の要因が含まれますが、これらの要因に限定されません。これらの報告書はSECのウェブサイト(www.sec.gov)から無料で入手できます。当社は将来見通しに関する記述に反映された予測が合理的であると考えるものの、当社はこれらの予測が正しいと判明するかどうか判断できません。本プレスリリースに含まれる将来見通しに関する記述はすべて、全体として前記の注意書きによる明示的条件の下に成立するものです。読者の皆さまは、本日の時点についてのみ言及しているこれら将来見通しに関する記述に過度の信頼を寄せないようお願いします。当社はこれらの記述または当社がSECに提出した直近の報告書に含まれる「リスク要因」について、新規の情報、将来の出来事、その他の結果に関係なく、適用される証券法で求められる場合を除き、更新・修正・説明する義務を何ら負いません。

本記者発表文の公式バージョンはオリジナル言語版です。翻訳言語版は、読者の便宜を図る目的で提供されたものであり、法的効力を持ちません。翻訳言語版を資料としてご利用になる際には、法的効力を有する唯一のバージョンであるオリジナル言語版と照らし合わせて頂くようお願い致します。

businesswire.comでソースバージョンを見る:https://www.businesswire.com/news/home/20190924005811/ja/

CONTACT

Masimo

Evan Lamb

949-396-3376

elamb@masimo.com

同じカテゴリーの記事 

  • La Jolla Institute for Immunology and RevolKa started a Research Collaboration
  • U.S. FDA Approves Subcutaneous Administration of Takeda’s ENTYVIO® (vedolizumab) for Maintenance Therapy in Moderately to Severely Active Crohn’s Disease
  • ESCMID Global 2024: Shionogi presents real-world data demonstrating efficacy of Fetcroja® / Fetroja® (cefiderocol) in critically ill patients with certain difficult-to-treat bacterial infections
  • Renesas’ New FemtoClock™ 3 Timing Solution Delivers Industry’s Lowest Power and Leading Jitter Performance of 25fs-rms
  • The Office of Health Economics: Adult Vaccination Programmes Deliver Socio-economic Benefits up to 19 Times Initial Investment, According to New Report