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前立腺がんに対する新たな放射線治療 SpaceOAR®ハイドロゲルがついに日本で販売開始

2018年07月03日 AM09:00
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東京

(ビジネスワイヤ) — オーグメニックス株式会社は、前立腺と直腸の間に留置する合成吸収性スペーサーであるSpaceOARハイドロゲルが保険収載され、前立腺がんの放射線治療を受ける全ての患者に使用できるようになったと発表しました。SpaceOARハイドロゲルは、前立腺がんに対する放射線治療を行う際に懸念される副作用の低減において臨床的な有用性が示されています。1,2

本プレスリリースではマルチメディアを使用しています。リリースの全文はこちらをご覧ください。: https://www.businesswire.com/news/home/20180702005854/ja/

図1:SpaceOARハイドロゲルの留置によってできた前立腺・直腸間のスペース。SpaceOARシステムおよびその使用方法についてはこちらをご覧ください。(画像:ビジネスワイヤ)

図1:SpaceOARハイドロゲルの留置によってできた前立腺・直腸間のスペース。SpaceOARシステムおよびその使用方法についてはこちらをご覧ください。(画像:ビジネスワイヤ)

Augmenix, Inc.の副社長およびゼネラルマネージャのStephen J. McGillは、次のように述べています。「SpaceOARハイドロゲルが前立腺がんに対する放射線治療を受ける患者様に対して保険適用が可能になり、非常に嬉しく思います。日本の厚生労働省によってSpaceOARハイドロゲルが保険収載されたことは、放射線治療のアウトカム改善およびそれに伴うリスク低減に向けた著しい躍進となるでしょう。

また、我々の目標は、線量被ばくの副作用を低減することで患者様にとって大きなメリットとなる低侵襲治療に役立つSpaceOARハイドロゲルを全世界に提供することです。オーグメニックス株式会社の設立と保険収載の実現はそれに向けた前向きな一歩です。

日本全国では、毎年8万6千人以上の男性が前立腺がんと診断されています。多くの患者様は、さまざまな種類の放射線治療による治療を受けていますが 、前立腺周囲の臓器への損傷は、急性直腸痛、直腸出血、尿失禁および勃起障害などを含む長期的な副作用を起こすとされています。SpaceOARハイドロゲルによって前立腺と直腸の間に平均1.3cm厚のスペースが作られることで、線量被ばくが低減され、周囲臓器の損傷を防ぐことが可能であるということが臨床的に認められています (lit. “clinically proven to be capable of reducing…)。1,2

オーグメニックス株式会社代表取締役社長、倉谷頼典は、次のように続けています。

「SpaceOARハイドロゲルは前立腺がんに対する放射線治療を受ける患者様の人生に良い影響をもたらす可能性のある ソリューションとして認められています。我々は、本製品に関心を示していただいている多くの医師の方々と連携し、放射線治療の更なる発展に貢献するとともに前立腺・直腸間のスペーシングが全ての患者様に対する標準治療となるように努力してまいります。」

SpaceOARハイドロゲル は2018年6月25日より全国で販売開始されます(機能区分:200 放射線治療用合成吸収性材料)。本製品の詳細についてはhttp://www.spaceoar.comをご覧ください。

参考文献:

1. Hamstra D, et al. Continued Benefit to Rectal Separation for Prostate RT: Final Results of a Phase III Trial. Int J Radiat Oncol Biol Phys; 2017 Volume 97, Issue 5, Pages 976–985.
2. Hamstra D, et al. Evaluation of sexual function on a randomized trial of a prostate rectal spacer. J Clin Oncol 35, 2017

Notes to Editor

Augmenix, Inc.について: Augmenix Inc.は独自のハイドロゲル技術を採用した放射線腫瘍科向け製品の開発と販売を行う会社です。第一弾の製品として前立腺放射線療法における直腸保護を目的とする製品を上市、続いて各臓器におけるスペーサーやマーカーの開発を展開し、今後も益々放射線療法やインターベンショナルオンコロジーにおけるアウトカムの向上に取組んで参ります。主力商品であるSpaceOARハイドロゲルは、FDAの承認を取得し、米国、豪州および欧州における多くの主要ながんセンターで使用されています。本製品はCEマーク、日本の薬事承認、豪州の承認およびカナダのライセンスを取得しています。主力製品のSpaceOARハイドロゲルは、Augmenix, Inc.の登録商標です。Augmenix, Inc.とSpaceOARハイドロゲルの詳細については、http://www.SpaceOAR.comをご覧ください。

SpaceOARハイドロゲルについて:米国で行われた前向き無作為化多施設共同患者盲検臨床試験の3年の追跡(中央値37ヶ月)では、SpaceOARハイドロゲルを留置して前立腺がんの放射線治療を行った患者群において、腸、尿路系および性機能に対する恩恵が示され、SpaceOARハイドロゲル留置なしの対照群では、それぞれ臨床的に有意な低下が見られ、複合的に見ると8倍以上の有意差が見られました。(1,2)

SpaceOARシステムは、前立腺がんの放射線治療の際に、直腸前壁を前立腺から一時的に離すために用いられ、SpaceOARハイドロゲルによってできたスペースで直腸前壁の吸収線量を減少させることを目的としています。SpaceOARハイドロゲルは、生分解性物質で構成されており、前立腺の放射線治療期間中はそのスペースを維持した後、徐々に患者様の体内に完全に吸収されます。SpaceOARハイドロゲル留置群とSpaceOARハイドロゲル留置なし群との比較における臨床データでは、直腸毒性の低減は腸機能の改善を初めとして排尿機能の改善および性的機能の維持が見込まれることが示されています。

SpaceOARハイドロゲルに関連して起こりえる合併症は、SpaceOARハイドロゲルの注入による疼痛;SpaceOARハイドロゲルによる疼痛または不快感、膀胱、前立腺、直腸壁、直腸、または尿道へ針先端部の貫通;膀胱、前立腺、直腸壁、直腸、または尿道へのSpaceOARハイドロゲルの流入;局所炎症反応;感染症;空気、液体またはSpaceOARハイドロゲルの血管内流入;尿閉;直腸粘膜の損傷、潰瘍、壊死;便秘;および便意切迫が上げられますが、これらに限定されていません。

businesswire.comでソースバージョンを見る:https://www.businesswire.com/news/home/20180702005854/ja/

CONTACT

オーグメニックス株式会社 倉谷頼典
東京都港区虎ノ門2-7-14 八洲ビル5F
03-6273-3850
ykuratani@augmenix.com
または
Augmenix,
Inc.
Mark Buckley, +44 (0)74018814
マーケティングマネージャ
mbuckley@augmenix.co.uk

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