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ドゥルバルマブの単剤療法が尿路上皮膀胱がんで効果を実証

2016年06月08日 PM10:09
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英ケンブリッジ

(ビジネスワイヤ) — アストラゼネカとそのグローバルなバイオ医薬品研究開発部門であるメディミューンは本日、進行性尿路上皮膀胱がん患者を対象とする選択的プログラム細胞死リガンド1(PD-L1)抗体のドゥルバルマブについて、効果と安全性のデータを発表しました。

米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会で報告された第I/II相試験の中間結果は、客観的奏効率(ORR)が評価可能患者全体で31%(95%信頼区間(CI): 18%-47%)、PD-L1高発現*腫瘍の患者で46%(95% CI: 28%-66%)であることを示しました1。12週以上にわたって確定した完全奏効もしくは部分奏効または病勢安定で定義される病勢コントロール率(DCR)は、評価可能患者全体で48%(95% CI: 32%-64%)、PD-L1高発現腫瘍の患者で57%(95% CI: 37%-76%)でした1。奏効期間中央値にはまだ達していません1

メディミューンのシニアバイスプレジデント兼オンコロジー・イノベーティブ・メディシン部門責任者であるデビッド・バーマンは、次のように述べています。「膀胱がんのセカンドライン治療としてのドゥルバルマブ単剤療法の有効性データは大変励みになり、ドゥルバルマブに対する反応の程度が明らかにPD-L1発現とリンクしているとする当社の診断アッセイに対する自信を固めるものです。私たちは、単剤療法およびトレメリムマブとの併用療法の両方で、膀胱がんのファーストライン治療に取り組むDANUBE試験にて、ドゥルバルマブの潜在力を今後も追求していきたいと思います。」

ドゥルバルマブ10mg/kgを最大12カ月にわたって2週毎に静脈内投与したところ、全患者(n=61)で管理可能な安全性プロファイルを示しました1。患者の5%以上で最も頻度が高いと報告された有害事象(すべてグレード1ないし2)には、疲労(13%)、下痢(10%)、食欲減退(8%)、関節痛(7%)、無力症(7%)、吐き気(7%)、発熱(7%)があります1。3人の患者がグレード3の治療関連有害事象(急性腎損傷1人、注入に伴う反応1人、腫瘍フレア1人)を経験しました1

フランス・ビルジュイフのグスタフ・ルーシー研究所で早期臨床試験責任者を務めるクリストフ・マサード医師は、次のように述べています。「これらの肯定的な中間データは膀胱がん治療におけるドゥルバルマブの臨床効果と安全性プロファイルを一貫して支持しており、膨大な未充足ニーズを抱える患者集団のための画期的治療薬候補としてのドゥルバルマブの立場を固めるものです。」

*PD-L1高発現は、Ventana SP263診断アッセイを使用して評価した場合に、腫瘍細胞ないし免疫細胞における25%以上のPD-L1染色として定義されます1

米国食品医薬品局は2016年、PD-L1陽性の手術不能/転移性UBCの患者のための治療薬候補として、ドゥルバルマブを画期的治療薬に指定しました。ドゥルバルマブは、単剤療法およびトレメリムマブとの併用療法にて、非小細胞肺がん(NSCLC)、頭頸部がん、膀胱がん、胃がん、すい臓がん、肝細胞がん(HCC)、血液がんの治療薬としても研究されており、種々の腫瘍型3,4の臨床試験19件に7000人以上の患者が参加するアストラゼネカの後期腫瘍免疫療法プログラムの支柱となっています。

*PD-L1高発現は、Ventana SP263診断アッセイを使用して評価した場合に、腫瘍細胞ないし免疫細胞における25%以上のPD-L1染色として定義されます1

– 以上 –

編集者への注記

ドゥルバルマブについて

ドゥルバルマブはプログラム細胞死リガンド1(PD-L1)に作用する治験用ヒトモノクローナル抗体です5。PD-L1発現により、細胞傷害性Tリンパ球上のPD-1に結合することで、腫瘍は免疫系による発見から逃れることができます5,6。ドゥルバルマブはPD-L1がT細胞上のPD-1およびCD80の両方と相互作用できないようブロックすることで、腫瘍による免疫回避戦術に対抗します5。ドゥルバルマブは患者の免疫系ががんを攻撃できるよう活性化するためのその他の免疫療法と並行して開発されています。ドゥルバルマブは、単剤療法およびトレメリムマブとの併用療法にて、NSCLC、膀胱がん、頭頸部がん、胃がん、すい臓がん、HCC、血液がんの広範な臨床試験プログラムで検討中です4。ドゥルバルマブは2015年にPD-L1陽性の転移性SCCHNの患者を治療するためファストトラック指定を受け7、2016年にはPD-L1陽性の手術不能/転移性尿路上皮膀胱がんの患者のための治療薬候補として、米国食品医薬品局から画期的治療薬に指定されました2

アストラゼネカによる腫瘍免疫療法について

腫瘍免疫療法は腫瘍を攻撃する人体の免疫系を活性化するための治療手法です8,9,10。アストラゼネカとバイオ医薬品研究開発部門のメディミューンにおいて、当社の腫瘍免疫療法ポートフォリオは、抗腫瘍免疫抑制に対抗するようデザインされた免疫療法剤によって支えられています5,11。当社は腫瘍免疫療法が圧倒的多数の患者にとって人生を変えるような抗がん治療となる可能性をもたらすと確信しています。

当社は包括的な臨床試験プログラムとして、患者にとって最高の治療パスを決定するための意思決定ツールとしてのバイオマーカーにPD-L1を使用しながら、数多くの腫瘍型・病期・治療ライン3において、ドゥルバルマブ(PD-L1)の単剤療法やドゥルバルマブとトレメリムマブ(CTLA-4)の併用療法を含むプログラムを追求しています。さらに当社の腫瘍免疫療法ポートフォリオを当社のオンコロジーパイプラインにある標的小分子や当社提携先のそれらと組み合わせる能力により、広範な腫瘍において新たな治療選択肢が実現する可能性があります。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について

アストラゼネカはオンコロジー領域で歴史に深く根差す伝統を誇り、その急成長中の新薬ポートフォリオは患者の生活と当社の将来に変革をもたらし得るものです。当社は2014年から2020年にかけて最低6種類の新薬の発売を予定し、開発段階の低分子・バイオ医薬品の広範なパイプラインを保有しており、肺がん・卵巣がん・乳がん・血液がんに傾注するアストラゼネカの6つの成長基盤の1つとして、「新しいオンコロジー」(New Oncology)を前進させることに真剣な努力を傾けています。当社は中核的能力に加え、血液科領域におけるAcerta Pharmaへの投資で具体的に示されるように、当社戦略の実現を加速する革新的な提携および投資を積極的に追求しています。

アストラゼネカは、腫瘍免疫療法、腫瘍ドライバー遺伝子と耐性、DNA損傷修復、抗体薬物複合体の4つの科学的基盤の力を活用し、個別化併用療法の開発を支持することで、がん治療のあり方を塗り替えて、将来的に死因としてのがんを撲滅することをビジョンとしています。

メディミューンについて

メディミューンはアストラゼネカのグローバルなバイオ医薬品研究開発部門であり、イノベーション志向のグローバルなバイオ医薬品企業であるアストラゼネカは低分子および処方バイオ医薬品の創薬・開発・商業化に傾注しています。メディミューンは革新的な研究を先駆的に進めており、腫瘍、呼吸器疾患、炎症、自己免疫疾患、心血管疾患および代謝性疾患、感染症およびワクチンを含む重要な治療領域において、新規治療経路の開拓に取り組んでいます。メディミューンの本社は、アストラゼネカの3つのグローバル研究開発拠点の1つとして、米国メリーランド州ゲイザースバーグにあり、英国ケンブリッジ、米国カリフォルニア州マウンテンビューにも施設を構えています。詳細情報についてはwww.medimmune.comをご覧ください。

アストラゼネカについて

アストラゼネカは、イノベーション指向のグローバルなバイオ医薬品企業として、主として呼吸器・炎症・自己免疫疾患(RIA)、心血管・代謝疾患(CVMD)、腫瘍という3つの重点治療領域の疾患に加え、感染・神経疾患の治療のための処方薬の創薬・開発・商業化に傾注しています。アストラゼネカは世界100カ国以上で事業を展開し、その革新的医薬品は世界で数百万人の患者さんに使用されています。詳細情報については、www.astrazeneca.comをご覧ください。

References

1 Massard C et al. Safety and Efficacy of Durvalumab (MEDI4736), an Anti-PD-L1 Immune Checkpoint Inhibitor, in Patients with Advanced Urothelial Bladder Cancer. Accepted Manuscript. To be published June 2016.

2 AstraZeneca. Durvalumab granted Breakthrough Therapy Designation by US FDA for treatment of patients with PD-L1 positive urothelial bladder cancer. 17 February 2016. Available at https://www.astrazeneca.com/media-centre/press-releases/2016/Durvalumab-granted-Breakthrough- Therapy-designation-by-US-FDA-for-treatment-of-patients-with-PD-L1-positive-urothelial-bladder-cancer-17022016.html. Accessed May 2016.

3 AstraZeneca. Data on File. Q1 2016 Immuno-oncology Update: Clinical Trials Appendix. 2016

4 AstraZeneca. Durvalumab ATLANTIC trial supports clinical activity and AstraZeneca’s overall immuno-oncology strategy. 18 December 2015. Available at https://www.astrazeneca.com/media-centre/press-releases/2015/Durvalumab-ATLANTIC-trial-supports-clinical-activity-and-AstraZenecas-overall-immuno-oncology-strategy.html. Accessed May 2016.

5 Stewart R et al. Identification and Characterization of MEDI4736, an Antagonistic Anti–PD-L1 Monoclonal Antibody. Cancer Immunol Res; 2015. Published OnlineFirst May 5, 2015; doi: 10.1158/2326-6066

6 Patel SP and R Kurzrock. PD-L1 Expression as a Predictive Biomarker in Cancer Immunotherapy. Mol Cancer Ther 2015; 14:847-856. Published OnlineFirst February 18, 2015.

7 AstraZeneca. AstraZeneca reports top-line result of tremelimumab monotherapy trial in mesothelioma. 29 February 2016. Available at https://www.astrazeneca.com/media-centre/press -releases/2016/astrazeneca-reports-top-line -result-of-tremelimumab-monotherapy-trial-in -mesothelioma-29022016.html. Accessed May 2016.

8 Eggermont E & Finn O. Advances in immuno-oncology. Annals of Oncology 23 (Supplement 8): viii5, 2012. doi: 10.1093/annonc/mds255

9 Finn OJ. Immuno-oncology: understanding the function and dysfunction of the immune system in cancer. Annals of Oncology 23(Supplement 8): viii6-viii9, 2012. doi: 10.1093/annonc/mds256

10 Melero I et al. Clinical Development of Immunostimulatory Monoclonal Antibodies and Opportunities for Combination. Clin Cancer Res 2013;19:997-1008.

11 Bograd AJ et al. Immune responses and immunotherapeutic interventions in malignant pleural mesothelioma. Cancer Immunol Immunother. 2011 Nov;60(11):1509-27.

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