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遺伝子組み換え作物が2014年に継続的拡大とメリットを実現、世界の作付面積は600万ヘクタール増加

2015年02月02日 PM09:02
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中国・北京

遺伝子組み換え作物の世界の作付面積は、2014年に2013年から600万ヘクタール以上増加し、1億8150万ヘクタールという新記録を達成しました。これは、国際アグリバイオ事業団(ISAAA)が本日発表した報告書によるものです。昨年はバングラデシュが加わり、計28カ国が遺伝子組み換え作物を栽培しました。遺伝子組み換え作物を生産する発展途上20カ国と先進8カ国で、世界人口の60パーセント以上を占めています。

ISAAA創設者でこの報告書の執筆者のクライブ・ジェームズは、次のように述べています。「1996~2014年に積み上げられた遺伝子組み換え作物の作付面積は、中国の総面積の約1.8倍に相当します。世界の作付面積は、遺伝子組み換え作物の最初の作付けから100倍以上に増加しています。」

1996年以来、10種類以上の食糧・繊維用の遺伝子組み換え作物が承認され、世界中で商業化されています。これらは、トウモロコシ、大豆、綿花などの主要商品からパパイヤやナス、そして直近ではジャガイモといった果物・野菜にまで及びます。これらの作物の特性は、乾燥耐性、虫害・病害抵抗性、除草剤耐性、栄養・食品品質強化など、消費者の作物メリットと農家の生産率に影響を与える共通課題に対処するものです。遺伝子組み換え作物は、より持続可能な作物生産システムに貢献し、気候変動の課題への弾力的な対応を実現します。

報告書によれば、米国は7310万ヘクタールで継続して生産をリードしています。2013年から300万ヘクタール増(4パーセント増)を実現した米国は、過去5年間に最高の年間増加率を記録してきたブラジルを抜いて最高の前年比増を記録しました。

報告書では、世界中のリスクを嫌い資源の乏しい小規模農家の収入を増やすことによる貧困と飢餓の緩和など、バイオ技術の主要なメリットも強調されています。1996~2013年に関する最新の世界の暫定情報では、遺伝子組み換え作物の生産増は1330億米ドルに相当し、1996~2012年の農薬使用は大幅に減少して有効成分約5億キログラムが節約されたことも示されました。2013年だけで、作物の作付けによって減少した二酸化炭素排出量は、道路から車両1240万台を1年間排除した量に相当します。

これらの調査結果は、ドイツの経済学者KlumperとQaimが実施した厳密なメタ分析(2014年)と一致しています。この分析は、遺伝子組み換え技術により、1995~2014年の20年間に平均で化学農薬の使用が37パーセント減少し、収穫量が22パーセント増加し、農家の利益が68パーセント増加したと結論付けています。

バングラデシュ:成功に向けたモデル

世界最小の貧困国の1つであるバングラデシュでは、2013年10月にBtブリンジャル(ナス)が承認されました。それから100日も経たない2014年1月に承認後の商業化が始まり、120軒の農家が12ヘクタールに年間を通じてこの作物を植えました。Btブリンジャル(ナス)は、バングラデシュの貧しい農家に金銭的機会をもたらすだけでなく、農民が食用作物用の農薬に曝される率も大幅に減少(70~90パーセント減)させます。

ジェームズは、次のように述べています。「バングラデシュでBtブリンジャルが適時に承認・商業化されたことは、政治的意思と政府支援の力を物語っています。これは、その他の貧しい小国が遺伝子組み換え作物のメリットを迅速に導入するための成功モデルの基礎となるものです。」

2014年のバングラデシュの事例は、官民連携の価値と成功を再確認するものです。バングラデシュで最も栄養価が高く重要な野菜の1つであるナスのBtバイオ技術特性は、インド企業のMahycoが無償提供しました。

ジェームズは、次のように述べています。「官民連携は、承認された遺伝子組み換え作物の時宜を得た提供の可能性を農場レベルで継続して増大させます。そうした連携が今後数年間も不可欠でしょう。」

アフリカ向け水有効利用トウモロコシ(WEMA)プロジェクトは、進行中の官民連携のもう1つの例です。2017年から、一部のアフリカ諸国に乾燥耐性を持つ初の遺伝子組み換えトウモロコシを提供する予定です。トウモロコシは、アフリカの3億人以上の貧しい人々が依存する主食です。この無償提供されるバイオ技術特性は、米国で使用されているDroughtGard™品種と同じもので、その作付面積は2013~2014年に5.5倍に増加しています。これは、遺伝子組み換えの乾燥耐性トウモロコシに対する農家の強力な支持を実証しています。

新たな承認で消費者の懸念に対応

米国では、2014年11月にイネイト(Innate™)ジャガイモが承認されました。イネイト・ジャガイモは、ジャガイモを高温で調理した際に発生する潜在性発がん物質のアクリルアミドを減少させます。さらに、最大40パーセントの収量減となるものの、このジャガイモは皮をむいても変色せず傷も少ないため、消費者の満足度は向上します。2050年で96億人、2100年で約110億人の食糧確保を議論する上で食品廃棄は引き続き重要な要素であるため、これらの特性は食糧安全保障に意味ある影響を与えるでしょう。

ジャガイモは世界で4番目に重要な主食です。そのため、ジャガイモを改良し、病気、害虫、雑草、その他の制約による収量減と闘う努力が続けられています。

遺伝子組み換えを利用した真菌性葉枯れ病(世界最大のジャガイモの病気)への対策は、バングラデシュ、インド、インドネシアで既に実地試験が行われています。葉枯れ病は1845年のアイルランド飢饉の原因となり、これにより100万人が死亡しました。遺伝子組み換えによるウイルス病とコロラドハムシ(最大の害虫)への対策は既に利用可能ですが、まだ採用されていません。

アジアでの遺伝子組み換え作物の状況

アジアでは、中国とインドが遺伝子組み換え作物の栽培で引き続き発展途上国をリードしています。2014年の作付面積は、それぞれ390万ヘクタールと1160万ヘクタールでした。

中国での遺伝子組み換え綿花の普及率は、2014年に90パーセントから93パーセントに増加しました。一方で、ウイルス抵抗性を持つパパイヤの作付けは約50パーセント増加しました。中国の700万軒以上の小規模農家は、遺伝子組み換え作物から継続して恩恵を受けています。利用可能な最新の経済データによれば、中国の農家は1996年にバイオ技術が導入されて以来162億米ドルを得ています。

報告書によれば、インドはBt綿花を1160万ヘクタールに作付けして新記録を達成しました。普及率は95パーセントです。英国の経済学者BrookesとBarfootの推計によれば、インドは2013年だけでBt綿花による農業所得を21億米ドル増加させました。

発展途上国のベトナムとインドネシアでは、遺伝子組み換え作物の商業化が承認され、2015年から開始されます。これには、ベトナムでの輸入・作付け用遺伝子組み換えトウモロコシのいくつかのハイブリッド種と、インドネシアでの食用作付け用の乾燥耐性サトウキビが含まれます。

アフリカと中南米で成長が継続

2014年に270万ヘクタールに作付けした南アフリカは、アフリカで遺伝子組み換え作物を栽培する発展途上国としてトップの座を占めています。スーダンでは、2014年にBt綿花の作付面積が約50パーセント増加し、カメルーン、エジプト、ガーナ、ケニア、マラウイ、ナイジェリア、ウガンダなどいくつかのアフリカ諸国では、食用の米、トウモロコシ、小麦、モロコシ、バナナ、キャッサバ、サツマイモを含むいくつかの貧困対策作物の実地試験を実施しました。これらの作物は、新たな気候変動の課題を前にして弾力性と持続可能性に貢献できます。

中南米では、2014年の遺伝子組み換え作物の作付面積で、米国に次いでブラジルが第2位になりました。4220万ヘクタールは、2013年から5パーセント増です。

遺伝子組み換え作物は食糧安全保障、持続可能性、環境に影響

1996~2013年に、遺伝子組み換え作物は作物生産を暫定数値で1330億米ドル相当増加させ、1650万軒以上の小規模農家とその家族の貧困軽減を支えました。全体で6500万人以上に及ぶこの人々は、世界で最も貧しい層に属します。また、農薬使用を低減し、土地の節約を向上させ、二酸化炭素排出量を低減することにより食糧・繊維生産の環境影響を減少させました。

1996~2013年に追加的に生産された遺伝子組み換え作物による4億4100万トンの食糧、飼料、繊維がもし生産されなかったとすれば、同じトン数の通常作物を生産するために追加として1億3200万ヘクタールが必要となったはずです。これに要した作付面積の増加は、耕地面積の必要性増大により生物多様性と環境にマイナスの影響を与えた可能性があります(BrooksとBarfoot)。

主な数字

  • 米国は7310万ヘクタールで引き続きトップの座を占める。前年比4パーセント増は300万ヘクタールに相当。
  • ブラジルは6年連続で第2位にランク。2013年から作付面積が190万ヘクタール増加。
  • アルゼンチンは2430万ヘクタールで第3位を維持。
  • インドとカナダはともに1160万ヘクタールの新記録を達成。インドの遺伝子組み換え綿花の普及率は95パーセント。カナダではキャノーラと大豆の作付面積が大幅に増加。

詳細情報とエグゼクティブ・サマリーは、www.isaaa.orgをご覧ください。

ISAAAについて:

国際アグリバイオ事業団(ISAAA)は、知識と作物バイオ技術の適用を共有することで、飢餓と貧困の緩和に貢献するよう設置されたセンターの国際的ネットワークを持つ非営利団体です。ISAAA名誉会長で創設者のクライブ・ジェームズは、過去30年間にわたってアジア、中南米、アフリカの発展途上国で居住または仕事の拠点を置き、作物バイオ技術と世界の食糧安全保障に焦点を当てつつ農業の研究開発課題に注力してきました。

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