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「ABILIFY MAINTENA®」(エビリファイ メンテナ)米国で統合失調症の急性期試験データを添付文書に追加

2014年12月07日 AM11:06
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東京とコペンハーゲン

(ビジネスワイヤ) –大塚製薬株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:岩本太郎、以下「大塚製薬」)とH.ルンドベックA/S(本社:デンマーク、コペンハーゲン、取締役会議長:ホーカン  ビョークルン、以下「ルンドベック社」)は、急性期統合失調症患者さんを対象とした臨床試験の結果により、持続性懸濁注射剤である「Abilify Maintena®」(エビリファイ メンテナ)(一般名:アリピプラゾール)の米国添付文書に、急性期試験データを追加することを米国食品医薬品局(FDA)と合意しました(米国時間:12月5日)。12週間実施された二重盲検ランダム化試験では、「Abilify Maintena」(エビリファイ メンテナ)は最初の2週間、経口のアリピプラゾールと併用投与され、統合失調症の急性期の患者さんの症状、忍容性、安全性を有意に改善しました1。本試験のデータは、「The Journal of Clinical Psychiatry」誌11月号に掲載されています2

「Abilify Maintena」(エビリファイ メンテナ)は、統合失調症の患者さんを対象に実施されたプラセボ対照ランダム化維持療法の試験で有効性が確認され、統合失調症の治療に筋注投与する非定型抗精神病薬として、2013年2月に米国食品医薬品局(FDA)より新薬承認を取得しました。この効果は、経口の「エビリファイ」の試験成績と同等のものでした1,3

ズッカー・ヒルサイド病院精神科学部長、およびノースショア ロングアイランドジューイッシュ医療システム 行動保健サービスのバイス・プレジデントを務めるジョン・M・ケイン先生は「再発ともいわれる精神病症状の急性増悪は、統合失調症を管理するうえでたいへん重要なものです。抗精神病薬が奏功しなくなったり、服用そのものを中断してしまったりすることで再発することもあります。今回の試験のデータをふまえ添付文書が改定されたことは、急性期における『Abilify Maintena』(エビリファイ メンテナ)の有用性を裏付け、統合失調症の初期治療・継続治療の新たな選択肢を与えるものです」と述べています。 

試験結果の概要

急性増悪期の統合失調症に対する「Abilify Maintena」(エビリファイ メンテナ)の有効性は、急性期の成人患者さんを対象に12週間にわたって実施された多施設プラセボ対照ランダム化試験で確認されました。精神症状の主要評価には、「PANSS(Positive and Negative Syndrome Scale)陽性・陰性症状評価尺度」を使用しました。PANSSは30項目で構成される尺度で、10週間の治療期間にわたって実施し、「1」を「なし」、「7」を「最重度」とする7段階で統合失調症の陽性・陰性症状および全般的な精神病理状態を評価します。臨床試験に登録した患者さんはすべて、統合失調症のDSM-IV-TR基準を満たし、PANSSの総合点が80点以上かつPANSSの点数が4つの各精神症状(概念の統合障害、幻覚による行動、猜疑心/被害妄想、不自然な思考内容)で4点以上に当てはまる急性精神症状を発症した入院患者さんでした1

合計339人の患者さんを対象に、「Abilify Maintena」(エビリファイ メンテナ)400mgまたはプラセボを投与する二重盲検試験を実施し、10週間の治療を完了したのは64.3%(Abilify Maintena、n=167)、49.4%(プラセボ、n=172)でした。主要有効性評価項目はPANSS総合点の前値から10週間後の変化で有意に改善しました(-26.8、プラセボ-11.7; p<0.0001)。この統計的な改善効果は1週目から12週までの間でみられました。主な副次有効性評価項目は臨床全般印象評価尺度(CGIS)点数の前値からの変化とし、「Abilify Maintena」(エビリファイ メンテナ)400mg群がこのCGIS点数でプラセボ群より優位に改善しました(-1.4、 0.6; P<0.0001)1,2

本試験における「Abilify Maintena」(エビリファイ メンテナ)の全般的な安全性および忍容性の結果は、先行の二重盲検のフェーズ3試験の結果と概ね一致していました4,5。中断の主な理由は、「Abilify Maintena」(エビリファイ メンテナ)群では同意の撤回(19%、プラセボ群9%)、プラセボ群では効果なし(29%、Abilify Maintena7%)でした。主な有害事象(5%以上かつプラセボ群比2倍以上の頻度)は、体重増加(16.8%、7.0%)、アカシジア(11.4%、3.5%)、および注射部位の痛み(5%、1%)でした1

「Abilify Maintena」(エビリファイ メンテナ)(一般名:アリピプラゾール)について

「Abilify Maintena」(エビリファイ メンテナ)(アリピプラゾール月1回投与)は、ドパミンD2受容体パーシャルアゴニストで初めてで唯一の月1回投与の持続性注射剤です。米国では統合失調症の治療薬として、欧州の数カ国では経口剤のエビリファイを服用して症状が安定している成人統合失調症患者さんの維持療法を適応として承認されています。カナダでは症状が安定している成人統合失調症患者さんの維持療法、オーストリアでは統合失調症の症状改善維持療法を適応として承認されています。

非定型抗精神病薬「Abilify Maintena」(エビリファイ メンテナ)は、アリピプラゾールの筋注用デポ製剤です。注射用水で用時調製することで、注射可能な懸濁液となる月1回投与の無菌の凍結乾燥製剤です。「Abilify Maintena」(エビリファイ メンテナ)の初回注射する場合は最初の2週間は抗精神病薬の経口剤を併用し、その後「Abilify Maintena」(エビリファイ メンテナ)を注射することで1カ月間効果が持続します。これにより、統合失調症の管理で考慮すべき重要事項の1つである再発リスクの低減、すなわち症状再増悪の治療選択肢となります。抗精神病薬のデポ製剤は、長期にわたり薬剤の血中濃度を治療域に保ち、再発を予防するというベネフィットを患者さんに提供します2,4

References:

1. Prescribing Information. ABILIFY MAINTENA® (aripiprazole) for extended-release injectable suspension, for intramuscular use. December 2014.

2. Kane J., et al.Aripiprazole Once-Monthly in the Acute Treatment of Schizophrenia:Findings From a 12-Week, Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Study.Journal of Clinical Psychiatry.2014.

3. Drug Approval Reports.U.S. Food and Drug Administration (FDA).2013.Available at:http://www.accessdata.fda.gov/scripts/cder/drugsatfda/index.cfm?fuseaction=Reports.MonthlyApprovalsAll.Accessed November 11, 2014.

4. Kane J., et al.Aripiprazole Intramuscular Depot as Maintenance Treatment in Patients With Schizophrenia:A 52-Week, Multicenter, Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Study.Journal of Clinical Psychiatry.2012; 73:617-624.

5. Fleischhacker W., et al. Aripiprazole Once-Monthly for the Treatment of Schizophrenia: A Double-Blind, Randomized, Non-Inferiority Study vs. Oral aripiprazole. The British Journal of Psychiatry. 2014; 205:135-144.

会社概要

大塚製薬株式会社 (Otsuka Pharmaceutical Co., Ltd.)

設立   1964年8月10日
資本金 200億円
代表者 代表取締役社長 岩本太郎 (いわもと たろう)
本社所在地 〒101-8535 東京都千代田区神田司町2丁目9番地
従業員数 世界では約28,700名(非連結を含む)(2014年3月31日現在) 
事業内容   医薬品・臨床検査・医療機器・食料品・化粧品の製造、製造販売、販売、輸出並びに輸入
 

H. ルンドベック A/S (H. Lundbeck A/S)

設立   1915年
代表者 取締役会議長 ホーカン ビョークルン
所在地 Ottiliavej 9, DK-2500 Valby, Copenhagen, Denmark
従業員数   約6,000名(連結)
 

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大塚製薬株式会社 広報部
TEL: 03-6361-7379(直) 
FAX: 03-6717-1479
URL: http://www.otsuka.co.jp/

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