医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

再発性/難治性の全身性軽鎖アミロイドーシスの治療で、武田薬品の経口治験薬となるプロテアソーム阻害薬ixazomibが米FDAから画期的新薬の指定を受ける

2014年12月03日 AM12:34
このエントリーをはてなブックマークに追加


 

米マサチューセッツ州ケンブリッジ & 大阪

— (ビジネスワイヤ) — 武田薬品工業株式会社(TSE:4502)は本日、米食品医薬品局(FDA)が当社の経口治験薬となるプロテアソーム阻害薬ixazomib(MLN9708)に画期的新薬ステータスを付与したと発表しました。本阻害薬は、再発性/難治性の全身性軽鎖(AL)アミロイドーシスの治療に使用されます。これはALアミロイドーシス治療のプロテアソーム阻害薬および治験薬として画期的新薬の指定を受ける初の例となります。

この適応症でのixazomibの開発プログラムは第1相から第3相臨床試験TOURMALINE-AL1へと直接進んでおり、現在は再発性/難治性のALアミロイドーシスの患者を対象にixazomibとデキサメタゾンの併用療法を検討しています。これは再発性/難治性のALアミロイドーシスの第3相試験として唯一のもので、世界規模で患者募集が行われているところです。

画期的新薬の指定は重篤疾患や致死的疾患を治療するための新薬の開発と審査を迅速化することが狙いです。画期的新薬の指定では、臨床的に意義のある(複数の)評価項目において、入手可能な治療薬と比べ大きな改善を実証し得る医薬品であることを示す予備的臨床証拠が必要となります。今回の指定を支えるために使用されたデータは、2014年12月6~9日にサンフランシスコで開催される米国血液学会(ASH)年次大会で発表されます[Abstract 3450: Long-Term Outcome of a Phase 1 Study of the Investigational Oral Proteasome Inhibitor (PI) Ixazomib at the Recommended Phase 3 Dose (RP3D) in Patients (Pts) with Relapsed or Refractory Systemic Light-Chain (AL) Amyloidosis (RRAL)]。

タフツ大学メディカルスクールで血液バンク・幹細胞処理ラボ所長を務めるRaymond L. Comenzo教授(M.D.)は、次のように述べています。「ALアミロイドーシスの患者は多くの臓器や組織を侵す衰弱性疾患に対峙しています。ixazomibに対する画期的新薬の指定は、この希少な侵攻性疾患と闘う患者にとっての新たな治療選択肢を開発する上で、大きな節目となる成果です。私たちは再発性/難治性のALアミロイドーシスの患者の治療においてixazomibの使用を評価した肯定的な中間データに気をよくしています。」

パヴィア大学の全身性アミロイドーシス研究・治療センター所長を務めるジャンパオロ・メルリーニ教授は、次のように述べています。「ixazomibは相当の前治療暦があるこれらALアミロイドーシス患者のほとんどで活性と臓器の改善を示す画期的医薬品です。」

ALアミロイドーシスはタンパク質の誤った折り畳みによる希少な侵攻性疾患で、米国での年間診断例は3000例未満となっています。身体の臓器と組織にアミロイドが沈着するという特徴を持っています。ALアミロイドーシスは患者によって種々の臓器を侵しますが、心臓・腎臓・肝臓・脾臓・神経系・消化管を侵す場合が多くあります。米国を含む世界でALアミロイドーシスの治療薬として承認されたものはなく、未充足の大きな医療ニーズとなっています。

武田薬品Oncology Therapeutic Area UnitのヘッドであるMichael Vasconcelles(M.D.)は、次のように述べています。「この画期的新薬の指定はまた、従来は研究開発の中心にはなかった症状にプロテアソーム阻害薬の適応を拡大させるという、当社のオンコロジー開発プログラムと取り組みの意義を認めている点で重要です。私たちは、このプログラムに参加して、この節目となる成果を実現させた患者、治験責任医師、試験施設に謝意を表したいと思います。」

画期的新薬ステータスの付与を受けた化合物については、効率的な医薬品開発プログラムについてより徹底的なFDAガイダンスを受け、当局上級職員の関与拡大にあずかることができます。

ixazomibについて

ixazomibは経口治験薬としてのプロテアソーム阻害薬で、多発性骨髄腫(MM)、全身性軽鎖(AL)アミロイドーシス、その他の悪性腫瘍を対象に研究されています。ixazomibは2011年に米国および欧州の両方でMMを対象とする希少薬指定を、2012年に米国および欧州の両方でALアミロイドーシスを対象とする希少薬指定を受けています。経口プロテアソーム阻害薬として初めて第3相臨床試験に入っている医薬品です。4件の世界的な第3相試験が進行中で、TOURMALINE-MM1では再発性もしくは難治性のMMまたは再発性・難治性のMMを対象にレナリドミドおよびデキサメタゾンとの併用でixazomibとプラセボを比較検討しています。TOURMALINE-AL1では再発性/難治性のALアミロイドーシス患者を対象にixazomibおよびデキサメタゾンの併用を検討しています。TOURMALINE-MM2では新規にMMと診断された患者を対象にレナリドミドおよびデキサメタゾンとの併用でixazomibとプラセボを比較検討しています。TOURMALINE-MM3では導入療法と自家幹細胞移植の後で新規にMMと診断された患者を対象に維持療法としてixazomibとプラセボを比較検討しています。進行中の第3相試験の詳細情報についてはwww.tourmalinetrials.comwww.clinicaltrials.govをご覧ください。

アミロイドーシスについて

アミロイドーシスは、身体の抗体産生細胞が適切に機能せず、アミロイドとして知られる異常なたんぱく繊維を産生する疾患です。このアミロイドは身体のあらゆる臓器に沈着します。こうした理由から、アミロイドーシスは人によって影響が異なります。種々のタイプのアミロイドーシスがあり、一部は遺伝性です。軽鎖/原発性/全身性アミロイドーシスとしても知られるALアミロイドーシスは最も一般的なタイプです。ALアミロイドーシスによって侵される頻度が最も高いのが腎臓と心臓です。ただし、肝臓・神経系・軟組織を含め、他のほとんどの組織も侵されます。

武田薬品工業株式会社について

日本の大阪を拠点とする武田薬品は研究を基礎に据える世界的企業として、医薬品に力点を置いています。日本最大の製薬企業であり、業界の世界的リーダー企業の一角を占める武田薬品は、医薬品の革新をリードすることで世界中の人々の健康改善に真剣な努力を傾けています。武田薬品の詳細情報については、企業ウェブサイト(www.takeda.com)をご覧ください。

本記者発表文の公式バージョンはオリジナル言語版です。翻訳言語版は、読者の便宜を図る目的で提供されたものであり、法的効力を持ちません。翻訳言語版を資料としてご利用になる際には、法的効力を有する唯一のバージョンであるオリジナル言語版と照らし合わせて頂くようお願い致します。

CONTACT

Takeda Pharmaceutical Company Limited
Elizabeth Pingpank,
+1-617-444-1495
elizabeth.pingpank@takeda.com
または
Corporate
Communications Dept. (PR/IR), +81-3-3278-2037

同じカテゴリーの記事 

  • Kolmar Korea Wins Case Against Italian Cosmetics Maker Intercos for Suncare Technology Theft
  • 大手CDMOのPCIファーマ・サービシズが初の包括ESG報告書を発表
  • Aurion Biotech Announces First Canadian Subject Dosed in Phase 1 / 2 Clinical Trial
  • 领先的合同开发和制造组织PCI Pharma Services发布首份综合ESG报告
  • EverEx Secures iF Design Award for “MORA,” a Leading Musculoskeletal Rehabilitation Solution