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MSDが2型糖尿病治験薬の週1回投与型DPP-4阻害薬オマリグリプチンの日本人患者における初の第3相データを発表

2014年09月19日 PM05:32
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ウィーン

(ビジネスワイヤ) — 米国とカナダではメルク(NYSE:MRK)として知られるMSDは本日、オマリグリプチンの第3相臨床開発プログラムから得た最初のデータについて、プレゼンテーションを行ったと発表しました。MSDの治験薬オマリグリプチンは2型糖尿病治療薬としての週1回投与型DPP-4阻害薬です。とした試験で、オマリグリプチンはMSDの1日1回投与型DPP-4阻害薬ジャヌビア(JANUVIA®)(シタグリプチン)50 mgと同等の有効性および忍容性を示しました。50 mgは日本におけるシタグリプチンの標準的な開始用量です1。MSDは第50回欧州糖尿病学会(EASD)年次総会の口頭セッションで、オマリグリプチンに関するこれらのデータとして、持続的なDPP-4阻害をもたらす点を発表しました。

メルク・リサーチ・ラボラトリーズの糖尿病・内分泌臨床研究担当バイスプレジデントであるピーター・スタイン(M.D.)は、次のように述べています。「近年における糖尿病治療の進歩にもかかわらず、2型糖尿病患者の多くは推奨される血糖値目標を達成していません。MSDは、患者が糖尿病管理の複雑さを低減できるよう、その支援に真剣な努力を傾けています。オマリグリプチンは、承認を取得すれば、週1回型の医薬品として、重要な治療選択肢を新たに提供することで、患者が血糖値目標を達成する上で役立つでしょう。」

MSDは、約8000人の2型糖尿病患者が参加する10件の第3相臨床試験を含むグローバルな臨床開発プログラムにより、オマリグリプチンを支えています。今回のデータは、オマリグリプチンに関して発表された初の第3相データで、日本における申請で中心的な役割を担うデータです。既に発表済みのように、MSDは2014年末までに日本における承認取得に向け、申請を行う計画です。

試験について

この第3相二重盲検非劣性試験は、有効性・安全性・忍容性の点で、オマリグリプチン25 mg週1回投与をシタグリプチン50 mg 1日1回投与(日本における標準開始用量)およびプラセボと比較して評価しました。主要有効性評価項目は24週目におけるHbA1c*値のベースラインからの変化としました。

ランダム化された患者(n=414)のベースラインにおけるHbA1c平均濃度は、オマリグリプチン、シタグリプチン、プラセボの各群でそれぞれ7.9、8.0、8.1パーセントでした。平均空腹時血漿血糖値(FPG)値も、治療群間で同等でした。

試験の主要目的は達成され、プラセボと比較したHbA1c値の低下は、24週目でベースラインからの有意な変化を示すと同時に、シタグリプチンと同等の有効性を証明しました。

オマリグリプチンは24週目に、プラセボとの比較でHbA1c値をベースラインから-0.80パーセントと有意に低下させました。シタグリプチンと比較した変化量は-0.02パーセントで、あらかじめ設定された非劣性基準を満たしました。あらかじめ設定した基準は、95パーセント信頼区間(CI)の上限に基づき、0.3パーセント未満としました。空腹時と食事2時間後の血糖値も、プラセボと比較してオマリグリプチンとシタグリプチンでベースラインから有意に低下しました。

オマリグリプチンによる有害事象の発生率は、プラセボオおよびシタグリプチンと比較して、有意差が見られませんでした。オマリグリプチン群で3パーセント以上の率で発生した最も一般的な有害事象は鼻咽頭炎で、プラセボ投与群の30.5パーセント、シタグリプチン投与群の11.0パーセントと比較し、12.7パーセントの患者で発生しました。症候性低血糖は本試験のいずれの治療群でもまれでした[オマリグリプチン(0)、シタグリプチン(1)、プラセボ(0)]。オマリグリプチンは体重に対する影響に関して概ね中立で、24週目におけるベースラインからの平均変化量は0.04 kgでした1

ジャヌビア(シタグリプチン)について

ジャヌビア(JANUVIA®)は、食事・運動療法による現状のレジメンで適切な血糖コントロールが得られない場合の2型糖尿病患者が治療を開始するに当たり、単独またはメトフォルミンないしPPARγ作動薬との併用にて、あるいはメトフォルミン、PPARγ作動薬、スルホニル尿素剤、スルホニル尿素剤+メトフォルミン、PPARγ作動薬+メトフォルミンに対する上乗せ療法として、血糖コントロール改善のための食事・運動療法の補助が適応となっています。またジャヌビアはインスリンとの併用(メトフォルミン併用あり/なし)にて血糖コントロール改善のための食事・運動療法の補助としても使用できます。

シタグリプチンに関して特筆すべき重要な安全性情報

ジャヌビアのいずれかの成分に対して過敏症のある患者に本製品使用してはいけません。ジャヌビアを1型糖尿病患者や糖尿病性ケトアシドーシスの治療用に使用してはいけません。

ジャヌビアを投与された患者で、致死性/非致死性の出血性/壊死性膵炎を含む急性膵炎が市販後に報告されています。これらの報告は、規模が不明確な集団により自発的に行われたものであるため、その発生頻度を確実に推定したり、薬物曝露との因果関係を立証したりすることは、一般的に不可能です。患者には、急性膵炎の特徴的な症状、すなわち持続的な重度の腹痛について知らせなければなりません。膵炎の解消がジャヌビア中止後に観察されています。膵炎が疑われる場合、ジャヌビアおよびその他の潜在的に疑わしい医薬品は中止しなければなりません。中等度ないし重度の腎不全患者の場合、あるいは血液透析または腹膜透析を必要とする末期腎疾患患者の場合、用量調節が推奨されます。

他の血糖降下薬と同様に、ジャヌビアを低血糖を引き起こすことが知られている薬物のスルホニル尿素剤またはインスリンと併用した場合、スルホニル尿素剤/インスリン誘導低血糖の発生頻度はプラセボの場合より上昇しました。スルホニル尿素剤/インスリン誘導低血糖のリスクを減らすため、スルホニル尿素剤またはインスリンの用量削減を検討する必要のある場合もあります。

ジャヌビアによる治療を受けた患者で、アナフィラキシー、血管性浮腫、スティーブンス・ジョンソン症候群を含む剥奪性皮膚疾患など、重篤な過敏性反応が市販後に報告されています。これらの反応は、規模が不明確な集団により自発的に報告されたものであるため、その発生頻度を確実に推定したり、薬物曝露との因果関係を立証したりすることは、一般的に不可能です。これらの反応が発生したのは、ジャヌビアによる治療開始から3カ月以内で、一部の報告では最初の投与後に発生しています。過敏性反応が疑われる場合はジャヌビアを中止し、他に考えられる本事象の原因を評価し、糖尿病の代替療法を開始してください。

単独療法および併用療法の臨床試験で、因果関係の評価とは無関係に、患者の5%以上で、プラセボないし実対照薬より多く報告された有害な経験には、低血糖、鼻咽頭炎、上気道感染、頭痛、末梢浮腫が含まれます。

有害な経験の追加情報については、製品パンフレットをご覧ください。

臨床試験において、高齢者(65歳以上)におけるジャヌビアの安全性と有効性は、65歳未満の患者で観察されたものと同等でした。年齢に基づく用量調節は必要ありません。顕著な腎不全の高齢患者では、用量調節が必要な場合があります。

治療開始に先立ち、完全な処方情報を参照ください。

MSDについて

MSDは現在、ヘルスケアのグローバルリーダーとして、世界の健康に貢献する事業を行っています。MSDはMerck & Co., Inc.の商号で、米ニュージャージー州ホワイトハウス・ステーションが本社所在地です。処方薬、ワクチン、生物学的療法、さらにコンシューマーケア製品とアニマルヘルス製品を通じてお客様と協力し、140カ国以上で事業を展開して革新的なヘルスソリューションを提供しています。また広範な施策やプログラム、提携関係を通じ、医療へのアクセスを向上させるというコミットメントを実践しています。詳細についてはwww.msd.comをご覧ください。

将来見通しに関する記述

本プレスリリースは1995年米国民事証券訴訟改革法におけるセーフハーバー条項で定義される意味での「将来見通しに関する記述」を含みます。それらの記述はMSD経営陣の現時点における見解や期待に基づくもので、多くのリスクや不確実性の影響を受けます。パイプライン製品に関しては、これらが必要とされる規制当局の承認を取得するという保証、または商業的に成功するという保証はありません。前提となる仮定が誤っていることが判明した場合、またはリスクや不確実性が現実のものとなった場合、実際の結果はそれら将来見通しに関する記述に記されたものと大きく異なる可能性があります。

リスクや不確実性には一般的な業界の状況と競合、金利や外国為替レートの変動を含む一般的な経済要因、米国および海外における製薬業界規制や医療法令の影響、医療費削減へと向かう世界的傾向、競合他社の技術的進歩・新製品・特許取得、規制当局からの承認取得など新製品開発に固有の問題、将来の市況を正確に予測するMSDの能力、製造における問題や遅延、国際経済における金融不安とソブリンリスク、MSDの特許その他革新的製品に対する保護の効力への依存、特許訴訟を含む訴訟および/または規制措置の対象となる可能性が含まれますが、これらに限定されません。

MSDは新たな情報、将来の出来事、その他の結果として、将来見通しに関するいかなる記述も公式に更新する義務を負いません。実際の結果が将来見通しに関する記述における記載と大きく異なる場合の原因となる可能性のあるその他の要因については、フォーム10-KによるMSD/メルクの2013年度年次報告書、米証券取引委員会(SEC)に提出したその他の書類に掲載されており、これらの書類はSECのインターネットサイト(www.sec.gov)で閲覧できます。

JANUVIA®はMerck & Co., Inc.子会社Merck Sharp & Dohme Corp.の登録商標です。

* HbA1cは2~3カ月の期間における推定平均血糖値。

1 Gantz, I et al. Effect of a novel once weekly DPP-4 inhibitor, omarigliptin in patients with type 2 diabetes: a double-blind, placebo- and sitagliptin-controlled, non-inferiority trial. プレゼンテーション番号115、2014年9月17日の第50回EASD年次総会にて発表。http://www.easd.org/images/easdwebfiles/annualmeeting/50thmeeting/Prog-at-Glance.htmlにて閲覧可能。最終アクセス:2014年9月。

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