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CHMPがベータアミロイドプラークのPETイメージング用ビザミル(フルテメタモールF18注射剤)のEUによる承認を勧告

2014年07月02日 PM02:59
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英チャルフォントセントジャイルズ

— (ビジネスワイヤ) — GEヘルスケアは本日、欧州医薬品庁ヒト用医薬品委員会(CHMP)から肯定的意見を得たと発表しました。意見はビザミル(フルテメタモールF18注射剤)に対する市販承認の付与を勧告するものです。ビザミルは、アルツハイマー病(AD)その他の認知障害の原因に関する評価を受ける認知症成人患者を対象に、脳内ベータアミロイド老人斑密度のポジトロン断層撮影法(PET)を適応とする放射性医薬品です。ビザミルは診断のみを用途とし、臨床評価と組み合わせて使用すべきものです。

GEヘルスケアのライフサイエンス担当プレジデント兼最高経営責任者(CEO)であるKieran Murphyは、次のように述べています。「GEヘルスケアは長年にわたり、ADの病因を早期かつ正確に見つけ出し、患者とケア提供者の生活の質を改善するために真剣な努力を積み重ねていますが、CHMPの肯定的な勧告はこうした取り組みを一層浮き彫りにするものです。欧州連合で承認を取得すれば、ビザミルはADなど認知障害の患者の評価を支える上で、重要なツールとなります。」

ビザミルを使用したPETイメージングは、ADの病理学的生体マーカーの1つである脳内ベータアミロイドの蓄積を検出し、カラー画像による視覚的解釈を可能にします。ビザミルはAD、その他の認知障害の診断を確定させるものではありませんが、臨床評価との組み合わせで便利なツールとなり、将来的には早期診断や介入治療につながる可能性を持っていると考えられます。

アムステルダム自由大学(VU)医療センター認知神経科教授兼アルツハイマーセンター長のPhilip Scheltens教授は、次のように述べています。「ADは未充足の重要な医療ニーズであり、診断ツールの欠如は診断の不確実性と誤った処置のリスクを高めます。承認を受ければ、ビザミルは医師がアルツハイマー病の疑いがある特定の患者を評価するのに役立つと思われます。そして医師が適切な治療選択肢を決めるのに役立ち、患者やケア提供者が将来計画を立てることに貢献し、臨床研究者が臨床試験のための患者を見極める上で支えになるでしょう。」

ビザミルに対するCHMPの肯定的意見は、一連の臨床試験における決定的な裏付けデータの検討に基づいています。これらの試験には数件の第3相脳剖検・生検試験が含まれ、そこでベータアミロイドの病理をstandard of truthとした場合、[18F]フルテメタモールPET画像による視覚的解釈の高い感度と特異度が示されました1,2。2013年10月に米食品医薬品局(FDA)はビザミルに対し、ADまたは認知機能低下の他の原因につき評価を受ける認知障害の成人患者を対象に、ベータアミロイド老人斑の密度推定のためのPETイメージングに使用する医薬品として承認を与えました。

GEヘルスケアは、ビザミルを使用して得た画像を正確に解釈できるよう、米国拠点の医師を対象とする電子読影訓練プログラム(ETP)を開発し、検証を行いました。画像はGEヘルスケアの電子読影訓練プログラムを修了した読影者のみが解釈すべきです。本プログラムは、ビザミルを使用したイメージングの実施と解釈を行いたいと考えている医療専門家に対し、無償で提供される予定です。ビザミルが承認され次第、オンラインおよび対面での訓練が欧州連合諸国で利用可能となります。

イメージング研究に対するGEのコミットメント

GEヘルスケアは現在、試験段階で神経領域の診断ソリューションの広範なポートフォリオを開発中ですが、[18F]フルテメタモールはその一角を占めるものです。GEヘルスケアは包括的アプローチを採用することで、進行中の研究を通じて認知症とADを理解し、その原因、リスク、身体に及ぼす影響を明らかにしています。GEヘルスケアは、PETイメージング剤を製造するためのサイクロトロンや化学システム、患者をスキャンするためのPETやMRスキャナーを含むイメージングリソースの広範なポートフォリオを提供しており、定量化、最適な可視化、レポート作成ツールを提供するための画像分析用ソフトウエアを開発中です。

またGEヘルスケアは製薬業界と連携し、同業界による次世代治療薬の開発を支援しています。その目的のため、当社は業界内の潜在的パートナーと協力し、相手の戦略的ニーズを理解して、治療薬の臨床試験をイメージングで支える支援を行っています。

GEヘルスケアについて

米ゼネラル・エレクトリック(GE)のヘルスケア事業部門であるGEヘルスケアは、次世代の患者ケアをデザインする先端的な医療技術ならびに医療・研究機関向けの各種サービスを提供しています。画像診断やヘルスケアITをはじめ、メディカル・ダイアグノスティクス(体内診断薬)や生体情報モニターから、創薬、バイオ医薬品、ならびに医療機関の経営支援に至るまで、幅広い分野にわたる専門性を生かし、全世界で一人でも多くの人に、より低コストで質の高い医療を提供することを支援しています。また、ヘルスケア分野のリーダーと協力のもと、世界レベルの規制変更を活用し、持続可能なヘルスケアシステムにスムーズに移行することを目指しています。

当社の最新ニュースについては、http://newsroom.gehealthcare.comをご覧ください。

1 Ikonomovic M, Buckley C, Smith A et al. [18F]Flutemetamol injection PET images reflect brain amyloid levels. 2012年アルツハイマー病協会国際会議(AAIC 2012、カナダ・ブリティッシュコロンビア州バンクーバー)で発表されたデータ。

2 Wolk D, Gamez J, Sadowsky C et. al. Brain autopsy and in vivo cortical brain biopsy trials show a strong concordance between [18F]Flutemetamol PET and amyloid-β pathology. 第64回米国神経学会総会(2012年4月21~28日、米ルイジアナ州ニューオーリンズ)におけるポスター発表。

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