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Bluetooth SIGとEHIMAが覚書を締結 補聴器利用者の生活を向上する規格策定へ協業

2014年03月20日 PM04:00
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2014年3月19日
Bluetooth Special Interest Group
European Hearing Instrument Manufacturers Association

ワシントン州カークランド
デンマーク・コペンハーゲン

Bluetooth Special Interest Group (本部:米国ワシントン州カークランド、以下Bluetooth SIG)と欧州補聴器工業会(本部:デンマーク・コペンハーゲン、以下EHIMA)は、補聴器向けの新しいプロファイルを含む規格策定・既存の補聴器の機能改良を目的とした覚書の締結を発表しました。世界最大規模を誇る補聴器メーカーと無線技術団体の提携は、携帯端末を介したステレオ再生やBluetooth(R)無線技術を利用したメディア配信等を可能とする新しい補聴器の開発などを目的としています。

昨今、スマートフォン、音楽プレーヤー、テレビや携帯端末は日々進歩していますが、これら機器に直接接続できる補聴器は極めて少なく、数千万人の聴覚障がい者はそれら技術の発展を享受できていません。ほとんどの聴覚障がい者は、メーカーが提供する補聴器をそのまま使用するだけで、補聴器の設定調整や、新たな機能を追加することができません。Bluetooth技術は多くの消費者が所有する小型機器にすでに広く使われており、Bluetooth技術が補聴器にも加わることで利用者が自分の好みに合わせて高音質を楽しめるようになります。さらに低消費電力で高度な接続性を持つBluetooth(R) スマートは、補聴器のユーザーエクスペリエンスを改善できます。しかし、今日こうしたソリューションの規格化は進んでいません。

EHIMAで事務局長を務めるSoren Hougaardは、次のように述べています。「補聴器が、すべての種類のスマートフォンやマルチメディア機器に接続できることが重要です。そのためには、誰もが導入可能な基準を策定する必要があります。1980年代のビデオテープ業界では、3~5種類のテープ規格とそれぞれに対応する録画再生機器の選択を消費者に迫りましたが、そのような不便さは避けたいのです」。

現在、補聴器が音声信号を受信する唯一の無線規格として、テレコイルがあります。テレコイルは1950年代に策定されましたが、この技術をスマートフォンに実装するのは困難です。さらに、テレコイルに準拠した補聴器向け音声信号を発信する磁気誘導ループの設置件数は国ごとに大きく異なります。その結果、補聴器の使用者は外部の高品質な音声信号を利用しづらくなっています。今日、スマートフォン、携帯端末、PCなどに広く用いられているBluetoothを活用すれば、より多くの補聴器利用者が他の人々と同様に幅広く製品や機会を利用できるようになります。

Bluetooth SIGのエグゼクティブ・ディレクターを務めるマーク・パウエルは、次のように述べています。「Bluetooth技術を用いて人々の生活を改善するだけでなく、卓越した低消費電力のBluetooth スマートによって現在の補聴器機能を改善し、補聴器利用者に全く新しい体験を提供できることを嬉しく思います。EHIMAの協力で、補聴器の技術を個人のモノのインターネットの世界、すなわちBluetoothとBluetooth スマートの技術で、個人向けセンサー機器、スマートフォン、携帯端末、PCなどをすべて補聴器との接続を実現したいと思います」。

BluetoothおよびBluetooth スマートの技術は、聴覚障がい者の機器利用環境を向上させる上で極めて重要です。初期の段階では、既存の機器を改良し、新たに開発する機器でモノラル音声信号やステレオ品質の音楽信号を配信します。携帯電話から発信したり、マルチメディア機器(音楽プレーヤー、ラジオ、テレビ等)でステレオ音声を楽しんだり、公共施設や放送局からの音声配信情報を受信したりする等、さまざまな使い方があります。補聴器は極めて小さな電池を用いる必要があります。こうした困難な電力要件に対応するためにも、新しい補聴器向けプロファイルが開発される必要があります。

Bluetooth SIGとEHIMA会員は補聴器の利用形態に関連する互換性、音声品質、セキュリティ、電源等の要件についてBluetooth技術のさらなる可能性の発掘を追求します。Hearing Aid Working Group(補聴器ワーキンググループ)への参加を希望されるメンバーは、下記のリンクを参照ください。

Hearing Aid Working Group

【Bluetooth(R) 無線技術について】
Bluetooth無線技術は、幅広い電子機器を簡単な操作で接続することができる世界的な無線規格です。Bluetooth スマート技術は、低消費電力を特徴とする更新可能なプラットフォームであり、「接続された世界」を背景に携帯電話、家電、パソコン、自動車、医療と健康、スマートハウスなどの領域で新しい可能性を創出します。20 億を超える年間出荷台数を誇る Bluetooth 技術は、世界中の開発者、製品メーカー、消費者に実証されたワイヤレスソリューションを提供できる唯一の技術です。Bluetooth SIGは、業界をリードする企業を中心に 20,000 を超えるメンバーが参加する団体であり、Bluetooth無線技術でのコラボレーション、技術革新、普及推進に取り組んでいます。詳細については、www.bluetooth.comをご覧ください。

【EHIMAについて】
EHIMA (欧州補聴器工業会) には、ヨーロッパにおける補聴器製造の9割を担う主要な補聴器メーカー6社が参加しています。EHIMAは1985年に設立され、会員はいずれも世界的規模を誇る先進的な補聴器メーカーです。EHIMA会員は補聴器の開発、製造、販売をヨーロッパで行い世界中に輸出しています。

<本件に関する報道関係者からの問い合わせ先>
Bluetooth SIG PRセンター
(株式会社アクティオ内)
TEL:03-5771-6426
担当:有本、増田、本間
e-mail:sig@actioinc.jp

<EHIMA 報道関係者からのお問い合わせ先>
代表:Jan Topholm
TEL:+45 44355600
e-mail:jt@widex.com

Secretary General:Soren Hougaard
TEL:+45 40457135
e-mail:sh@ehima.com

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