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日本人患者を対象にした VS-6063 ( defactinib ) の第1相試験のデータをVerastem社が発表

2014年03月06日 AM07:25
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米国マサチューセッツ州ケンブリッジ

(ビジネスワイヤ) — がん幹細胞の選択的殺傷によるがん治療の薬剤開発を中心に行っているVerastem 社 ( NASDAQ: VSTM ) は本日、日本人患者を対象に行われている VS-6063 ( defactinib ) の第1相試験についてアジア圏初の予備データを発表した。対象にされているのは日本人進行固形がん患者であり、中皮腫患者も1人含まれている。この第一相試験では VS-6063 の薬物動態と安全性の評価が実施された。

「日本人患者を対象とした第1相試験での薬物動態と安全性の評価が米国で行われている同試験と同等である事が分かり、このデータに奨励されました。この研究成果に続いて年内に日本でも COMMAND試験を始める可能性について監督官庁と話し合いが進んでいます。」とVerastem 社の最高医務責任者、Joanna Horobin 氏は語る。Verastem 社の COMMAND 試験とは中皮腫患者を対象にした VS-6063 の安全性、忍容性、薬物動態を検討する無作為化、二重盲検及びプラセボ対照試験であり、現在八ヶ国で行われている。

日本で行われている第1相試験は非盲検の逐次漸増試験であり、9人の患者に VS-6063を一日二回 ( 各投与量200, 400 又は600mg; n=3 ) 単剤投与する。VS-6063はこれらの投与量においてどれも認容性が高い事が明らかになり、深刻な副作用や用量制限毒性も特に見られなかった。フェーズ 2 投与量 ( 400mg BID ) の薬物動態の結果も以前海外で行われた同試験と同等であった。この薬物動態及び安全性の結果から、今後日本での VS-6063 の研究プログラムの発展が見られるであろう。

同研究の主任研究員である近畿大学医学部内科学腫瘍内科部門助教授の清水俊雄氏は「 現在全登録者数に達しており、又VS-6063はどの投与量でも耐容性が高い事が示されました」と語る。また「この研究は全種類の固形腫瘍を対象にしていますが、その中に中皮腫患者が1人います。400mg BID 投与量コホートに登録されているこの患者は今も臨床試験に参加し続け、治療に良い反応を示しており、もう既に治療の7回目サイクルに達しています。現在患者の病気は安定しており、臨床症状の良化も見られています。これらのデータは今後の VS-6063の研究の励みにもなり、米国やヨーロッパと平行して日本での研究を今後も続けて行きたいと思っています。」 と述べた。

発表の詳細とそのダウンロード・リンクについて:

学会: 第12回国際標的癌治療会議 ( 12th International Congress on Targeted Anticancer Therapies )

日時: 2014年3月5日

場所: 米国ワシントンD. C. ( キャピトル・ヒルトンホテル )

摘要題名: Addressing the Drug Lag in Japan: A Phase 1 Study of Defactinib in Japanese Subjects to Facilitate Multiregional Clinical Trials

摘要番号: P6.1

VS-6063 について

VS-6063 ( defactinib ) は接着班キナーゼ(FAK)の阻害によってがん幹細胞を殺傷することを目的とされた経口化合物である。がん幹細胞は腫瘍の化学療法 への耐性、再発、増悪の原因の一つとされている。Verastem 社の Scientific Advisory Board の一員であり共同創設者でもある Robert Weinberg 博士と Verastem 社の研究によって、FAK経路はがん幹細胞の増殖と生存に重要な役割を果たしているということが示されている。VS-6063 について現在海外では、中皮腫に対するCOMMAND試験 ( www.COMMANDmeso.com ) 、パクリタキセルと併用した卵巣癌に対する第1及び1b相試験、進行固形がんを対象とした第1相試験(日本国内で実施)、KRAS 変異型非小細胞肺がんを対象とした第2相試験において研究が進められている。VS-6063 は米国とヨーロッパでの悪性中皮腫患者への使用において、希少疾病用医薬品指定(orphan drug designation)を受けている。

Verastem 社について

Verastem 社 ( NASDAQ: VSTM ) は、がん幹細胞の選択的殺傷によるがん治療の薬剤開発を行っております。がん幹細胞は腫瘍の再発、転移の根底にある原因とされています。 Verastem 社ではがん幹細胞の生存と増殖に必要なシグナル伝達経路(FAK, PI3K/mTOR, Wnt)を阻害する低分子阻害剤を現在開発中です。詳しくはホームページ www.verastem.com をご参照下さい。

将来予想に関する記述

このプレスリリースには当社の戦略、将来の計画と展望、VS-6063 又は defactinib など開発中の化合物に関する記述、 FAK、 PI3K/mTOR そしてその他の一般的な診断プログラム、臨床開発へ向けたタイムライン、化合物の規制上の承認、COMMAND 試験の研究サイトを日本で開く見込みについて、現在進行中の試験の結果報告時期の見込み、計画された臨床試験や保留中の臨床試験の構成、当社が試験を遂行するための財政見積もりなど、将来予想に関する記述が含まれています。「予想する」 「見える」「信じる」「見積もる」「期待する」「意図する」「かもしれない」「計画する」「予期する」「企画する」「標的とする」「可能性」「~するだろう」「~し得る」「~すべき」「~し続ける」や、その他の類似した表現は将来予想に関する記述として使用されています。(全ての将来予想に関する記述が必 ずしも上記の表現を含むわけではありません)将来予想に関する記述で明示的または黙示的に示された内容と実際に生じる結果とは大きく異なる可能性があります。不確実な要素として、化合物の前臨床試験と臨床試験の予備データは必ずしもその後の臨床試験の結果を正確に予測するものではありません。データが欲しい時に利用可能でない場合や、日本での COMMAND 試験を始める許可が降りない可能性や、当社が VS-6063 などを含む化合物の臨床試験を完遂不可能となる場合や、化合物の開発に予想以上の時間と費用がかかる場合や、化合物が最終的に規制上の承認を受けられず製品として販売されない場合があり得ます。その他の危険性や不確実性としては、2012年12月31日で終了した会社の年報 10-K フォームの中の ” Risk Factors ” の項目に記載がされています。その後の SEC ファイルの中にも記載があります。このプレゼンテーションの中に含まれる将来予想に関する記 述は将来のイベントに関して当社の現段階での視点を反映したものであり、当社はこれらの記述を更新または訂正する義務はいっさい負いません。

リリース発行企業:Verastem 社

*本プレスリリースは、Verastem 社(米国マサチューセッツ州ケンブリッジ)が2014年3月5日(現地時間)に発表したものを日本語に翻訳したものです。

CONTACT

Verastem 社 連絡先
Brian Sullivan, 617-252-9314
bsullivan@verastem.com

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