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エリテックがリードプロダクトを固形腫瘍向けに展開し、すい臓がんの第II相臨床研究を開始

2014年01月10日 PM03:55
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仏リヨン

(ビジネスワイヤ) — Regulatory News:

急性白血病および医療ニーズが満たされていないその他の腫瘍適応症を対象に革新的治療薬の開発に当たっているフランスのバイオ製薬企業エリテック・ファーマ(Euronext Paris: FR0011471135 – ERYP)は、開発計画を更新してリードプロダクトERYASPの対象範囲を固形腫瘍の広い分野へと広げ、すい臓がんにおける第II相試験の開始を発表します。

急性白血病における複数の臨床研究で有望な結果を得たエリテックの研究開発チームは、世界的に有名なヒューストンのMDアンダーソンがんセンターの研究者らと提携し、他のがん適応症に対するERYASPの作用機序と潜在力の確認に集中的努力を傾けてきました。多数の腫瘍検体に対する大規模試験により、既知の固形腫瘍の50%から90%が、アスパラギナーゼ投与による腫瘍飢餓という概念に基づく治療の対象として適格であることが判明し、高水準の査読誌2で発表されました。エリテックはすい臓がん・肝臓がん・膀胱がん・卵巣がんなどの固形腫瘍に対し、アスパラギナーゼ治療が奏功する可能性があることを証明しました。これは本製品にとって数十億ドル規模の市場機会3に相当し、既にかなり大きな急性白血病の商機よりも桁違いに大きい可能性を示しています。

エリテックは、治療選択肢がほとんどなく、悪性度の高いがんであるすい臓がんを、固形腫瘍における ERYASPの主要な適応症と定めました。欧州と米国だけで毎年、約14万人の患者が新たにすい臓がんと診断されています。すい臓がんは5年全生存率が6~10%で、最も悪性度の高いがんの1つです。

エリテックはすでに末期すい臓がんにおける第I相試験を成功裏に完了し、非常に虚弱なこの患者集団においてERYASPの忍容性を確認できたので、固形腫瘍を対象とした開発を継続し、すい臓がんに対する第2選択療法としての第II相試験を実施することを決定しました。患者約100人を対象とした試験にて、最善の標準治療に ERYASPを追加した療法と、標準治療の単独療法との比較を、2対1の割合のランダム割り付けで実施します。

エリテックは米国立衛生研究所(NIH)より米国における独占的ライセンスを取得できたため、個別化治療の提供をにらんで、アスパラギナーゼによる治療が奏功する可能性のある患者を特定する専有的コンパニオン検査法を保有しています。

欧州医薬品庁(EMA)より科学的助言を受けた後、医薬品安全性を管理するフランス当局機関のANSMに対し臨床試験実施申請(CTA)を提出しました。Hôpital Beaujon(仏パリのクリシー)の消化器内科医兼腫瘍医であるPascal Hammel教授が試験の治験責任医師を務めます。患者組み入れは2014年第2四半期の開始を予定しています。ERYASPは欧州と米国で既にすい臓がん治療を目的に希少薬の指定を受けています。

エリテックの最高科学責任者(CSO)であるYann Godfrin博士は、次のように述べています。「MDアンダーソンがんセンターの一流の科学者と提携して当社チームが実施した広範な研究活動は、固形腫瘍の治療におけるアスパラギナーゼ製品のメリットを証明しています。赤血球に封入した当社独自の製剤は、これら多数のがん患者に代替療法を提供する上での展望を開くものです。」

Hôpital Beaujonの消化器内科医兼腫瘍医であるPascal Hammel教授は、次のように述べています。「私たちは切除不能すい臓がん患者におけるERYASP製品の有効性評価に期待しています。アスパラギンによる腫瘍の飢餓はがん治療の興味深い手法で、この恐ろしい疾患に対する治療手段の拡充に寄与できる可能性を持っています。また第I相臨床データはこれまでのところ良好な安全性プロファイルを示しています。」

すい臓がんについて:

すい臓がんはすい臓の組織に悪性(がん)細胞が発見される疾患です。毎年、米国で約4万5000人、欧州で約9万5000人の患者がすい臓がんと診断されています。米国がん協会によれば、全ステージのすい臓がんについて、1年相対生存率は20%、5年生存率は6%~10%となっています。すい臓がんは現在、EUでがんによる死因として男女共に第4位を占めています。すい臓がんによる死亡率は男性の場合で2009年の10万人当たり7.85人から2013年は8.01人に、女性の場合で同期間に10万人当たり5.33人から5.54人に増加すると予想されています。実際のところ、すい臓は主要ながん部位の中で唯一、死亡率の改善がまったく見込まれていない部位です4

エリテックおよびERYASP/GRASPA®について:www.erytech.com

2004年にリヨンで創設されたエリテックはがん患者、特に急性白血病と一部の固形腫瘍の患者に新たな展望を提供するフランスのバイオ製薬企業です。

毎年、約5万人の患者が、急性白血病の2つの形態である急性リンパ芽球性白血病(ALL)または急性骨髄性白血病(AML)と診断されています。現在、これら患者の約80%、主として成人患者と再発患者に対しては、既存の治療薬が持つ毒性が原因で適切な解決策が存在しません。エリテックは酵素のアスパラギナーゼを赤血球に封入することでERYASP/GRASPA®を開発しました。ERYASP/GRASPA®は、「飢餓状態」を通じて白血病細胞を標的化すると同時に、患者への副作用を大幅に抑制し、最も虚弱な患者を含むすべての患者に対する治療を可能とする点で、オリジナル性を持つ有効な治療薬で、10億ユーロを上回る市場機会に相当します。 ERYASP/GRASPA®については現在、急性リンパ芽球性白血病(ALL)を対象とする第III相臨床開発が完了に向っており、急性骨髄性白血病(AML)を対象とする第IIb相臨床試験が進行中です。同製品はまた、米国におけるALLを対象とした臨床開発の開始につきFDAより承認を受けました。エリテックは販売提携契約を欧州でオーファン・ヨーロッパ(レコルダーティ・グループ)と、イスラエルでテバと結びました。

また、エリテックは固形腫瘍の分野における他の適応症と、オンコロジー以外の希少疾患としての一定の適応症の治療薬についても、開発も進めています。エリテックはGMP認証済みで稼働可能な製造施設を自前で持っています。

エリテックはパリのNYSEユーロネクスト規制市場に上場しており(ISINコード: FR0011471135、ティッカー: ERYP)、CAC Healthcare、CAC Pharm. & Bio、Next Biotechの各指数の構成銘柄となっています。

将来見通しに関する情報

本リリースはエリテックの財務状況・業績・戦略・プロジェクトや、当社および当社が事業を展開する市場について予想される将来の業績および動向に関し、将来見通しに関する記述や推定を含む可能性があります。これら記述・予想・推定の一部は「考える」「予想する」「期待する」「意図する」「計画する」「目指す」「推定する」「可能性がある」「予定する」「継続する」および類似の表現の使用により識別できますが、これらに限定されません。これら記述には過去の事実ではない事柄がすべて含まれます。それら記述・予想・推定は既知・未知のリスク、不確実性、その他要因のさまざまな仮定と評価に基づいていますが、それら仮定・評価はその時点で妥当とみなされたものでも、結果的に正しかったと判明する場合としない場合があります。実際の出来事は予測することが困難で、当社のコントロールが及ばない要因に依存する場合があります。従ってエリテックの実際の結果、財務状況、成績・成果、あるいは業界の実績は、それら記述・予想・推定で明示ないし暗示された将来のどのような結果・成績・成果とも大きく異なる場合があります。エリテック・ファーマがフランス金融市場庁(www.amf-france.org)に提出した書類は当社ウェブサイト(www.erytech.com)でも閲覧可能ですが、それらのリスクや不確実性について説明が記されています。これらの不確実性を考慮し、将来見通しに関する記述・予想・推定について、正確さと公平さに関する表明は行いません。また将来見通しに関する記述・予想・推定は、本リリースの発表時点におけるものです。フランスの法律で要求されている場合を除き、エリテックはこれら将来見通しに関する記述・予想・推定のいずれについても、それらに関する当社の予想内容のいかなる変更であれ、またはそれら記述・予想・推定の根拠となる出来事・状況・環境のいかなる変化であれ、これらを反映する目的でこれら将来見通しに関する記述・予想・推定を更新する一切の義務を否定します。

1 ERYASPはエリテックのリードプロダクト「赤血球封入アスパラギナーゼ」のコードネームです。本製品は欧州で急性白血病の適応症向けにGRASPA®の名称が付けられています。

2 Dufour E et al., Pancreas, 2013

3 社内データ

4 Malvezzi M et al., Annals of Oncology 2013, 1-9

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Investor and press relations
Tel:
+33 1 44 71 98 52
erytech@newcap.fr

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