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アレン脳科学研究所がimecと提携し、神経科学研究用の強力な次世代ツール開発を目指す

2013年11月11日 PM09:10
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シアトル

(ビジネスワイヤ) — アレン脳科学研究所は本日、ナノエレクトロニクス研究センターのimecと契約を結び、動物の脳における神経活動を記録する最先端のセンサーアレイの開発・製造に当たると発表しました。アレン脳科学研究所はハワード・ヒューズ医学研究所(HHMI)、ギャツビー慈善財団、ウェルカム・トラスト、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)と提携し、この画期的な神経科学研究ツールの研究開発に550万ドルを出資することを約束しています。

提案されているセンサーアレイは、脳における細胞外電気活動の検出に現在使われている神経プローブ技術を前進させるものです。この革新的なソリューションは現在よりはるかに高密度の記録用電極を内蔵し、従来技術より一桁以上優れた性能を提供するため、研究者は高い解像度と非常に多数の部位から記録を得る能力を初めて同時に手にし、脳活動を記録することが可能となります。開発中のセンサーアレイは、神経生物学に変革をもたらす実験を可能にし、脳内の各神経細胞がいかにして共同で情報処理と行動制御に当たるかについて、理解を根本的に前進させることに役立つ可能性を持っています。当研究所は、計画の開始から2年を経て、これらのデバイスが、バラク・オバマ米大統領が2013年4月2日の演説で唱導した「ブレイン・イニシアチブ」を含め、幅広い脳研究の分野に直接的な影響を与えると期待しています。これらの新しいプローブは、感覚情報や、目の視像、ひげに触れた感覚がいかにして脳の各領域内に、または領域間を流れ、皮質によって処理されるかなど、脳機能の基本的理解に取り組みます。

アレン脳科学研究所の最高科学責任者(CSO)であるクリストフ・コッホ博士は、次のように述べています。「当コンソーシアムが構築・試験した先進的マイクロエレクトロニクスにより、神経科学者はだれでも、一片の加工シリコンを使用して何百という神経細胞のそれぞれが発する電気信号を容易に拾うことが可能になります。私たちはこの先進的なツールによって、神経細胞のチャタリングを聞くことが可能となり、脳の言語の意味を完全に解読し、理解できるようになる日に近づくことができます。」。

imecの技術者は(ギャツビーとウェルカムより助成金を受けて)HHMI、アレン研究所、UCLの科学者と密接に協働し、新しいプローブの設計・開発・試験に当たります。38カ月のプロジェクト期間にわたり、imecはその最先端のシリコン設計・加工能力を活用して新しいツールの開発と試験を行い、製造可能で科学研究コミュニティーが利用可能なバージョンを作製します。

imecのバイオナノエレクトロニクス担当ディレクターであるPeter Peumansは、次のように述べています。「当社は熱心で経験豊富な半導体開発チームを通じ、最先端の半導体技術をカスタマイズすることで、HHMI やその他の一流研究機関に価値をもたらすべく努力を続けています。imec はこの研究提携により、最先端の神経プローブ技術を大学や研究機関に提供することが可能となり、脳の各領域の小さなサンプルからではなく、全領域からの信号を得ることが可能となります。」。

米バージニア州アッシュバーンにあるHHMIのジャネリア・ファーム・リサーチ・キャンパスに置かれた応用物理学・計測グループのディレクターであるティム・ハリスは、次のように述べています。「私たちがこのプロジェクトを立ち上げたのは、脳活動に関する現在の研究方法が不十分なものだからです。現在よりも質の高いデータの収集を可能にし、この非常に重要な研究に必要とされる動物の数を減らすことができるよう、さらに優れたツールを創出することに私たちは真摯な努力を傾けています。」

アレン脳科学研究所は独立系の非営利医学研究機関です。創設者で慈善家のポール・G・アレンが元手となる寄付を行って2003年に発足したアレン研究所は、脳研究を前に推し進める目的の大規模な取り組みを主導し、グローバルな科学コミュニティーによる一層効率的で、実世界に利便性をもたらす発見を可能にしています。

imecはナノエレクトロニクス分野で世界有数の研究を行っています。imecはICT、ヘルスケア、エネルギーの分野におけるグローバルな提携による革新能力と共に、自身の科学的知見を活用しています。imecは産業と結び付いて応用をもたらす技術ソリューションを提供します。独自のハイテク環境の中で、世界に冠たる人材が、持続可能な社会における生活向上に必要な基礎的要素の提供に懸命の努力を傾けています。imecはベルギーのルーヴァンに本社を置き、ベルギー、オランダ、台湾、米国、中国、インド、日本に事務所を構えています。2000人を超えるスタッフには産業界の研修者と客員研究員650人以上が含まれます。imecの2012年の収益(損益計算書)は総額3億2000万ユーロです。imecの詳細についてはwww.imec.beをご覧ください。

ハワード・ヒューズ医学研究所は慈善科学団体で、人類の利益のために生物医学研究と科学教育を前進させることを使命としています。当研究所は並外れた研究者や学生が生物系の基礎的な問題の探究に当たる上での力になります。米メリーランド州チェビーチェイスに本拠を置くHHMIは、全米で3000人以上のスタッフを擁しています。HHMIは2012会計年度に6億9500万ドルを米国での研究に出資し、7800万ドルを助成金とその他の科学教育活動への支援に提供しました。

ギャツビー慈善財団はデビッド・セインズベリーが慈善活動における目標を実現するために設立しました。当財団は以下のように支援の分野を絞っています。

  • 植物科学研究
  • 神経科学研究
  • 科学・工学教育
  • アフリカの経済発展
  • 公共政策の研究と助言
  • The arts

当財団は目標達成のため率先してプロジェクトを案出しています。当財団はイノベーションを熱烈に支援しています。また取り組んでいる対象の機会と問題点への理解を重要と考え、分析的な姿勢を保っています。当財団は短期の1回限りのプロジェクトから得られるものは少ないと考え、長期的視野に立っています。当財団は同じ目標を持つ組織との連携構築を常に熱望しています。

ウェルカム・トラストはグローバルな慈善団体で、ヒトおよび動物の健康の飛躍的な改善の実現に専心しています。当団体は生物医学研究と医療人文学における優秀な頭脳を支援しています。ウェルカム・トラストの支援対象は広く、健康向上に向けた公衆関与、教育、研究の応用を含みます。当団体は政治上、商業上のいずれの利害からも独立しています。

ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの設立は1826年で、教育と研究のいずれでも学問的卓越性で定評があります。最も得意とする分野は生物医学研究で、英国最大の神経科学研究所グループを有しています。

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Steven.Cooper@Edelman.com

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