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経口アプレミラスト単独療法がDMARD未治療の乾癬性関節炎患者に対し長期的な臨床的有用性を持つことを証明

2013年10月31日 PM08:55
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スイス・ブードリー

(ビジネスワイヤ) — セルジーン・コーポレーション(NASDAQ: CELG)完全子会社のセルジーン・インターナショナルは本日、全身性ないし生物学的DMARD未治療の乾癬性関節炎患者におけるアプレミラストに関する長期第3相試験の結果を発表しました。アプレミラストはセルジーンの画期的新薬となる経口ホスホジエステラーゼ4(PDE4)標的阻害剤で、発表はサンディエゴで開催中の2013年米国リウマチ学会(ACR)/リウマチ専門医協会(ARHP)年次会議で行われました。

PALACE 4は、全身性ないし生物学的DMARD未治療の乾癬性関節炎患者のみを対象として、新薬の有効性と安全性を検討した初の大規模無作為化対照試験です。アプレミラストによる単独療法はこの未治療患者集団において、乾癬性関節炎の兆候・症状に加え、身体機能(HAQ-DI)、皮膚(PASI-75/50)、腫れと圧痛のある関節、付着部炎、指炎など乾癬性関節炎の発現症状の臨床的に意義のある改善を含め、52週間にわたり臨床的な有用性を実証しました。

16週目において、アプレミラストによる単独療法を受けた患者の方がプラセボと比較して、本試験の主要評価項目であるACR20(変法)を統計的に有意に高い割合、すなわちプラセボの16.9%に対し、29.2%(アプレミラスト20 mg、P=0.0076)と32.3%(アプレミラスト30 mg、P=0.0011)にて達成しました。アプレミラストに無作為割り付けされ52週間の試験を完了した患者では、52週目におけるACR20反応が53.4%(アプレミラスト20 mg)と58.7%(アプレミラスト30 mg)で観察されました。アプレミラスト30 mgの場合、ACR 50とACR 70が患者のそれぞれ31.9%と18.1%で達成されました。

米ウィスコンシン州フランクリンのリウマチ・免疫治療センターのAlvin Wells所長(M.D.、Ph.D.)は、次のように述べています。「アプレミラストによる単独療法は、報告済みのデータと一致する長期安全性・忍容性のプロファイルの維持に加え、全身性ないし生物学的DMARD未治療の乾癬性関節炎患者で有意な臨床的有用性を示しました。これらの有望な結果は、アプレミラストが単独で第一選択療法として使用できる可能性を示すものです。」

52週間の治療を完了した患者において、付着部炎(腱・靭帯・関節包の線維が骨に入り込む部分の炎症)、指炎(手指・足指の腫れ)、HAQ-DIにより評価した身体機能の障害、腫れと圧痛のある関節の数、関連する皮膚乾癬を含め、複数の評価項目の持続的な改善が維持または増強されました。

アプレミラストによる単独療法は受容可能な安全性プロファイルを示し、最大52週間にわたりおおむね良好な忍容性を示しました。治療期間が長期化しても安全性の新たな問題は見いだされず、プロファイルはアプレミラストの報告済みの安全性データと一致するものでした。52週間を通じ最も多く報告された有害事象(AE)は悪心、下痢、頭痛でした。下痢と悪心による治療中断率は、アプレミラストの各治療群全体で52週間にわたり2%未満でした。最大5週間にわたり、いずれの治療群でも下痢または悪心による重篤有害事象は1件も報告されていません。結核(新規または再活性化)を含め、全身性日和見感染は1件も報告されていません。

これらの結果は治験から得たものです。アプレミラストはいかなる適応症の治療薬としても承認されていません。

乾癬性関節炎に関しPALACE 1/2/3から得た総合データに基づき、NDA(新薬承認申請)とNDS(新薬承認申請)をそれぞれ米国とカナダの保健当局に2013年第1四半期と2013年第2四半期に提出しました。乾癬での米食品医薬品局に対するNDAと、乾癬性関節炎・乾癬をまとめての欧州販売承認申請(MAA)につき、2013年第4四半期の提出に向け、準備が順調に進んでいます。

PALACEプログラムについて

PALACE 1/2/3/4は多施設ニ重盲検プラセボ対照平行群間比較ピボタル第3相試験で、2つの積極的治療群を含めました。PALACE 1/2/3では、約1500人の被験者をアプレミラスト20 mg BID、30 mg BID、または外見上同一のプラセボに1:1:1の比率で無作為割付けして24週間投与し、その後は最大52週間の積極治療段階に続き、長期安全性試験段階で患者全員がアプレミラストによる治療を受けました。PALACE 1/2/3試験には、過去に腫瘍壊死因子(TNF)阻害剤による治療が失敗した患者を含め、過去に経口DMARDおよび/または生物学的DMARD による治療を受けた活動性乾癬性関節炎患者など、広範囲の患者を含めました。PALACE 3には乾癬の顕著な皮膚病変を持つ患者の大きなサブセットを含めました。

PALACE 4では、DMARD未治療の患者500人以上をアプレミラスト20 mg BID、30 mg BID、または外見上同一のプラセボに1:1:1の比率で無作為割付けしました。24週間投与し、その後は最大52週間の積極治療段階に続き、長期安全性試験段階で患者全員がアプレミラストによる治療を受けます。

PALACE 1/2/3/4試験の主要評価項目は、米国リウマチ学会による16週目での20%改善基準(ACR 20、変法)としました。副次的評価項目には16週目と24週目における兆候・症状のその他の測定値、身体機能、患者報告アウトカムを含めました。

PALACEプログラムは全体的に、薬事申請を目的とした乾癬性関節炎のプログラムとして、これまでで最も包括的なものを含みます。

アプレミラストについて

アプレミラストはホスホジエステラーゼ4(PDE4)に対する経口標的阻害剤で、細胞内部で作用して炎症性および抗炎症性のサイトカインのネットワーク発現を調節します。PDE4は、サイクリックアデノシン1リン酸(cAMP)特異的なPDEで、炎症細胞で優勢なPDEです。PDE4の阻害は細胞内cAMP濃度を上昇させ、同濃度の上昇はTNF-α、IL-23、その他炎症性サイトカインの発現調節を通じて炎症反応を下方制御します。またcAMP濃度の上昇は、IL-10などの抗炎症性サイトカインを増加させます。

乾癬性関節炎について

乾癬性関節炎は疼痛性の慢性炎症性疾患で、皮膚病の乾癬を伴います。世界各国で推定1億2500万人が乾癬を患い、そのうち約30パーセントが乾癬性関節炎も発症する可能性があります。乾癬性関節炎は、進行性で相加的な関節の炎症を伴う慢性疾患で、生活の質に悪影響をもたらし、勤労不能度を高める場合があります。乾癬性関節炎の一般的な症状・兆候には、乾癬性皮膚病変に加え、数カ所ないし多数カ所の関節、さらに脊椎における疼痛、硬直、膨張が含まれます。患者は多くの場合、乾癬を経験してから平均して10年後に関節症状を発症し、多くの乾癬性関節炎患者は診断されないままとなっています。乾癬性関節炎の詳細についてはwww.discoverpsa.comをご覧ください。炎症性疾患におけるPDE4の役割の詳細についてはwww.discoverpde4.comをご覧ください。

セルジーンについて

スイスのブードリーを拠点とするセルジーン・インターナショナル(Celgene International Sàrl)はセルジーン・コーポレーションの完全所有子会社であり、国際本部です。米ニュージャージー州サミットに本社を置くセルジーン・コーポレーションは国際的な総合バイオ製薬企業で、主として遺伝子とタンパク質を調節することでがんと炎症性疾患の革新的な治療薬の創薬・開発・商業化に努めています。詳細情報についてはwww.celgene.comをご覧ください。

将来見通しに関する記述

本プレスリリースには、将来見通しに関する記述が含まれています。一般的にこれらは過去の事実に関する記述ではありません。将来見通しに関する記述は、「予想する」、「見込む」、「考える」、「意図する」、「見積もる」、「計画する」、「するだろう」、「見通し」といった用語で特定できます。将来見通しに関する記述は経営陣の現在の計画、見積もり、想定、予測に基づいており、発表時点での見解です。法で義務付けられた場合を除き、新たな情報や将来の出来事が発生した場合でも、当社は将来見通しに関する記述を更新する義務を負うものではありません。将来見通しに関する記述は固有のリスクと不確実性を伴います。これらのほとんどは予想が難しく、通常は当社の管理範囲を超えたものです。実際の結果や成果は、多くの要因の影響により、将来見通しに関する記述で示唆されたものと大きく異なる可能性があります。これらの要因の大部分については、フォーム10-Kによるセルジーン・コーポレーション年次報告書や、証券取引委員会への提出書類で詳しく議論されています。

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