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アプレミラストの経口投与が乾癬性関節炎患者に対し長期的な臨床的有用性を持つことを証明

2013年10月29日 PM07:40
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スイス・ブードリー

(ビジネスワイヤ) — セルジーン・コーポレーション(NASDAQ: CELG)完全子会社のセルジーン・インターナショナルは本日、アプレミラストを対象とした3件の長期(期間52週間)第3相試験の結果を発表しました。アプレミラストは乾癬性関節炎に対するセルジーンの画期的新薬(ファースト・イン・クラス)となる経口ホスホジエステラーゼ4(PDE4)標的阻害剤で、発表はサンディエゴで開催中の2013年米国リウマチ学会(ACR)/リウマチ専門医協会(ARHP)年次会議で行われました。各試験にはPALACE 2/3の52週間における有効性の結果と、検査値に対する影響を含め、PALACE 1/2/3から得た52週間のプール化安全性データの解析を含めました。

イタリアのジェノバ大学メディカルスクールでリウマチ学研究所・臨床学術部門に在籍するMaurizio Cutolo氏(M.D.)は、次のように述べています。「乾癬性関節炎は衰弱性の慢性疾患で、長期治療を必要とします。PALACEの各試験から得られた1年間のデータは、継続的な治療により、アプレミラストの初期効果が持続することを示しています。第3相試験からこれまで得られた有効性・安全性のデータに基づけば、アプレミラストは乾癬性関節炎の長期管理に新たな治療選択肢を提供できる可能性を持っています。」

PALACE 2、PALACE 3: 52週間の有効性データ

活動性乾癬性関節炎患者で、従来のDMARDおよび/または生物製剤による治療を受けたことがある患者を対象に、3件のピボタル試験(PALACE 1/2/3)を実施しました。PALACE 1の長期(52週間)結果は既に報告済みです。本日、他の2件のピボタル第3相試験(PALACE 2とPALACE 3)から得られた長期結果を報告しました。PALACE 1の結果と一致する内容で、PALACE 2とPALACE 3のいずれでも、プラセボ投与患者群と比較して、アプレミラスト20 mgまたは30 mgの1日2回(BID)投与を受けた患者群の方が、米国リウマチ学会による16週目での20%改善基準(ACR 20、変法)反応(主要評価項目)を達成した患者の割合が有意に高いものでした。PALACE 2でプラセボ:20%、アプレミラスト20 mg BID:38%、P=0.0002、アプレミラスト30 mg BID:34%、P=0.0024となり、PALACE 3でプラセボ:19%、アプレミラスト20 mg BID:29%、P<0.05、アプレミラスト30 mg BID:43%、P<0.0001となりました。また腫れと圧痛のある関節・皮膚、生活の質を含め、乾癬性関節炎に特徴的な兆候・症状、身体機能と、その他の兆候に関して臨床的に有意な改善が示されました。

PALACE 2とPALACE 3の両試験にて、52週目でACR 20(変法)反応を達成している患者の割合の持続的改善が、アプレミラストに無作為割付けされ52週間の治療を完了した患者で観察されました(PALACE 2でアプレミラスト20 mg BID:52.9%、アプレミラスト30 mg BID:52.6%、PALACE 3でアプレミラスト20 mg BID:56.0%、アプレミラスト30 mg BID:63.0%)。

PALACE 1、PALACE 2、PALACE 3: 52週間のプール化安全性データ

PALACE 1/2/3試験(参加患者数1493人)のプール解析から得られた長期(52週間)安全性の結果で、報告済みの24週間安全性の結果と比較し、アプレミラストによる治療を最大52週間受けた乾癬性関節炎患者において、新たな安全性の問題は1つも発見されませんでした。報告済みの有害事象の発生頻度は、0週目から24週目と比較して、24週目から52週目の方が低いものでした。

有害事象の大半は重症度が軽度ないし中等度で、治療中止につながるものではありませんでした。最も一般的な有害事象として報告されたものは悪心、下痢、頭痛、上気道感染、鼻咽頭炎でした。悪心と下痢の重症度は大部分が軽度で、治療開始から最初の2週間で最も多く発生し、治療を継続しても多くの場合は1カ月以内に解消しました。重篤有害事象の発生率は低く、治療群間で同等で、暴露で調整した被験者100人年当たりの発生率に基づけば、アプレミラストへの長期暴露で増えることはありませんでした。

主要有害心臓事象、日和見感染染を含む重篤感染染、悪性腫瘍は、暴露で調整した被験者100人年当たりの発生率がプラセボの場合と同等でした。アプレミラストのいずれの投与量でも、結核(新規または再活性化)は1件も報告されませんでした。

PALACE 1、PALACE 2、PALACE 3: 検査値のモニタリング

PALACE 1/2/3試験の乾癬性関節炎患者1493人(プラセボ495人、アプレミラスト20 mg BID 501人、アプレミラスト30 mg BID 497人)のプール解析にて、検査値に対するアプレミラストの影響も評価しました。検査値における臨床的に意義のある変化は発見されず、継続的な検査値モニタリングは不要である可能性が示されました。

これらの結果は治験から得たものです。アプレミラストはいかなる適応症の治療薬としても承認されていません。

乾癬性関節炎に関しPALACE 1/2/3から得た総合データに基づき、NDA(新薬承認申請)とNDS(新薬承認申請)をそれぞれ米国とカナダの保健当局に2013年第1四半期と2013年第2四半期に提出しました。乾癬での米食品医薬品局に対するNDAと、乾癬性関節炎・乾癬をまとめての欧州販売承認申請(MAA)につき、2013年第4四半期の提出に向け、準備が順調に進んでいます。

PALACEプログラムについて

PALACE 1/2/3/4は多施設ニ重盲検プラセボ対照平行群間比較ピボタル第3相試験で、2つの積極的治療群を含めました。PALACE 1/2/3では、約1500人の被験者をアプレミラスト20 mg BID、30 mg BID、または外見上同一のプラセボに1:1:1の比率で無作為割付けして24週間投与し、その後は最大52週間の積極治療段階に続き、長期安全性試験段階で患者全員がアプレミラストによる治療を受けました。PALACE 1/2/3試験には、過去に腫瘍壊死因子(TNF)阻害剤による治療が失敗した患者を含め、過去に経口DMARDおよび/または生物学的DMARD による治療を受けた活動性乾癬性関節炎患者など、広範囲の患者を含めました。PALACE 3には乾癬の顕著な皮膚病変を持つ患者の大きなサブセットを含めました。

PALACE 4では、DMARD未治療の患者500人以上をアプレミラスト20 mg BID、30 mg BID、または外見上同一のプラセボに1:1:1の比率で無作為割付けしました。24週間投与し、その後は最大52週間の積極治療段階に続き、長期安全性試験段階で患者全員がアプレミラストによる治療を受けます。

PALACE 1/2/3/4試験の主要評価項目は、米国リウマチ学会による16週目での20%改善基準(ACR 20、変法)としました。副次的評価項目には16週目と24週目における兆候・症状のその他の測定値、身体機能、患者報告アウトカムを含めました。

PALACEプログラムは全体的に、薬事申請を目的とした乾癬性関節炎のプログラムとして、これまでで最も包括的なものを含みます。

アプレミラストについて

アプレミラストはホスホジエステラーゼ4(PDE4)に対する経口標的阻害剤で、細胞内部で作用して炎症性および抗炎症性のサイトカインのネットワーク発現を調節します。PDE4は、サイクリックアデノシン1リン酸(cAMP)特異的なPDEで、炎症細胞で優勢なPDEです。PDE4の阻害は細胞内cAMP濃度を上昇させ、同濃度の上昇はTNF-α、IL-23、その他炎症性サイトカインの発現調節を通じて炎症反応を下方制御します。またcAMP濃度の上昇は、IL-10などの抗炎症性サイトカインを増加させます。

乾癬性関節炎について

乾癬性関節炎は疼痛性の慢性炎症性疾患で、皮膚病の乾癬を伴います。世界各国で推定1億2500万人が乾癬を患い、そのうち約30パーセントが乾癬性関節炎も発症する可能性があります。乾癬性関節炎は、進行性で相加的な関節の炎症を伴う慢性疾患で、生活の質に悪影響をもたらし、勤労不能度を高める場合があります。乾癬性関節炎の一般的な症状・兆候には、乾癬性皮膚病変に加え、数カ所ないし多数カ所の関節、さらに脊椎における疼痛、硬直、膨張が含まれます。患者は多くの場合、乾癬を経験してから平均して10年後に関節症状を発症し、多くの乾癬性関節炎患者は診断されないままとなっています。乾癬性関節炎の詳細についてはwww.discoverpsa.comをご覧ください。炎症性疾患におけるPDE4の役割の詳細についてはwww.discoverpde4.comをご覧ください。

セルジーンについて

スイスのブードリーを拠点とするセルジーン・インターナショナル(Celgene International Sàrl)はセルジーン・コーポレーションの完全所有子会社であり、国際本部です。米ニュージャージー州サミットに本社を置くセルジーン・コーポレーションは国際的な総合バイオ製薬企業で、主として遺伝子とタンパク質を調節することでがんと炎症性疾患の革新的な治療薬の創薬・開発・商業化に努めています。詳細情報についてはwww.celgene.comをご覧ください。

将来見通しに関する記述

本プレスリリースには、将来見通しに関する記述が含まれています。一般的にこれらは過去の事実に関する記述ではありません。将来見通しに関する記述は、「予想する」、「見込む」、「考える」、「意図する」、「見積もる」、「計画する」、「するだろう」、「見通し」といった用語で特定できます。将来見通しに関する記述は経営陣の現在の計画、見積もり、想定、予測に基づいており、発表時点での見解です。法で義務付けられた場合を除き、新たな情報や将来の出来事が発生した場合でも、当社は将来見通しに関する記述を更新する義務を負うものではありません。将来見通しに関する記述は固有のリスクと不確実性を伴います。これらのほとんどは予想が難しく、通常は当社の管理範囲を超えたものです。実際の結果や成果は、多くの要因の影響により、将来見通しに関する記述で示唆されたものと大きく異なる可能性があります。これらの要因の大部分については、フォーム10-Kによるセルジーン・コーポレーション年次報告書や、証券取引委員会への提出書類で詳しく議論されています。

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