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WINコンソーシアム、WIN初のがん個別化治療臨床試験WINTHERの実施でEU FP7助成金300万ユーロを受領

2013年09月05日 PM07:10
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パリ

(ビジネスワイヤ) — がん個別化治療を推進するWINコンソーシアム(www.winconsortium.org)は本日、欧州連合の第7次研究枠組み計画(EU FP7)からWIN初の個別化治療臨床試験WINTHER(WINTherapeutics)の実施に対する助成金300万ユーロを受領したと発表しました。システム生物学の概念に基づくWINTHERは、試験に参加した患者全員に対し、個々の患者の生理に照らして治療の選択肢を提供する初の臨床試験です。

WINコンソーシアムの創設者で最高執行責任者(COO)のウラジーミル・ラザール博士は、「EUの保健総局は、WINTHERの科学上の利点と試験デザインを評価して助成金を提供しました」と述べています。さらにファイザー、ノバルティス、ミレニアムがWINTHERに対し多額の資金提供を約束しています。

WINTHERは今日の腫瘍診療と比較して画期的な概念を体現しています。従来の診療は、既知の腫瘍DNA異常を持ち、標的治療が利用可能な30~40%の患者に対し、生理に応じた個別化治療を提供するのがせいぜいです。WINTHERの新規アプローチは、各患者について、DNAに加え、腫瘍および対応する組織構造の正常組織の二重生検によりRNAを総合的に検査するものです。得られたデータはアルゴリズム駆動型のバイオインフォマティクス・ツールによる検査に付され、既存の薬剤すべてについての効果予測スコアが各患者に提供されます。

WINTHERのグローバルPI(治験責任医師)を務めるJean-Charles Soriaは、次のように述べています。「WINTHERでは、腫瘍DNAに既知の腫瘍形成イベントが認められない患者(患者集団の約60%)のすべてに対し、腫瘍のRNAを対応する正常組織のRNAと比較分析することに基づいて治療が選択されます。DNAとRNAの分析結果は、個々の患者に対し既存の抗がん治療(標準治療および標的治療、高額治療および低額治療)の効果予測スコアを決定できるバイオインフォマティクス・プログラムによる検討に付されます。」

WINTHERは、WINコンソーシアムのメンバーとして5カ国の6つのがんセンターが実施する国際的な学術研究です。これらのセンターはギュスタフ・ルーシーがん研究所(フランス)、バルデブロン(スペイン)、Chaim Sheba医療センター(イスラエル)、シーガルがんセンター(カナダ)、 UCSDがんセンター(米国)、MDアンダーソンがんセンター(米国)となります。WINTHERの技術パートナーおよびバイオインフォマティクス企業にはアジレント・テクノロジー、ファウンデーション・メディシン、アリアナ・ファーマ、ベングリオン大学が含まれます。患者組み入れは3カ国にて進行中で、試験完了は2015年の予定です。

運営チームのディレクターであるキャサリン・ブレッソンは、次のように述べています。「WINTHER試験は、多分野に及ぶ世界的な提携の触媒として作用し、がん個別化治療において最も有望な革新成果を前進させるというWINコンソーシアムの目標を行動で示すものです。」ギュスタフ・ルーシーがん研究所(フランス)とMDアンダーソンがんセンター(米国)が主導して2010年に創設されたWINは、傑出した学術・産業・非営利組織の世界規模の提携を象徴するものです。WINは非営利・非政府組織でパリに本部を置いています。

本記者発表文の公式バージョンはオリジナル言語版です。翻訳言語版は、読者の便宜を図る目的で提供されたものであり、法的効力を持ちません。翻訳言語版を資料としてご利用になる際には、法的効力を有する唯一のバージョンであるオリジナル言語版と照らし合わせて頂くようお願い致します。

CONTACT

WIN Consortium
Catherine Bresson, Director, Operational Team
Catherine.bresson@winconsortium.org
+33(0)142114020
www.winconsortium.org

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