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FDAがトランステック・ファーマのアルツハイマー病治療用のTTP488にファストトラック指定を与える

2013年03月21日 PM02:55
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米ノースカロライナ州ハイポイント

(ビジネスワイヤ) — トランステック・ファーマは本日、アルツハイマー病の治療薬として開発中の新しい低分子化合物TTP488が、米食品医薬品局(FDA)よりファストトラック(優先承認審査制度)指定を受けたと発表しました。TTP488は、アルツハイマー病患者の細胞内に見られる物質のアミロイドベータ(Aβ)と、最終糖化産物受容体(RAGE)として知られる免疫グロブリン超遺伝子族の構成分子との相互作用を防止します。TTP488はRAGEと関連する最初の医薬品です。RAGEはアルツハイマー病研究における比較的新しい生物学的標的で、複数の臨床試験で成功が実証されています。トランステック・ファーマはこの医薬品候補を創薬・開発し、同候補に対する権利を保有しています。

FDAのファストトラック指定は、重篤な疾患ないし生命を脅かす疾患の治療を目的とし、満たされない医療ニーズに対処し得ることを実証できる開発製品に対して与えられます。ファストトラックは、適格とされた新薬の開発を促進し、審査を迅速化する制度です。ファストトラックの指定を受けた医薬品は、FDAによる迅速承認の資格を付与され、審査過程で優先権を与えられるのに適していると判断される可能性が高まります。

トランステック・ファーマの会長兼最高経営責任者(CEO)であるAdnan Mjalli博士は、次のように述べています。「TTP488がファストトラック指定を受けたことは大きな喜びです。この進展は、数多くのアルツハイマー病患者を治療する上で、TTP488が未充足の巨大な医療ニーズに対応できる可能性を持つという認識を反映しています。アルツハイマー病は生命を脅かす破壊的な疾患で、老齢人口に深刻な影響を与えます。」

TTP488について

多くのデータはRAGEがアルツハイマー病の病因に関与していることを示しており、血液脳関門(BBB)または神経細胞もしくはミクログリア細胞において、AβとRAGEが持続的に相互作用することが、アミロイドプラーク形成および慢性神経障害の重要な要素であることも示しています。

TTP488は経口投与で有効な低分子の新しいRAGE拮抗薬です。18カ月にわたってデータを収集した最近の二重盲検臨床試験にて、TTP488は軽度から中等度のアルツハイマー病患者における認知機能低下の速度を遅らせました。トランステック・ファーマは当社専有的な創薬プラットフォーム「TTPトランスレーショナル・テクノロジー」(TTP Translational Technology®)を活用してTTP488を創薬・開発しました。

アルツハイマー病について

認知症の最も一般的な形態であるアルツハイマー病は、進行性の神経変性疾患で、認知能力と機能的能力の低下をもたらします。米国で500万人が患っていると推定され、主な死亡原因の第6位を占めています。現在、世界では3500万人以上が認知症を患い、その人数は2050年までに1億1500万人以上に増加すると見込まれています。

アルツハイマー病に対して現在承認されている治療薬は、認知機能障害の症状改善に着目したもので、疾患進行を遅らせる治療薬は現在存在しません。

トランステック・ファーマについて

トランステック・ファーマは非公開の臨床段階製薬企業で、満たされていない医療ニーズに応えるべく、ヒト治療薬の創薬・開発・商品化に専心しています。当社のハイスループット創薬プラットフォーム「トランスレーショナル・テクノロジー」(Translational Technology®)は、ヒトタンパク質の機能的調節を安全かつ有効な医薬品に転換します。トランステック・ファーマは、中枢神経系疾患、糖尿病、肥満、心血管疾患、炎症、がんなどの広範なヒト疾患について、それらの治療に使用する臨床・前臨床段階の低分子医薬品候補のパイプラインを保有しています。当社に関する詳細についてはhttp://www.ttpharma.com.をご覧ください。

本記者発表文の公式バージョンはオリジナル言語版です。翻訳言語版は、読者の便宜を図る目的で提供されたものであり、法的効力を持ちません。翻訳言語版を資料としてご利用になる際には、法的効力を有する唯一のバージョンであるオリジナル言語版と照らし合わせて頂くようお願い致します。

CONTACT

TransTech Pharma, Inc.
Adnan M.M. Mjalli, Ph.D, 336-841-7770
amjalli@ttpharma.com

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