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クック メディカルのZilver® PTX®が末梢動脈疾患治療用の薬剤溶出型ステントとして米国で初めてFDA承認を取得

2012年11月21日 AM11:40
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米インディアナ州ブルーミントン

クック メディカルは本日、Zilver®(ジルバー) PTX® 薬剤溶出型末梢血管用ステントポートフォリオの最初のデバイスが、米国食品医薬品局(FDA)より販売承認を取得したと発表しました。FDAが末梢動脈における閉塞の治療用として薬剤溶出型ステントを承認したのは今回が初めてです。

クック メディカルの末梢血管インターベンション部門バイスプレジデント兼グローバルリーダーであるロブ・ライルスは、次のように述べています。「今回の承認は、末梢動脈の治療に当たる米国の医師に対し、薬剤溶出型製品が持つ利点を提供するクックのプログラムの第一歩を記すものです。この技術に対するコミットメントでクックに対抗できる企業は他になく、当社は2013年末までに米国の医師に対し、薬剤溶出型末梢血管用ステントの完全なスイートを最も一般的な長さと直径で提供できると、期待しています。」

Zilver PTX薬剤溶出型ステントは、浅大腿動脈(SFA)における 末梢動脈疾患(PAD)の治療を目的としています。

この新技術を可能な限り多くの医師に提供すべく、クックはZilver PTXを当初は長さ80 mm、直径6 mmおよび7 mmにて発売します。製品の適応として、Zilver PTXは80 mmステント2個をオーバーラップさせて、これまでより長い140 mmまでの病変を治療することが認められています。また、FDAの承認は長さ40 mmおよび60 mmに対しても与えられており、これらの製品は2013年の早期に米国で発売される予定です。クックの予想では来年、120 mm長のステントにつき、両方の直径で規制当局による承認を取得できます。

クックのピボタル臨床試験のデータから、以下が分かっています。

  • Zilver PTXによる治療を受けた患者の10人中8人が、1年後でも開存動脈(一次開存)を維持していました1。比較として、血管形成術の単独治療を受けた患者における開存維持は、10人中わずか3人でした。
  • ベアメタルステントを使用した患者は、Zilver PTXを使用した患者と比較して、SFA再開通のため再インターベンションを必要とした件数が2倍以上ありました2

カリフォルニア州パロアルトにあるスタンフォード大学医学部の胸部心臓外科教授で、スタンフォード医療センターのカテーテル・血管形成術研究所医長も務めるMichael Dake医師(M.D.)は、次のように述べています。「これまで実施された末梢血管ステント留置術に関するランダム化対照試験の中で最大規模の試験が実施された結果、Zilver PTXによる治療を受けた患者で注目すべき結果が観察されました。」

オハイオ州コロンバスのリバーサイドメソジスト病院四肢クリティカルケアセンター長で、オハイオ州トレドのトレド大学医療センター内科臨床准教授でもあるGary Ansel 医師(M.D.)は、次のように付け加えています。「今回の承認により、米国におけるPADの治療において、薬剤溶出型製品が冠動脈疾患の治療にもたらしたのと同じ大変革が始まります。私の見解では、Zilver PTXのような薬剤溶出型ステントは速やかに、世界におけるPAD患者の標準治療法となるでしょう。」

クックのZilver PTXステントは既に、欧州連合、日本、ブラジルを含む南米のほぼ全域、オーストラリア、ニュージーランド、台湾を含め、50以上の市場で販売承認を取得しています。 同ステントは5段階のプロセスを経て米国に導入される予定ですが、そのプロセスは当初からできる限り多くの患者に対し、この技術を利用できるようにするものです。

(Zilver PTX臨床試験のグローバル治験責任医師を務めたDakeおよびAnselの両医師は、クック メディカルの医療機器に関し、有償コンサルタントを務めています。)

Zilver PTXについて

Zilver PTXの効果

医師は鼠径部を通じて動脈へのアクセスを得て、カテーテルを使用してZilver PTXステントを動脈の狭窄部に導きます。ステントが導入され、足場のように拡張し、カテーテル抜去後に動脈が開存性を維持するのに役立ちます。ステントにコーティングされた薬剤のパクリタキセルは、動脈壁の細胞に取り込まれ、時間経過による動脈の再狭窄を防ぐのに役立ちます。

Zilver PTXの主な特徴

複合治療デバイスのZilver PTXは、開存性(血流)を回復すると同時に、パクリタキセルを標的に送達します。パクリタキセルは細胞増殖抑制剤で、動脈再狭窄(術後閉塞)を低減することが証明済みです。 パクリタキセルはポリマーを使用せずステントにコーティングされ、ポリマーが直接もたらし得るリスクを取り除きます。Zilver PTXは「形状記憶」合金のニチノール製で、 浅大腿動脈(SFA)の動きによる力に耐えられるよう設計されています。Zilver PTXは末梢血管用デバイスとしては初めて、ステント留置の機械的支持と、薬剤のパクリタキセルを組み合わせて、再狭窄のリスクを低減します。

Zilver PTXの有効性を支持するデータ3

「Zilver PTX Randomized Controlled Trial of Paclitaxel-Eluting Stents for Femoropopliteal Disease(大腿膝窩動脈疾患に対するZilver PTXパクリタキセル溶出ステントのランダム化対照試験 )」から得られた2年間のデータは、患者479人に対する試験で、24カ月後における一次開存率がPTX群で74.8パーセントであるのに対して、最善の経皮経管的血管形成術とベアメタルステントによる治療を受けた患者群でわずか57.8パーセントであることを示しました。

PADに対するその他の現在の治療選択肢4

現在、PADに対する治療選択肢には、生活様式の変更、投薬、運動、血管形成術、ベアメタルステント留置、バイパス手術が含まれます。

Zilver PTXの適応症、リスクおよび禁忌

適応症: 膝上大腿膝窩動脈のネイティブ血管疾患における新規または再狭窄性の症候性病変で、対照血管径が4mmから7mm、総病変長が最大1肢当たり140 mm、患者1人当たり280 mmの病変治療のための血管径改善。禁忌: 妊娠中・授乳中の女性と、5年以内に妊娠する予定の女性に対し、Zilver PTX薬剤溶出型末梢血管用ステントを使用してはなりません。推奨される抗血小板薬および/または抗凝固薬を投与できない患者。ステントないしステントデリバリーシステムの適切な留置を妨げる病変を有すると判断される患者。警告: ニチノールに対しアレルギー反応を示す患者は、本インプラントに対しアレルギー反応を示す可能性があります。パクリタキセルに対しアレルギー反応を示す患者は、本インプラントに対しアレルギー反応を示す可能性があります。1人の患者に5個以上のZilver PTX薬剤溶出型末梢血管用ステントを植え込んだ場合の安全性・有効性については、臨床評価が行われていません。注意: 総大腿動脈への波及を防ぐため、ステントの近位端は浅大体動脈起始部から少なくとも1 cm下に置く必要があります。膝下膝窩動脈への波及を防ぐため、ステントの遠位端は大腿骨上顆の面より上に置く必要があります。本製品は血管診断および血管インターベンション手技の訓練を受け、経験を持つ医師による使用を前提としています。血管インターベンション手術の標準手技を採用する必要があります。Zilver PTX薬剤溶出型抹消血管用ステントの操作はX線透視下の制御が必要とされます。使用前にステントをイントロデューサーシステムから取り出すことを試みてはなりません。ステントの最終的リリースまでは、赤いセーフティーロックが不注意により外されないよう注意してください。エクストラスティッフまたはウルトラスティッフ・ガイドワイヤー上からステントを展開します。展開中にハブをハンドルに向けて押してはなりません。デリバリーシステムを有機溶媒(アルコールなど)に接触させてはなりません。パワーインジェクションシステムをデリバリーシステムと併用してはなりません。展開中は、システムのいかなる部分も回転させてはなりません。本デバイスは単回使用を目的としています。本デバイスを再滅菌・再使用してはなりません。展開開始後はステントを越えてイントロデューサーカテーテルを再前進させることができないため、展開後に本デバイスの位置を変更することはできません。可能性のある有害事象: 発生する可能性のある有害事象には抗凝固剤および/または抗血栓剤または造影剤に対するアレルギー反応、ニチノールに対するアレルギー反応、動脈瘤、動脈破裂、動脈血栓、動静脈瘻、アテローム塞栓(青趾症候群)、死亡、塞栓症、血腫/出血、過敏性反応、感染症、アクセス部位における感染/膿瘍形成、インターベンションを必要とする虚血(足指、足、脚のバイパスまたは切断)、仮性動脈瘤の形成、腎不全、ステント留置動脈の再狭窄、ステント塞栓、ステント不完全密着、ステント移動、ステントストラット破損、血管の穿孔ないし破裂、跛行悪化/安静時疼痛が含まれますが、これらに限定されません。パクリタキセル: 全身作用は予想されませんが、パクリタキセルで観察される可能性のある有害事象の詳細については、「医師用卓上参考書」を参照してください。この資料に記載されていない有害事象として可能性があるのは、パクリタキセル薬剤のコーティングに特有のものであると考えられ、薬剤コーティングに対するアレルギー/免疫反応、脱毛症、貧血症、血液製品の輸血、消化器症状、血液疾患(白血球減少症、好中球減少症、血小板減少症を含む)、肝臓酵素の変化、血管壁の組織学的変化(炎症、細胞損傷、壊死を含む)、筋痛/関節痛、骨髄抑制、末梢神経障害を含みます。

クック メディカルについて

医学に飛躍的発展をもたらすグローバルパイオニアのクック メディカルは、世界各国の何百万人という患者に役立つ効果的なソリューションの創出に全力を挙げて取り組んでいます。当社は現在、医療機器、薬剤、生物由来グラフト、細胞療法の製品1万6000種以上によって、医療の41分野に貢献しています。患者のニーズと倫理的な商慣行を優先する先覚者によって1963年に創立されたクックは、家族所有企業として世界各国で1万件以上の雇用を創出してきました。詳細についてはwww.cookmedical.comをご覧ください。またツイッターおよびリンクトインでクック メディカルをフォローしてください。

1 ,2 Dake M., et. Al, Paclitaxel-Eluting Stents Show Superiority to Balloon Angioplasty and Bare Metal Stents in Femoropopliteal Disease: Twelve Month Zilver PTX Randomized Study Results. Circulation: Cardiovascular Interventions, August 5, 2011

2 Dake M. Zilver PTX Randomized Controlled Trial of Paclitaxel-Eluting Stents for Femoropopliteal Disease: Two Year Results, Presented at International Symposium on Endovascular Therapies (ISET), January 17, 2011, Miami Beach, Florida

3 Dake M. Zilver PTX Randomized Controlled Trial of Paclitaxel-Eluting Stents for Femoropopliteal Disease: Two Year Results, Presented at International Symposium on Endovascular Therapies (ISET), January 17, 2011, Miami Beach, Florida

4 National Institute of Health, National Heart Lung and Blood Institute. How Is Peripheral Arterial Disease Treated? http://www.nhlbi.nih.gov/health/health-topics/topics/pad/treatment.html. Accessed August 10, 2012

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