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アブラキサンが第III相化学療法未施行転移性悪性黒色腫治験で無増悪生存の主要評価項目を達成

2012年10月03日 PM05:01
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スイス・ブードリー

(ビジネスワイヤ) — セルジーン・コーポレーション(NASDAQ: CELG)子会社のセルジーン・インターナショナルは本日、化学療法未施行の転移性悪性黒色腫患者でのアブラキサン(ABRAXANE®、タンパク結合パクリタキセル小粒子懸濁注射剤、アルブミン結合)の第III相無作為化国際治験(CA033)の結果を発表しました。この試験では、アブラキサンを投与された患者がダカルバジン(DTIC)化学療法を受けた患者と比較して無増悪生存で統計的に有意な改善を示し、主要評価項目が達成されました。

CA033治験で観察されたアブラキサンの安全性プロファイルは、アブラキサンの他のピボタル試験と整合性のある結果となりました。この治験のデータは、11月にロサンゼルスで開催されるメラノーマ研究学会(SMR)コングレス2012で発表されます。今回の結果に照らして規制面・臨床面での今後の戦略が現在検討されています。

CA033治験はセルジーンが実施した非盲検無作為化対照試験であり、転移性悪性黒色腫の患者においてアブラキサンを標準的な化学療法のDTICと比較しました。DTICは、1975年以来、転移性悪性黒色腫に対して米国食品医薬品局に認められている唯一の化学療法です。この試験では、529人の化学療法未施行の患者をアブラキサン投与(150mg/m2、1週毎、4週間中3週間)とDTIC投与(1000mg/m2、3週間毎)に無作為に割り当てました。主要評価項目は、独立評価の無増悪生存期間とされました。副次的評価項目は、全生存期間、全奏功率、病勢制御、安全性、忍容性でした。

以上の結果は1つの治験によるものです。アブラキサン(ABRAXANE®)は、転移性悪性黒色腫の治療に対する承認を受けていません。

アブラキサン懸濁注射剤(ABRAXANE®、タンパク結合パクリタキセル小粒子懸濁注射剤)の適応症は、転移性疾病に対する複合化学療法が奏功しなかった場合およびアジュバント化学療法開始6カ月以内に再発した場合の乳がんです。事前の治療として、臨床的に禁忌でない限りアントラサイクリン投与が行われているべきです。

重要な安全性情報

警告―好中球減少

  • アブラキサン治療は、ベースラインの好中球数が1,500/mm3に満たない転移性乳がん患者に対して施行してはならない。骨髄抑制(主に好中球減少)は重篤化して感染症に至る可能性があり、その発生を監視するため、アブラキサンの投与を受けるすべての患者に対して末梢血球数を頻繁に計測することが推奨されている。
  • 注:アルブミン型のパクリタキセルは、溶解液型の場合と比較して薬剤の機能特性が大きく異なっている可能性がある。他のパクリタキセル製剤を代用したり併用したりしてはならない。

禁忌

好中球数

  • アブラキサンは、ベースラインの好中球数が1,500/mm3に満たない患者に使用してはいけない

過敏性

  • アブラキサンに対して重篤な過敏性反応を示す患者には、再投与を試みてはならない

警告および注意

血液への影響

  • 骨髄抑制(主に好中球減少)は投与量に依存し、用量制限毒性である
  • 骨髄毒性の発生を監視するため、末梢血球数を頻繁に計測すること
  • アブラキサンによる再治療のサイクルは、好中球数が1,500/mm3に回復し、血小板数が100,000/mm3に回復してからでなければならない
  • アブラキサン治療中に重篤な好中球減少(500/mm3未満が7日以上)が見られた場合、以後の治療では用量を減らすこと

神経系

  • アブラキサンでは、感覚神経障害が高頻度で発症する
  • グレード1または2の感覚神経障害では、一般的には投与量の修正は必要ない
  • グレード3の感覚神経障害が発生した場合、グレード1または2に寛解するまで治療を中止し、以後のすべてのアブラキサン治療に関して用量を減らす

過敏性

  • 重篤で時として致死的な過敏性反応(アナフィラキシー反応を含む)が報告されている
  • アブラキサンに対して重篤な過敏性反応を示す患者には、再投与を試みてはならない

肝障害

  • パクリタキセルへの暴露や毒性によって肝障害が進行することがあるため、肝障害を持つ患者へのアブラキサンの投与は注意して行う必要がある
  • 中度・重度の肝障害を持つ患者には、開始時の用量を減らす必要がある

アルブミン(ヒト)

  • アブラキサンには、人血由来のアルブミン(ヒト)が含まれている

妊娠中の使用:妊娠カテゴリーD

  • アブラキサンは、妊娠中の女性に投与した場合に胎児に害を及ぼすことがある
  • アブラキサンの投与を受けた妊婦に関しては、適切に統制された試験が十分に行われていない
  • 本薬剤を妊娠中に使用する場合、または本薬剤を投与中に患者が妊娠した場合、その患者に胎児に対する危険性を伝えなければならない
  • 妊娠している可能性のある女性には、アブラキサンの投与を受けている間は妊娠を避けるよう助言しなければならない

男性への使用:

  • 男性には、アブラキサンの投与を受けている間は子供をもうけることがないように助言しなければならない

有害反応―無作為化転移性乳がん試験

  • アブラキサン単剤と関連している可能性のある重篤な心血管イベントが患者の約3%に発生した。イベントとしては、心臓虚血・心筋梗塞、胸痛、心停止、上室性頻拍、水腫、血栓、肺動脈血栓、肺動脈塞栓、高血圧が報告されている
  • 脳血管発作(卒中)と一過性脳虚血発作が報告されている
  • 本無作為化転移性乳がん試験では、最も一般的な有害事象(20%以上)は脱毛症(90%)、好中球減少(発症80%、重篤9%)、感覚神経障害(発症71%、重篤10%)、ECG異常(全患者60%、ベースライン正常患者35%)、無力症(発症47%、重篤8%)、筋痛・関節痛(発症44%、重篤8%)、AST(SGOT)上昇(発生39%)、アルカリフォスファターゼ上昇(発生36%)、貧血(発症33%、重篤1%)、悪心(発症30%、重篤3%)、下痢(発症27%、重篤1%未満)、感染症(24%)であった。特記すべきその他の有害事象には、嘔吐(発症18%、重篤4%)、粘膜炎(発症7%、重篤1%未満)があった。患者の3%(229人中7人)が、感覚神経障害によりアブラキサンの使用を中止した
  • その他の有害事象には、眼球・視覚障害(発症13%、重篤1%)、腎機能不全(発症11%、重篤1%)、体液貯留(発症10%、重篤0%)、肝機能不全(ビリルビン増加7%)、過敏反応(発症4%、重篤0%)、心血管反応(重篤3%)、血小板減少(発症2%、重篤1%未満)、注射部位反応(1%未満)があった。脱水症状と発熱も報告されている

アブラキサンおよびその他のパクリタキセル製剤の市販後情報

  • アブラキサンには重篤な過敏症反応も報告されている
  • 市販後調査の中で、うっ血性心不全と左心室機能不全についての報告があり、これは主として心臓関係の既往症を持つ患者やアントラサイクリン系のような心毒性薬剤の使用歴を持つ患者に観察された
  • アブラキサンの溢出が報告されている。溢出の可能性があるため、薬剤投与中の侵潤がないか、アブラキサン点滴部位を注意深く監視することが推奨されている

薬剤相互作用:

  • アブラキサンについては、薬剤相互作用の試験は実施されたことがない
  • CYP2C8またはCYP3A4を阻害または誘導することが知られている薬剤と併用してアブラキサンを投与する際には注意が必要である

特別な患者集団での使用

授乳期の母親:

  • パクリタキセルが母乳に排出されるか否かは分かっていない
  • 多くの薬剤が母乳に排出されること、また乳児に重篤な有害反応が生じる可能性があることから、薬剤の母親にとっての重要性を考慮しながら授乳の中止または薬剤の中止を決定しなければならない

小児:

  • 小児患者におけるアブラキサンの安全性と有効性は、評価されたことがない

高齢者:

  • アブラキサンの投与を受けた65歳以上の患者の中で有害性の頻度が顕著に上昇したことはない

腎障害:

  • 腎障害を持つ患者でのアブラキサンの使用については、試験は行われていない
  • ベースラインでの血清ビリルビンが1.5mg/dLを超える患者とベースラインでの血清クレアチニンが2mg/dLを超える患者は除外された

用量と投与方法

  • 中度・重度の肝障害を持つ患者とアブラキサン治療中に重篤な好中球減少または重篤な感覚神経障害が発生した患者については、投与量の修正が推奨されている

梱包内に含まれる警告、禁忌、警告および注意、有害反応の記述を含むすべての処方情報を確認すること。

悪性黒色腫について

悪性黒色腫は皮膚がんの一種であり、皮膚内にある色素生成細胞(メラニン形成細胞)が無統制に増殖するものです。悪性黒色腫は、早期に診断されれば一般的に治癒可能な病気です。しかし、身体の他の場所に広がった場合は、皮膚がんの中で最も高い致死性と侵攻性を持ちます。転移性悪性黒色腫を持つ患者は平均余命が短く、一般的に月単位の余命となります。世界保健機関によれば、世界で毎年約13万2000人が新たに悪性黒色腫と診断されています。悪性黒色腫の事例は過去50年間に10倍に増加しており、1970年代から一貫して増加しています。アメリカ癌学会では、米国での今年の悪性黒色腫の新症例が7万6000件を超え、悪性黒色腫によって9200人近くが亡くなると推定しています。

セルジーン・インターナショナルについて

スイスのヌーシャテル州ブードリーを拠点とするセルジーン・インターナショナル(Celgene International Sàrl)はセルジーン・コーポレーションの完全所有子会社であり、国際本部です。米ニュージャージー州サミットに本社を置くセルジーン・コーポレーションは国際的な総合バイオ製薬企業で、主として遺伝子とタンパク質を調節することでがんと炎症性疾患の革新的な治療薬の創薬・開発・商業化に努めています。詳細情報については当社ウェブサイトwww.celgene.comをご覧ください。

将来見通しに関する記述

本プレスリリースには、将来見通しに関する記述が含まれています。一般的にこれらは過去の事実に関する記述ではありません。将来見通しに関する記述は、「予想する」、「見込む」、「考える」、「意図する」、「見積もる」、「計画する」、「するだろう」、「見通し」といった用語で特定できます。将来見通しに関する記述は経営陣の現在の計画、見積もり、想定、予測に基づいており、発表時点での見解です。法で義務付けられた場合を除き、新たな情報や将来の出来事が発生した場合でも、当社は将来見通しに関する記述を更新する義務を負うものではありません。将来見通しに関する記述は固有のリスクと不確実性を伴います。これらのほとんどは予想が難しく、通常は当社の管理範囲を超えたものです。実際の結果や成果は、多くの要因の影響により、将来見通しに関する記述で示唆されたものと大きく異なる可能性があります。これらの要因の大部分については、フォーム10-Kによる当社年次報告書や、証券取引委員会への提出書類で詳しく議論されています。

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