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10代の睡眠に、より悪影響なのは就寝前の「ネット動画」?それとも「テレビ」?

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2022年09月26日 PM04:40

就寝前のYouTube視聴はティーンの睡眠に悪影響

多くのティーンが就寝前にスマートフォン(スマホ)やテレビなどを見て過ごすが、一部のアプリケーション(アプリ)は他のアプリよりも覚醒作用が強く、睡眠障害をもたらす可能性のあることが、新たな研究で明らかになった。この研究では、YouTubeが一貫して睡眠に悪影響を及ぼすことが示されたのに対して、従来のテレビの視聴はより早い就寝時間に関連していたという。WINK Sleep Pty Ltd(オーストラリア)のMichael Gradisar氏らが実施したこの研究結果は、「Sleep Medicine」12月号に掲載された。


画像提供HealthDay

Gradisar氏は、「これまでわれわれのクリニックで、睡眠問題を抱えたティーンを何人も見てきた。その多くがテクノロジー機器の使用を控えようと努力したが、それがうまくいっていないことは明らかだ。そうしたティーンの多くが、眠りにつくためにYouTubeを見ているようだ。彼らは、YouTubeの視聴は楽しいし、刺激的過ぎることもないと思っている」と話す。同氏によると、これまで、スマホやタブレットなどのデバイスについては多くの研究が実施されてきたが、個々のアプリが睡眠に及ぼす影響についてはほとんど検討されていないという。

そこでGradisar氏らは、12〜18歳の思春期の若者711人(平均年齢15.1歳、女子46%)を対象に、夜間のテクノロジー機器およびアプリの使用と、夜間の睡眠時間と日中の眠気との関連を調べた。対象者は、就寝の1時間前、およびベッドの中で眠りにつくまでの間にテクノロジー機器やアプリをどれくらい使用したかを報告した。また、平日の睡眠時間と翌日の日中の眠気についても、質問票を通して回答した。

その結果、就寝の1時間前での30分間の携帯電話またはパソコンの使用により就寝時間が9分遅れる可能性のあることが明らかになった。同様に、30分間のゲーム機の使用は約16分、YouTubeの視聴は約11分の就寝時間の遅れと関連していた。

これに対して、就寝1時間前でのテレビの視聴では、就寝時間が9分早まる可能性が示された。この結果についてGradisar氏は、「テレビは、携帯電話のように相互にやりとりすることがなく、ただ、座って見ているだけだ。それが、早めの就寝時間につながっているのかもしれない」と推察している。

このほか、ゲーム機の使用とYouTubeの視聴により、睡眠時間が不十分(7時間以下)になる確率が高まることも示された。

一方、ベッドの中で睡眠につくまでの間では、30分間のパソコンまたは携帯電話の使用で就寝時間が約7分、タブレットの使用で9分、YouTubeの視聴で約13分、遅れる可能性が示唆された。また、Netflixの視聴は翌日の眠気の増加と、YouTubeの視聴は睡眠時間が7時間以下になるオッズの増加と関連していた。

この研究報告を受けて、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)睡眠障害センターのディレクターであるAlon Avidan氏は、YouTubeの視聴が一貫して睡眠に負の影響をもたらしていた理由について、「問題の1つは、1本の動画を見終えた後に、関連動画をクリックするのが非常に簡単な点にあるのだろう」と述べている。同氏はさらに、「夜遅くにスクリーン上でする宿題でさえ、睡眠にとって有害な可能性がある」と指摘している。

Gradisar氏は、「就寝前のテクノロジー機器の使用が全て、ティーンの睡眠に悪影響を与えるわけではないということを、保護者は理解しておく必要がある。また、親はこの研究結果を、自分の健康的な睡眠のためにも応用できる」と話す。同氏らは、就寝前に使うテクノロジーについて、自分たちで実験してみることを勧めているという。同氏は、「睡眠の質を低下させないような、何か楽しめるものを見つけるとよい。そのテクノロジーを使うことがリラックスにつながり、なおかつ就寝時間をきちんとコントロールできるようなものが良いだろう」と助言している。(HealthDay News 2022年9月13日)

▼外部リンク
What’s “app”-ning to adolescent sleep? Links between device, app use, and sleep outcomes

HealthDay
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Photo Credit: Adobe Stock
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