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2型糖尿病を合併する慢性腎臓病の適応を持つ唯一のMRA「ケレンディア(R)錠」を発売-バイエル薬品

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2022年08月29日 AM11:00

アンメットメディカルニーズ抑制に期待

バイエル薬品は、2型糖尿病を合併する慢性腎臓病(CKD)の適応を持つ唯一の非ステロイド型選択的ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)「(R)錠(一般名:)」を2022年6月2日に発売。同薬品に関するプレスセミナーを7月21日に開催した。柏原直樹氏(川崎医科大学副学長/腎臓・高血圧内科学教授)より「糖尿病性腎臓病の現状とアンメットメディカルニーズ―腎臓病の克服を目指して―」、古家大祐氏(淡海医療センター病院長/金沢医科大学名誉教授・客員教授)より「2型糖尿病を合併する慢性腎臓病への新たな期待―」と題した講演が行われ、2型糖尿病を合併するCKDおよび同薬剤承認までの背景等への見解を示した。

MRの過剰活性化を抑え、心血管や腎臓の障害を抑制する作用効果

2型糖尿病を合併するCKDの進行は、血圧などの血行動態、血糖コントロール不良などの代謝に加え、炎症や線維化が要因として知られている1,2)。つまり、2型糖尿病を合併するCKD患者にとってアンメットメディカルニーズである心血管や腎臓の障害を抑制するためには、血行動態や代謝だけでなくMRの過剰活性化が関与する炎症や線維化への介入が必要とされているのである。ケレンディア(R)錠は、MRに選択的に結合し、炎症や線維化を引き起こすMRの過剰活性化を抑えることにより、心血管および腎臓の障害を抑制する新規作用機序の薬剤である。


柏原直樹氏(川崎医科大学副学長/腎臓・高血圧内科学教授)

柏原氏は同講演で2型糖尿病患者では、半数近くがCKDを合併していたことを示した。また、2型糖尿病と腎障害を合併する患者は、2型糖尿病と腎障害のどちらも罹患していない患者と比較して、10年間の死亡率が47.0%上がったことを示した3-5)。また、「罹患期間が長ければ長いほど合併症の頻度も上がり、重症化につながる。重症化を抑制することが大切である」と見解を述べた。

CKD患者13,000人以上が参加した大規模臨床試験に基づき承認

本剤承認の背景には2つの大規模臨床試験「①FIGARO-DKD」と「②FIDELIO-DKD」が挙げられる。どちらも2型糖尿病を合併するCKD患者を対象としているが、①は比較的重症度の低い患者が対象である一方、②は比較的進行した患者を対象としている。


古家大祐氏
(淡海医療センター病院長/金沢医科大学名誉教授・客員教授)

各有効性主要評価項目6,7)において、ケレンディア(R)群はプラセボ群と比べ、FIGARO-DKD試験では心血管複合評価項目の発現リスクを13%、FIDELIO-DKD試験では腎複合評価項目の発現リスクを18%、それぞれ有意に低下させた。また、両試験によって、安全性プロファイルも示された。主な副作用、重篤な副作用共に高カリウム血症の割合が高いことも明示している。
本結果により、2型糖尿病を合併するCKDにおけるアンメットメディカルニーズの克服に本剤投与がつながる可能性が古家氏より示唆された。

透析患者減少、患者のQOL向上を目指す

日本には約1,330万人のCKD患者がいると推計されているが、あまり認知されていない危険な病態である。CKDは、糖尿病に起因する最も多い合併症の1つであり、心血管疾患の独立した危険因子でもある。また、2型糖尿病を合併するCKDは、生存のために透析または腎移植を必要とする末期腎不全の主な原因としても挙げられる。
「透析患者を減らし、患者のQOL向上を目指したい」と、柏原氏より今後の展望が述べられた。

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