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患者自ら装着可能な着衣型3誘導心電計測システムを開発、5月提供開始-慶大病院ほか

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2022年04月26日 AM11:15

2誘導は来院が必要、1誘導は情報が不十分、3誘導は長期計測不可だった

(慶大病院)は4月25日、着衣型ホルター心電計(一般名:長時間心電用データレコーダ、販売名:e-skin ECGデータレコーダ、医療機器認証番号:304AFBZX00001000)の保険適用が2022年3月1日より開始されたことを発表した。この着衣型心電計測システムは、慶大病院が株式会社Xenomaと共同で行った、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム「AI(人工知能)ホスピタルによる高度診断・治療システム」に関する研究に基づき開発された。


画像はリリースより
(詳細は▼関連リンクからご確認ください)

長時間心電検査は不整脈や虚血の検出などに頻繁に使用され、循環器領域で汎用される検査だ。通常の臨床では2誘導(2つの心電図波形)で24時間行うことが一般的だが、装着・取り外しに医療従事者の関与が必要なため来院日数が増加することや、ケーブルや記録機によって検査中の動作が制約されることから受診者が検査を忌避することも少なくない。また、一部の医療機関では1週間から2週間の心電モニタニングも実施されているが、これらの検査は1誘導で行われており、医師が要求する情報を網羅できていない。一方、従来のホルター心電計による3誘導の検査は受診者自ら装着できず通常の入浴ができないことから、1週間などの長期にわたる計測は通常実施できない等の課題があった。

処方を受けた患者自らe-skin ECG計測用シャツを着用、返送後に医師が診断

慶大病院とXenomaは2019年7月より着衣型3誘導心電計測システムの共同開発を開始した。今回、開発されたシステムでは、医療機関において長時間心電検査の処方を受けた受診者はe-skin ECG計測用シャツ(一般名:心電計ケーブル及びリード、販売名:e-skin PCFケーブルRPU-F000)を着用し、当該シャツにe-skin ECGデータレコーダを装着することにより計測を行う。受診者が検査キットを返送後、心電データの解析結果がXenomaから医療機関に提供され、当該解析結果をもとに医師による診断が行われる。

同システムにおいて、専門的知識を有さない受診者でも汎用性の高い3誘導での計測を自ら実施することを可能にした主たる要素はe-skin ECG計測用シャツのデザインにあり、当該デザインは慶應義塾とXenomaの共同の意匠として2020年11月に登録された(意匠登録第1673834号)。

さらに、慶大病院での実証実験を経てe-skin ECGデータレコーダが2022年1月にクラスⅡの医療機器として認証を取得し、このたび保険適用が開始されたことにより、医療機関での実用化に向けて制度上必要な準備が整った。

受診率や地域差による医療アクセスの公平性の向上に期待

同システムは、ケーブルや記録機によって検査中の動作が制約されないなど受診者の装着負荷を低減するだけでなく、従来は必須であった計測開始時と終了時の来院を要しない郵送による検査の実施が可能となるため、受診率の向上や地域差による医療アクセスの公平性向上にも資するものと期待される。

同システムを活用した検査の実用化にあたってはXenomaが主体となって検査キットの提供やデータ解析を行う。医療機関からの検査申込は2022年5月より受付開始となる。

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