医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医療 > ハーセプチン、HER2陽性の根治切除不能な進行・再発の唾液腺がんで追加承認-北大ほか

ハーセプチン、HER2陽性の根治切除不能な進行・再発の唾液腺がんで追加承認-北大ほか

読了時間:約 1分12秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2022年01月11日 AM11:00

北大病院主導・医師主導P2試験の成績に基づく承認

北海道大学病院は1月7日、(一般名:(遺伝子組換え)、製造販売元:中外製薬株式会社)について、11月25日にHER2陽性の根治切除不能な進行・再発の唾液腺がんを適応症で適応拡大の承認を受けたと発表した。今回の承認は、HER2陽性の進行・再発唾液腺がん患者16例を対象に実施された、北海道大学病院主導の国内第2相・医師主導治験(HUON-003-01試験)の成績に基づくもの。

希少がんで標準的な薬物療法が確立していない唾液腺がんでは、新規治療薬の開発が切望されている。

同試験の実施では、ハーセプチンとドセタキセルの併用による有効性および安全性を検討。主要評価項目は奏効率であり、有効性解析対象集団15例のうち、60%に奏効が認められた(95%信頼区間:32.3~83.7)。副次評価項目の安全性評価において、主な有害事象は、好中球数減少、白血球数減少、脱毛症、貧血、口内炎および低アルブミン血症等だった。治験計画で設定した治療が完了できなかったのは16例中1例であり、忍容性も確認された。

なお、同試験の実施施設は、、宮城県立がんセンター、国際医療福祉大学三田病院、名古屋市立大学病院、神戸大学医学部附属病院の全国5施設だった。

国内初、医師主導治験でコンパニオン診断薬も同時開発・承認される

また、同医師主導治験の結果に基づき、ハーセプチンの唾液腺がん患者に対するコンパニオン診断薬として、ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社のHER2 IHC(製品名:ベンタナ ultraViewパスウェーHER2(4B5))およびHER2 ISH検査キット(製品名:ベンタナ DISH HER2キット)が11月11日に承認された。

医師主導治験において、治療薬とともにコンパニオン診断薬が同時開発・同時薬事承認された例は国内初となる。

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医療

  • 子の食物アレルギーは親の育児ストレスを増加させる-成育医療センター
  • 認知症のリスク、歯の喪失だけでなく咀嚼困難・口腔乾燥でも上昇-東北大
  • AI合成画像による高精度な「網膜疾患」の画像診断トレーニング法を開発-広島大ほか
  • 腹部鏡視下手術の合併症「皮下気腫」、発生率・危険因子を特定-兵庫医大
  • 自閉スペクトラム症モデルのKmt2c変異マウス、LSD1阻害剤で一部回復-理研ほか